形式:単行本
出版社:毎日新聞出版
(続き)図書館で借りて読みましたが、買うべき本だったのかも。『しかし、私たちが等閑にした諸問題のなかには、過ぎ去るどころか深く根を張って、国の基盤を侵食し続けているものがいくつかある』p.18『漫然と長寿に安住していられる時代は、たぶん終わったのだ』p.115
2020年は、ほぼコロナ禍一色の一年でしたが髙村さんの時評を読むと2019年には様々な問題が起きていた事を認識させられます。思い出させられました。コロナ禍で内向きな姿勢になるだけではなく時事問題に対してもう少し関心を持ち自分の意見が述べられるように考察を加えて座標軸を持ちたく思いました。
「サンデー毎日」で時折読んでいたのでそのままになっていたけれど、こうして一冊の本で読んでみてよかった。すすめてくれた読友さんに感謝。「サンデー毎日」の「サンデー時評」これからも読んでいきたい。
レモングラスさん、これはもう自分としては今年度No1確定なんですよね。これだから高村薫はやめられないの(笑)。間違いなく最高峰に君臨する作家さん。
教えていただきありがとうございました。今、読んでいます。「サンデー毎日」で、だいたいは読んでいたつもりでいましたが、あらためて読んでみて、読み応えがあり、こうして一冊になり読む醍醐味を感じています。読了するには時間がかかりそうですが、お礼申し上げたくコメントしました。
レモングラスさん、小説とは違う世界ですが、高村薫の本領発揮ですね。これは自分にとっても特別な存在です。
失敗を認めなければ、核心に触れないままの有耶無耶な姿勢のままではあらゆる復興は永遠に終わらないのではないか?という指摘に同意です。広い意味で復興というのは福島だけのことでなく先の大戦での原爆の被害や沖縄だけに押し付けている基地の問題もそうです。形だけの復興の裏側には人の気持ちを踏みにじるような行いがありはしまいか。
(3)それは、私のような国民の政治への無関心が作り出す思考停止が、選挙の際にだけ謙った態度を示し、当選後は平気で国民の意向を無視するような政治家をつくり、不誠実や不正直をますます増長させる、ということではないだろうか。今日もニュースで検察官の定年延長問題に関して、多数の反対意見が寄せられたにも拘らず、意に介さず強行するような政権の態度が示された。自らの都合が悪いことに対しては、公文書を破棄してまでも積極的に隠そうとし、環境問題や少子高齢化に対する対策等には消極的のように見える。→(4)
(4)こんな政権が、安定政権として7年以上も続いていることの是非を、真剣に考えなければならないのだろう。
「どれだけ詳細な注意事項があっても、多くの人がとりあえず個人の欲望や仕事を優先し、飛行機や列車やバスに乗って移動し、かくしてウイルスは世界へまき散らされる。これが人間という生きものの本態だが、ウイルスのように目に見えないものについては、恐怖や警戒の傍らに、ある種の慢心が同居しているのである」と説く。(つづく)
東京をはじめ7都府県に緊急事態宣言が発令される1ヶ月以上前であり(発売は3月1日の1週間前であって、執筆はさらに前のことになる)、全国に緊急事態宣言が発令された現在、その慢心にどこまで自覚的になれたであろうかと、市井の一人として考えずにはおれない。
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