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怪異をつくる: 日本近世怪異文化史

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読書遍歴備忘録
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言われてみれば筋道が通っている古代国家での怪異の扱いや、怪異が何故民間に広まったか、何故そもそも生まれるのか、どのように怪異が決められていくのか、等々色々な要素が詳細に語られており興味深い内容でした。
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mutu-bird
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おもしろいなぁ。国家が所管・対応すべき怪異、民衆にとっての怪異。江戸文化の中の怪談文化も気になるし、朱子学・国学の中の怪異の取り扱いも面白。どこから手をつけようか迷うがやはり大陸側を外すわけにはいかないか。作者の影の中に京極夏彦の姿がちらついて面白い。
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たっきー
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ネタバレ怪異に関わる人の営みを「つくる」として歴史学的に論じる。林羅山を近世の怪異をつくった第一人者とし、仏教の怪異を儒学の怪異へ再解釈する仏教批判と儒学教化の実践を行ったとする。興味深いのは政治と怪異を論じた第二章で、怪異が平安時代後期に神仏が示す政治的な凶兆として理解されるようになったという。そして寺社が怪異を積極的に利用するようになったと指摘する。このような傾向は近世になっても続き徳川政権でも機能していた。他に産女の変遷や古賀侗庵論は素晴らしいが、西鶴・秋成と論じるのに浅井了意に触れていないのが残念だった。
たっきー

浅井了意の『伽婢子』は語彙のところで引いているが羅山、西鶴の間に位置するはずだ。羅山から多大な影響を受けているし西鶴に影響を与えている。

10/02 17:38
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西野西狸
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ネタバレ歴史学の立場からの怪異研究で林羅山などの儒者を始めとした当時の知識人が怪異をどのようにとらえていたのかということを史料を博捜することで手薄だった近世の怪異と政治文化という問題と結びつけている。また、辞書に収載されている語彙から怪異、ウブメと姑獲鳥、ハーピーが結びつけられる捉えられたことというのも興味深い。知識人から民衆、政治から文芸まで様々なレベルの史料から近世怪異研究に切り込んでおり素晴らしい本である。
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大臣ぐサン
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歴史学の観点から見た妖怪学。妖怪語彙を辞書の比較から見た論考は新しい。妖怪学も成長を遂げている。
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夜間飛行
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林羅山は怪異を利用して政治的意図を語ったが、同時にその権威が怪異を広めた。幕府は切支丹弾圧や社寺統制と並んで怪異を語る「人」を取り締まりつつ、怪異そのものは朝廷に委ねる方針を採った。怪異の扱いは学問や政治の大きな課題だったらしい。一方、庶民の側では怪異を心の問題と見る文化人のネットワークができ、怪異は虚構/娯楽となる。源琦や石燕の化物絵は怖さもユーモアもあり肩肘張らずに楽しめる。思うに当時の創作物は非合理の扱い方にそれぞれの個性があるようだ。ウブメの絵の変遷や、西鶴や秋成における怪異の洗練がそれを物語る。
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