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「京都」の誕生 武士が造った戦乱の都 (文春新書 1257)

感想・レビュー
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ぽんすけ
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平安京=京都ってイメージだったんで清水寺や金閣銀閣、三十三間堂、平等院といったメジャー観光地が従来の平安京の中に一つもないと知って驚いた。歴史の時間に資料集で見た平安京が実際には設計通り開発もされずただの桓武天皇の妄想図面とかびっくりである。元々の平安京の右京や南部が低湿地帯で居住に向かなかったってのが一番の原因だろうけど、白河院から始まる院政時代と、平氏の拠点となった六波羅開発が今の現代人が認識する「京都」を作っていったということが大変わかりやすく解説されていて良かった。やっぱりこの先生の本は面白いな。
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Yoshihiro Yamamoto
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A+ NHK「英雄たちの選択」に出演した著者の発言に感心して以来、興味を持ち始めた。著書は、「平安京はいらなかった」に次いで2冊目。「平安京」が「京都」に変貌したのは白河院と白河院が設置した北面の武士(伊勢平氏の平正盛)が造った「白河(現在の平安神宮のあたり)」と、「六波羅(現在の祇園のあたり)」、そして後白河院が造った「法住寺(現在の三十三間堂あたり)」と平清盛が造った西八条殿(現在の京都駅から京都鉄道博物館のあたり)」ができてから。つまり「武士の台頭と共に洛外が開発されて今の京都になった」というもの。
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おおい
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ためになった。
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真作
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お神輿わっしょいの起源が叡山の強訴なのだとしたら、なんとも興味深い。武士と言えば日本刀だと思っていたが、最初は弓矢なんだな。
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fseigojp
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東山とか鳥羽の新興がわかった
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B.J.
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京都人にとって、先の戦乱とは? 応仁の乱を指す。
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YIN
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洛中洛外の中華思想が虚構にすぎないことをみごと論じている本。院たちのお屋敷やたたかいの場所などを現在の鉄道路線が重ねられた地図でみると、京都の印象ががらっと変わってしまう。そういえば平家物語の時代のちょっと前などというのは、学校の古典じゃあまりやらないかも? 自分にとっては歴史というより地理のお勉強だった。
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わ!
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京都と聞いて思い浮かぶ場所の数々は、実はほとんど平安京ではない(平安京なのは東寺ぐらいだ)。そう考えて平安京を平安時代に造られたとした場合、現在の私たちが観光で訪問する京都はどの時代から造られ始めるのか…そんな少し変わった着想から「京都」の誕生を描く。メインは保元・平治の乱の話になるのだが、これがなかなか面白い。武士の役職の話の中に、いきなりドラえもんが出てきたり、平安時代の貴族の儀礼の話の中にいきなりあおり運転の話が出てくるなど、著者独特のセンスで書かれる平安絵巻。いや〜いろんな意味で勉強になりました。
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peace1975
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平家と京都の関係、平安京の中と外の関係など、はじめて知る内容。
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Junko Yamamoto
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著者のシニカルな視線が小気味良い。京都の見方を変えよう。
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かんがく
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とても面白い。現在の京都という街がどのように出来たかを、白河鳥羽院政期から平氏政権にかけてを中心に叙述する。平安京をパソコンに喩えた説明など面白い。史料の引用も多く、当時の貴族、武士、寺社の様子が活き活きと伝わってきた。
0255文字
餅屋
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平安京=京都ではない!と平安京がどのようにして「京都」になったのか。打ち捨てられた右京、平安京の外にある「白河」「鳥羽」「六波羅」の開発および「八条」の再開発を、誰が何故行ったのかを丁寧に説いています。どのように武士が京都で地位を得ていったのか。摂関政治から院政への移行により、何が必要になったのか。白河院政から始まり鳥羽院政、二条親政、平氏政権と続き開発が進みます。おわりに「平家が完成させ平家が破滅させる京都」です。とても興味深い内容でした。他の著作も読んでみます。(2020年)
0255文字
寝落ち6段
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京都観光といえば、どれも平安京の外側ばかり。その指摘には虚を突かれた。あたかも京都は朝廷の、天皇のお膝元で、天皇を中心に形成されてきたとばかり思いこんでいた。貴族中心だったものが、白河院政を変換点として武士が台頭するにつれ、武士中心の都市に変貌していった過程を追っていくと、町の構造の変化も納得する。あまりにも京都を、歴史ある古都だと、イメージが先入観を作っていた。そうだ、京都は戦乱の都だったのだと思い起こさせられた。書きっぷりも臨場感があり、とても面白かった。
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bapaksejahtera
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「京都を守った天皇と京都を荒らした武士」との言説に異を唱えるのが本書の主題。現代の京都は、旧平安京域域に寺社・繁華街が乏しい。抑々平安京は発足当初、市域の半分右京を切り捨てた。残された旧市域にも寺院の建設が禁止された。祇園も東山の寺社群も、摂関期を終え武士を政権維持の基幹とした白河院政期及びこれに続く平氏の政権によって開発された新市域に発展したものである。平氏は政権末期に京都を弊履の如く捨てて福原に転じたが、その後の京都は天皇自身による破壊や天災によって荒廃し、その復興は幕府の手を待たねばならなかった。
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宇宙人
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京都に対してドライな書き方をする人の京都論は面白いし、内容も客観的なんだろうと思う。 京都の観光地は平安京の外ばかり、というのは言われてみればたしかに!
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田中峰和
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観光地としての京都の魅力と言えば、神社仏閣だが、平安京に寺を作ってはダメだったという意外な事実に驚かされる。都に出没する群盗の取り締まりを担ったのが検非違使だったが、犯罪を取り締まる側の人数が少なすぎて機能しなかった。そこに登場したのが貴族を源流とする武装集団。清和源氏と桓武平氏に二分される武士たちが貴族を超えるには、摂関政治から院政への権力の変遷があった。白河上皇は藤原氏の権力を無力化し、武家の活用で自ら権力を掌握した。源氏が謀反人の晒し首を伝統とするのに対し、平家は政権に取り入るのがうまかった。
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山家
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ネタバレ「平安京」が「京都」の誕生の基になったのではなく、武士の誕生が「京都」の誕生の基になった。更に、その最大の要因になったのが、「院政」と「平家」の存在であり、後白河院と平清盛が「京都」をほぼ完成、誕生させた、と著者は説いています。実際、豊富な資料に基づいて論証されており、私自身、極めて納得のいく説明、流れではあるのですが。ところどころ、やや論証が甘い、というか、我田引水的な主張が見られるのが、私としては惜しまれます。特に「殿下の乗合」まで取り上げる必要があったのかな、と私としては想わざるを得ませんでいた。
0255文字
みこ
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序盤から平安京≠京都という目から鱗な理論を展開。平安貴族(実質藤原氏)によって作られた血の穢れとは無縁なそれでいて藤原氏の既得権益で固められた平安京を壊したのが白河上皇。白河上皇は武士を掌握することで貴族勢力に対抗したが、力をつけた武士たちによって平安京は破壊されていく。院政から保元・平治の乱を経て清盛が権力を握るまでを解説しているのだが、清盛が天下人になったという結果ありきで書いていないので臨場感を持って楽しめた。
0255文字
かろりめいと
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京都学三部作の第二弾。白河院政から平家台頭まで。鴨川以東の白河、都の南の鳥羽、白河の南の六波羅と京都は拡大。これらの都市開発の源泉は莫大な寄進。でこれの源泉は農民から搾り取る凄まじい構図。武士が台頭して保元・平治の乱に至る様子がよく分かった。とても面白かった。
0255文字
アメヲトコ
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平安京はいかにして「京都」になったのか。『平安京はいらなかった』『武士の起源を解きあかす』の続編的内容で、院政と武士をキーワードに論じた一冊です。都市の空間構造をしっかり押さえながらの議論は分かりやすく、ほどよい小ネタを交えて飽きさせないテンポの良さも健在。テンポが良すぎて本当かなと思う箇所もなくもありませんが。あとがきによるとすでに続編準備中のようで、筆の速さには驚嘆するばかり。
0255文字
不純文學交遊録
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ネタバレ修学旅行や観光で京都の名所を歩いても、道路は碁盤の目ではない。平安京は条坊制に則って造られたはずなのに。実は京都の有名な神社仏閣は、みな平安京の外にあるのだ。院政期、平安京の南に鳥羽、鴨川の東に白河、白河の南に六波羅が相次いで開発された。新たな都市=京都の誕生である。開発を主導したのは、絶大な権力を握った白河院と京都の治安を担った平家だった。それは、武士が歴史の表舞台に躍り出たプロセスと重なる。先行研究に対する挑発的な物言いが鼻に突くが、説得力はある。
0255文字
眉毛ごもら
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平安京から京都になったのは武士、主に平家がメイン!という本。平安京をOSに例えて外に造られた白河や六波羅を外付けハードという説明は中々ユニークだがわかりやすいと思います。桓武天皇が東寺西寺以外は平安京に寺を作ったらアカン!という法律に従った結果有名所の寺社はほぼ平安京の外にあるというのは京都大好きな割に意識してなかった。反省。元々住みやすいところが北東に偏っていた平安京が手狭になり東山界隈が発展していき院政期に白河の六勝寺、平家の六波羅が大開発されて京都になっていったと、そういう視点で京都回るの楽しそう。
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magic makky
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【感想】教科書に載っている平安京の地図と観光案内の京都の地図を見比べたことがなかったが、改めて観光地図の中の平安京はどこだろうと見ると面白い。鴨川から東の地区の発展が平安京を群盗などから守るために武士を入れてきたことがきっかけであること。さらに武士の世の中になり、開発を進めるうちに今の京都ができてきたんだことがわかった。今後京都に遊びに行くときには、そういうことも知った上だとさらに楽しくまわれそうなので、それが楽しみだ。
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magic makky
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【感想】教科書に載っている平安京の地図と観光案内の京都の地図を見比べたことがなかったが、改めて観光地図の中の平安京はどこだろうと見ると面白い。鴨川から東の地区の発展が平安京を群盗などから守るために武士を入れてきたことがきっかけであること。さらに武士の世の中になり、開発を進めるうちに今の京都ができてきたんだことがわかった。今後京都に遊びに行くときには、そういうことも知った上だとさらに楽しくまわれそうなので、それが楽しみだ。
0255文字
ろば
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再掲。なぜか読メでは別々に登録され二冊の本になっている。20年刊、全8章で、標題にある「京都」を目当てに読んだが、多くは10世紀から12世紀にかけての武士の活動が描写される。後半に三十三間堂で有名な法住寺殿や平家の六波羅、清盛の西八条殿,鳥羽殿や白河殿が登場するが主題は別の所にありそう。平安時代に台頭する武士の活動はそれなりに興味深かった。
0255文字
MUNEKAZ
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桃崎先生らしく力強い言葉でグイグイと読ませる一冊。本来の役目を果たせず打ち捨てられた平安京が、院政という新しい政治の形を受けて、新興住宅地(鳥羽・白河)の建設と武士の流入による大改造の結果、「京都」へと生まれ変わる過程を追う。単に京都の地理学にとどまらず、武士の誕生と発展、院政の展開ともリンクさせた内容は、著者のこれまでの一般書とも通じるところが多々あり面白い。「京武者」の定義、「八条院」を清盛邸とするかなど、相変わらず学問的にもキレキレな姿勢も良い。
0255文字
kurayamadasoga
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ネタバレおわりにて著者はビックリすることを書いている。内裏に火をつけた天皇が何人かいると言う。本当にそんな事実があったのか。「京都を守った天皇と、京都を荒らした武士」と言うイメージが強いが、真実は逆であると言う。著者はそれらの話は機会を改めて紹介する用意があるとも言う。次の著作を待ちましょう。
0255文字
神田川昌平
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白河院政~平氏政権までに、いかにして「京都」が造られたかがわかる。ところどころ、地図が入っているのもわかりやすい。序文にあった通り、読み終えると京都に行きたくなる。
0255文字
kawasaki
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『平安京はいらなかった』から読むと、「都市のかたち」と「権力のかたち」「社会のかたち」を一連のものとして捉える著者の描きだす論がよりわかりやすい。タイトルにある「京都」の拡張について語りつつ、「京武者」論や「西八条殿=清盛邸」説などに対する疑義の提起、「獄門」「天下」といった語の解説など、一般向けの語り口でありながらも濃厚な内容。全体も個々も興味深いが、山門衆徒・武士・白河院と登場勢力全部強烈な嗷訴のインパクトや、暴力とスマートさを同居させる平家の相貌などが印象に残る。
0255文字
onepei
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読みやすい。「京都」は公家の都市ではない、というなるほどという話。
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nagoyan
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優。平安京≠「京都」?京都が平安京の西側を捨てて、東側へ拡張されてきた歴史そのものは常識的。しかし、本書の面白さは、それを古代から中世に道を開いた院政と、当初これに寄生し、遂には中世権力に成長した平家(武士)政権の物理的装置としての都市機能が「京都」をつくったと説明した点にある。天皇は平安京から離れることができない。院は可能だった。天皇・廷臣たちは平安京に縛られ、院・近臣・武士は新しい都市(白河、鳥羽、六波羅・法住寺、八条・西八条)がつくった。「京都」・武士を通して観た古代、中世の発展、断絶の歴史である。
0255文字
HANA
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「平安京」が「京都」になるまでを、武士の活躍と共に解説をした一冊。これで言われて改めて気が付いたけど、現在の京都の名所ってそのほとんどが平安京の外にあるというのは目から鱗。長い間住んでいたけど、全然気にした事が無かった。あと本書は鳥羽や六波羅といった東山、八条等の平安京外の発展の記録であるとともに、主に院政期の通史としても読む事が出来、そちらでも十分面白い。保元・平治の乱以前の事等には暗かったので、兎に角教えられる事多し。あと自分が昔住んでた場所に意外な建物があったりして、そちらも興味を惹かれたし。
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chang_ume
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変容した平安京「京内」(左京に集中)と、鳥羽・白河など「京外」開発地が結合した、新たな都市域を「京都」として捉え直す。第一の画期として、京外開発を進めた白河院政。第二の画期は、京内西縁辺に「西八条」を建設した平氏政権とする。大きな括りでは、古代平安京から中世京都へという道筋。では次に「中世」とは何かという提起に応じて、サブテーマ「武士の起源と伸張」が絡む流れでしょうか。都市景観の緻密な復元が主と思いきや、意外と大きな話に向かったなと。院政成立と京外開発の関連や、京内の他都市域(西七条・西京)はどうかな。
chang_ume

“「京都」とは、既存の平安京(の残骸)と武士を、院政という仕組みに適応するように組み替え、外部装置(白河・鳥羽)を接続した結果生まれた、“院政仕様”の新しい都だった”

04/21 01:29
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Kanbukyoukou
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「平安京はいらなかった」「室町の覇者 足利義満」の間の京都の変遷はこちらの書籍で。 著者の書を三連続で読んでしまうとは。まあ面白いから問題なし。
0255文字
ひつじ先生
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タイトルや話題が広い意味に捉えられてしまうのであるが、自分なりに内容をまとめると、上代文学の舞台である「平安京」から、戦国武将たちが天下統一を目指して攻め上った「京の都」への変化である。平安時代の中頃以降に台頭してきた武士を中心に、院政や寺社勢力の影響によって「京都」は生まれた。それは古典の便覧や日本史の資料集に載っている碁盤の目の平安京の姿とは全く異なるものなのだ。本文中にあった数式、(平安京+武士)✕院政=京都、のとおり。そして中世がはじまる。また、前に途中まで読んだ『公家源氏』の内容とも重なった。
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Tetsuji Yamaguchi
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「京都」の誕生 武士が造った戦乱の都 (文春新書 1257)評価83感想・レビュー36