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パトリックと本を読む:絶望から立ち上がるための読書会

感想・レビュー
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あるぱか
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雑誌で紹介されていた本。貧困地域のリアルと本を読むことの力が書かれていました。ドキュメンタリーを文章化した感じで、小説とは違う独特な雰囲気。横文字が苦手なことも相まって、読み進めるのが少し辛かった部分もありました。読書離れが進むと言われている昨今ですが、こういう人たちが増えるということなのかなと思うと少し怖くなりました。
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takao
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ふむ
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くまこ
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素晴らしい本。読んでよかった!
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Roko
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台湾系アメリカ人のミシェル・クオは、ハーバード大を卒業し、ロースクールへ進む前に、アメリカ南部の町で2年間ボランティアの教師になることを決めました。ここの黒人の生徒たちに、学ぶ楽しさを知って欲しいという理想を持って挑んだのですが、そうは上手く行きません。それでも、生徒たちと少しずつ打ち解けていき、中でもパトリックという少年には才能があると信じるようになりました。数年後、彼女は悪い知らせを受け取ってしまったのです。パトリックが人を殺して、拘置所にいるというのです。
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夢仙人
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パトリックとクオ先生の読書を通じた心の成長。素晴らしい。胸がいっぱいになる。
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Kazu_1224
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人権活動に熱心な著者が自分の言動に矛盾を感じたり、後悔したりと揺れ動く様が細かに綴られていて、読みながら苦しくなることもあったけれど、圧倒的に立場の違う関係性の中で、ただ論じて終わらずに理解しようともがく姿が印象的だった。結局何も変わっていないし何も救っていないと言ってしまえばそれまでだけれど、著者の行動は無価値ではないと感じる。また、アフリカ系アメリカ人とアジア系アメリカ人という、同じマイノリティでありながらも立場が異なる両者について、本書を通じて触れることが出来たということも得難い経験であったと思う。
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水蛇
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アジア人としても何度も胸をえぐられた。黒人差別とも違う構造のアジア人差別のなかで自分を証明せよというプレッシャーから逃れられない著者が拠りどころとして求めた黒人の歴史。マイノリティ同士の立場の違いは当然摩擦も生む。課題は常に白人vs黒人とは限らない。この重みをわたしたちは知る必要がある。そしてときどき空から水滴が降ってくることに慣れて当然だと思いたくない。なぜどんなときもわたしたちは一篇の詩に安らぐんだろうと思いながらずっと読んで書いていたい。
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Aki
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久しぶりにミステリと実用書以外の小説を堪能した。21世紀のアメリカにも色濃く影を落とす人種差別による様々な課題を、パトリックという1人の少年と教師の関係から浮かび上がらせる。過度に感情移入はしないものの暖かい眼差しと、教師自身の胸中も聖人ではなく葛藤を抱えていることを隠さないことで、難しいテーマを嫌味なく描ききった。静謐な中にも人間が本来備え持つ強さと明るさを感じられる佳作。
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non
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 24-96:936。黒人(人種)差別、歴史や社会を折り込み、少年との関わりを。その意思や行動は素晴らしくともいつも中途で終わってるようだし、他の生徒も沢山いたのに。長過ぎる謝辞は削がれる「いまその助けを受けとかなきゃーーあきらめられちまう前に·おまえは親を見下している·自分の仕事に誇りをもちます」
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ドリアンLove
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読了まですごく時間がかかった本。と言っても、中身が重かったり難しかったわけではない。そもそも、こういうのダメなのかもしれないけれど、公民権運動とか、環境問題とか、関心が全くない私。興味がない=そのこと自体に意味がないと思っているわけでは決してないのだが。この本はアメリカ・デルタ地帯に黒人として生まれた(生まれてしまった)少年と、そこに関わりを持った台湾系アメリカ人教師の著者の実話。興味がない私でも、読みたい、読もうと思わせてくれたミシェル・クオさん。次作があればまた読んでみたい(電子図書館)
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まめた
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パトリックのように聡明に生まれついても、環境によって、学ぶ喜びを経験することもなく過ごし、トラブルから事件を起こしてしまうなど、黒人社会の現実に重く苦しい気持ちになりました。パトリックが、本を読み学び続けて人生をあきらめないでいてくれたらと思いました。ただ、光を当ててもらう機会のない子どもたちが大多数だと思うので、どうすることがよいのかと考えてしまいました。
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ぽけっとももんが
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先日「私はスカーレット」を読んだのだけれども、今でも黒人への差別は根深い、いやもうあの頃と何も変わってないのではないか。奴隷解放といったところで機会を与えられていないのだから、貧困が連鎖するばかり。そんな地区で教師をしたミシェルが、優秀な教え子だったパトリックが人を殺して拘置所にあると知って尋ねて行く。本を読み詩を暗唱し手紙を書き、パトリックの知性が磨かれていく。とはいえそれはとても心許ない。刑期を終えてからも悪い誘惑は多いだろう。ミズ・クオはちょっとセンチメンタルすぎるかな。
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夜長月🌙@読書会10周年
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事実ベースの物語です。副題にある絶望とは殺人犯となったことです。青年と元ボランティア教師は一緒に本を読んだり暗誦したりします。本が無ければ彼の人生は終わっていたでしょう。また、寄り添ってくれる人がいなければ本だけがあっても無力です。一冊の本が彼の人生に光を照らしたことは事実ですが現実の社会はそんなに甘いものではありません。彼だけでなく生きながら精神的に死んでいる人々がまだまだこの世界にあふれていることに対して道半ばです。
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fujimi243
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ネタバレ貧困と犯罪多発地域で育ったパトリックは、不幸な偶然から人を殺してしまう。かつて彼を教えていた弁護士のミシェルは、拘置所で彼と共に本を読むことで彼の支えとなる。「共に本を読む」、そのことがパトリックにもたらしたものの大きさに驚く。ミシェルの真摯な態度も、選ばれた本が語りかけるものも、代え難い。人はやり直せるということを信じたくなる本だった。
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コウジ
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高橋源一郎の飛ぶ教室で紹介された本。 クオ先生の熱意たるや! 日本より進んだ格差社会、その下地となる有色人種への差別の中で、その来歴や歴史上の文献、人物等に意識的に興味を持ち その結果→行動がきちっと伴った形で教職に着き→自らのキャリアアップの為 ロースクールに。進路に悩み どうしても気になる獄中のパトリックの個人教師に。 彼にしてみると家族以外で初めての自分を気にしてくれる人というスタンスで紆余曲折もありつつ話が進む。 日本の教職に着く人や学生、また若い方と絡みのある人にお勧めです。
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ゆうひ
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映画のような本だった。パトリックのこれからの人生が少し良いものでありますように。 アーカンソー州に学生のときほんの少しいたことがある。読みながらあの景色をなんとなく思い出していた。この本の舞台よりは都会のところなんだけど、山がなければ高いビルもなくて、朝焼けと夕焼けがカーッとオレンジになるあの感じ。 作者がアジア系のため、作者自身の葛藤はなんだか共感できた。黒人差別は根強く構造化しており解決はおろか私には理解も難しい。そういえば滞在中に会った黒人はアフリカからの留学生だったなあ…。
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ネギっ子gen
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【私は本に教わった。私を変えたのも、私にさまざまな責任を引き受けさせたのも本だった。だから、生徒の人生も本で変えられると信じていた】 著者は、台湾系移民の娘でエリート法学徒。彼女は大学4年の時、進路に悩んだ末、米国南部の最貧地域の町の底辺校で読書を通して黒人文学や歴史を教えたことがある。だが、彼女が大学に戻った後に、才能のあった教え子・パトリックが人を殺したの知らせ。2年ぶりに再会し、かつての聡明さを失った姿に衝撃を受けるも、拘置所に通って彼と一緒に本を読むことに――。うん。『ナルニア国物語』を読もう。⇒
ネギっ子gen

【私たちは国に意識されない存在】<私は大学2年になるまで、存命だろうが故人だろうが、アジア系アメリカ人について、どの授業でも、どの先生からも教わったことがなかった。移民は重宝な存在だけれど、結局は使い捨てられる集団だった。何かをうまくやり遂げたときにはアメリカン・ドリームの証しと曖昧に指摘されるのに、アジア人であることを理由に殺されてもマスコミは関心を寄せない。私たちが死んでも、アメリカの神話や理想の嘘がばれるわけではない。なぜなら私たちはアメリカ人ではないから。そんなことは顔かたちを見れば一目瞭然だ>。

03/16 09:00
ネギっ子gen

【読書の力】<パトリックと本を読んでいたとき、彼がまるで初めて出会った、私が理解し始めたばかりの人のように思える瞬間が何度もあった。その一瞬一瞬、私たちのあいだには、不思議な、根本的な、ありそうもない平等さがあるように思えた。本を読めば、たとえつかのまだろうと、人は予測を超えた存在になれる。それが読書の力だ。本を読んでいるとき、その人は別のだれかが「こういうタイプ」と決めつけることができる人間ではなく、あらかじめ規定されていない素のままの人になっている>。この本を読み終え、『無知の涙』のことを想起した……

03/16 09:01
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えりまき
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2023(17)台湾系アメリカ人のミシェルと、アメリカの最貧地区デルタで出会ったパトリックとのお話。アメリカの貧富の差にショックを受けました。アーカンソー州では体罰が合法で、教師はパドルで生徒を叩くのだそう。白人優位社会での有色人種の扱いもショック。善悪の判断ができないほど生きるのに精一杯な子ども達。負のスパイラル。子ども教育の大切さを改めて感じました。フレデリック・ダグラスさんの本を読んでみたい。
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こけこ
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著者のミッシェルは、ハーバードを出て弁護士になったエリート。台湾系アメリカ人のミッシェルによって、黒人少年のパトリックは変わっていく。私がホームステイをしていた時、マクドナルドでホストファミリーと待ち合わせをした。私は学校帰りだったので一人で待っていたのだけれど、「コリアン来るな」とか「イエローのくせに」などと、罵声を浴びせられた。あの時の悔しさが蘇った。マイノリティの問題は、なかなか解決できないのかな・・・。
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gontoshi
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良い物語です。アメリカでのアフリカ系アメリカ人、アジア系アメリカ人の置かれている状況が垣間見得るような気がしました。
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fitzgerald12
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最後にパトリックの書いた詩がのっているが、「ぼく自身の世界」を持つようになったパトリック。今後パトリックに待ち受けている過酷な未来があったとしても、その世界を持って乗り越えてほしいと願うような気持ちになった。またこのクオ先生が本当にいい人で、超長い謝辞からもそれが見てとれる。クオ先生がもし町を去らなかったら…と回想するシーンでは、映画を見ているようでした。心をつかまれました。
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よもぎ
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アメリカのやまびこ学校かな
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かふ
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最近流行りの読書会ものと違うのは、共感の先に表現することがある。それは生徒であるパトリックもそうなのだが、語り手自身もパトリックを通して語ることを学んでいる。学ぶことは、相互扶助的に他者を必要とする行為なのだ。それは語り手のカフカの言葉に集約されている。黒人の公民権運動をパトリックに教えながら、彼女が学んでいったのは表現ということだった。そしてパトリックが娘と加害者の母に手紙を書くことが物語として語られるのだが、それはミシェルの母への手紙としての文学でもあった。
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拡がる読書会@大阪
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貧困が「常識」を育む事を阻止し、一歩も前に進まない状況はほんとに救いがなく、それがずっと子から子へと引き継がれていくんですよ。僕自身、児童福祉のボランティアをしていますが、マジで世の中の不条理に立ち尽くすしかない状態なんですが、ひとりの教師・法学生の自己発見と他者理解をめぐる感動的なお話とのことでしたので、読んでみたいと思いました。 https://note.com/sharebookworld/n/nbd40c0e682f6
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まこ
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著者とパトリックの関係はじめ、作中には知らないや思い込みでことが進む出来事が多くあった。授業を終えても、パトリックのことがわからない部分がある。本を読み合った中でお互いに知識を得ている事実は確かだし、その経験はパトリックの中で活かされていることは確か。刑務所内の人目につかない場所で本を読むパトリックの姿は読書は個人の戦いだとすごく感じてる。
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シンプルねこ(うみねこ)
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著者は、「本と静かな部屋とほんの少しの導きがあれば、子どもは伸びるのだ」と。事件後、パトリックに寄り添い、辛抱強く指導するのは簡単にできることではなかったと思う。著者が諦めずに指導し続けたお陰でパトリックは絶望の中から希望を見い出せたと思う。
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四男の母
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絶望の中で自分を気にかけてくれる存在がいるということがどれだけパトリックにとって心の支えになっただろう。著者の行動が素敵だなと思った。二人の読書会とてもよかった。ただ、アメリカ南部は未だにこういう状況なのかとその事実にびっくりした。
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まこ
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著者自身も差別にあう中で、いい就職の話を蹴り、パトリックに勉強を教える。著者の思い込みで授業を進めたり、パトリックに利用されたことで怒りを露わにすると教師でも間違ったりする完璧な存在でないことがわかるのに、なぜ完璧を求めてしまうのか。パトリックは最後まで読んでいくと学力が物凄くついて、著者の教えは無駄でないとわかる。文章のアポストロフィーとか気になるものだろうか。
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紫本
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今でも人種差別は色濃いのね。学ぶこと、本を読み、語り合うことが心を人間らしく保ち、育てる!
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みらあ
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印象的だった点①アメリカで有色人種(特に黒人)が生きる困難さ ②本を読むことで変わる姿  台湾系アメリカ人の筆者が貧困地域の底辺校で教師になる。理想とは裏腹の荒れる校内だが、沢山の本を買う。生徒は次第に読書を楽しむようになり、中でも能力を発揮したのはパトリックだった。数年後、パトリックは殺人犯として獄中にいて、劣悪な環境下で文字を読むのも覚束なくなっていた。筆者は再びパトリックと本を読むようになる。 その昔の『奴隷に文字を教えるな。無知のままなら利用しやすい』という支配側の考えに身震いがした。
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ぶるこ
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親ガチャとかそういうレベルでなく、歴史からしてもう悲惨な地域で生きることがどれほど大変か。著者は教師として生徒たちを必死に導こうとするけど、教師の仕事を離れてから特に気にかけていた生徒が殺人事件を起こしてしまう。どれほどの後悔や苦悩があったのだろう。パトリックという一人の青年が文字を…本を通じて、ミシェルクオという人間を通じて、生きていこうという気持ちを取り戻す姿が描かれています。
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アン
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ネタバレ著者は台湾系アメリカ人。極貧地域デルタの底辺校へ教師として赴任。生徒のパトリックは読書を通し豊かな表現力を開花させますが、クオがロースクールへ進学後に罪を犯し刑務所に収監され…。奴隷制度の歴史、根深い黒人差別、貧困、薬物や銃による犯罪のループ。誰もが希望を見出せない中、クオが懸命に生徒達と信頼関係を育み読書の力を伝える努力をし、生徒達にも変化が生じる様子に心を打たれます。過去は覆せなく困難が立ちはだかっても、2人が読書会で影響を与え合った時間の輝きは損なわれることなく、人生の支えとなることを信じたいと。
エル・トポ

いわゆる熱血教師物ではなく、静かに根気よく続けていく様子が心に染み入りました。パトリックのしてしまった事は取り返しがつかないけれど、その中でも精一杯良く生きようとしていく。こういった物を読んでしまうと、嘘くさいハッピーエンドの物語は読めなくなってしまいます。

12/20 21:22
アン

エル・トポさん、仰るように根気よく努力を続けることで、希望や可能性を見出せること、静かな情熱が伝わってきました。過ちを犯してしまっても自分の内面を深く見つめ、よりよく生きようとするパトリック、彼を理解しようと真摯に語り合うクオ、2人が築いた信頼関係は尊いものだと感じる作品でした。コメントをありがとうございます。

12/20 23:02
4件のコメントを全て見る
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藤月はな(灯れ松明の火)
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台湾系アメリカ人というマイノリティだが、ハイレベルな教育を受けて育ったミシェル・クオ。理想に燃えて両親の反対を押し切り、デルタの高校教師に着任する。子供たちに読書や詩作の素晴らしさを伝えながらもその才能が開花したパトリックに目を見張る事になる。しかし、ロースクールに戻ったミシェルはパトリックが殺人を犯した事を聴く・・・。親の都合で学校に通えず、退学するしかない家庭事情。黒人が黒人を殺した事が大したことじゃないとされる事。黒人の犯罪では無罪ではなく、懲役が少しでも短縮されれば御の字とする弁護士達の見解。
藤月はな(灯れ松明の火)

この記録は決して「学ぶことで得られる事」という綺麗ごとだけにフォーカスを当ててはいない。パトリックの父親が煙草を差し入れしているように見えて実は息子へ麻薬を与えていた事を知った作者の衝撃と自己保身、そんな父親をパトリックは尊敬している事実、母親を亡くした後のパトリックの危うさに怯える作者の姿や学校をサボろうとするパトリックの姿も包み隠さず、書いている。そして作者が高校で奴隷制度の悲惨な記録を伝えた所、生徒たちがそれを見たくない理由を述べる場面が詰まされる。

12/31 21:46
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ぱせり
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「静かな部屋と、たくさんの本と、大人の導きが少しあればここまで伸びる」パトリックが特別ではないという。「なのに、それらが与えられる機会はほとんどなかったのだ」巧妙で徹底的な不平等の歴史、現状が、つらつらと語られる。パパに買ってもらった絵本を得意げに掲げる六歳の娘の将来がどうか明るくあれと願う。
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はなこ
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素晴らしかった。両親は台湾からの移民、米国生まれの著者は外見はアジア人。アジア系移民の立ち位置の希薄さから黒人文学に強く惹かれ、貧国地区で問題のある生徒を集めた学校で教えることになる。15歳の彼らはアジア人を見るのは初めて、白人の友だちはいない、という環境。試行錯誤と葛藤。生徒のひとりだったパトリックはその後罪を犯すが、著者は本を携え、拘置所に通いつづける。読書や文学や詩を通して関わりつづけていく。「静かな部屋とたくさんの本、大人の導きが少し」がパトリックを大きく変える。こんな先生がたくさんいてくれたら。
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寅ちゃん
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近頃、本を早く読むことや数をこなすことに頭がいっぱいで読書がストレスになっていた。そんな時この本に出会い、遅くてもいいから一冊ずつ心の思うままに大切に噛み締めようという気になった。自分にとってリセット的な本。内容としては読書そのものより、言葉を使って表現することや教養の重要さの方に重きが置かれている。パトリックは獄中で詩を暗誦し、内面の表現が豊かに変化していく。著者の心の動きも正直だ。親が普通に働けて子供が普通に文字が読めて行きたい場所に行ける…そんな世の中がこの地球すべてにひろがってほしい。
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くみこ
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著者は台湾系アメリカ人、ハーバード大学を卒業し弁護士資格を持つエリートです。ロースクール進学を保留してまで貧困地区の底辺校に赴任し、厳しい現実にうろたえながら子供達と向き合います。そして、教え子パトリックと関わり続けた日々。行き場のない、最も貧しい黒人だけが暮らす場所には、自由で明るいアメリカのイメージはありません。この作品は、差別や不平等、正義の通らない社会構造を声高に訴えるのではなく、たくさんの本と共に、一人の青年の心に寄り添った女性の記録として、静かな感動を与えてくれました。良い本でした。
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CHIPCATS4
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これは、、、スゴい本です。。。 読んでる最中、鳥肌が立った。 ただの事実の描写、出来事の報告、、ではなく、 文章に彩りがあり、この話しが終わらないで欲しいと思わせる、ある種の映画性があった。 「ヒルビリー・エレジー」を読んだばかりだったこともあり、この辺りの境遇に対し、多少の情報があったことも、より一層、情景をイメージしやすかった。 この作者、、、是非とも続編を書いて欲しいし、 彼女の話しをもっともっと聞きたい。 ただ、そばにいて、話しをし、肩を寄せること。 その大切さが伝わる本だった。
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robamimim
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池上彰のアメリカ2でアメリカの黒人問題をよく表した本として紹介されていました。 エリート弁護士の世界と最貧困地域デルタの対比。 100年前の奴隷と変わりない現代の黒人たち。権利はあっても教育がなければ主張もできない。奴隷に読み書きを教えるな。それをヨシとする構造があるのです。 20代アジア系女性の著者は正義感で最貧困地域の学校へ赴任しアメリカの理想とあまりのギャップに絶句します。青臭く必死の試行錯誤。そこから生まれた詩がとんでもなく美しい。本を読む事が何をもたらすか。ぜひご一読ください
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