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偶然、この官能的な (ユニヴェール13)

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Wind
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逃避的 被害的 官能的 これが私の求める世界です
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ちびあんすも
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凛としてそぼ降る雨に濡れ。外は無音。 わたくしの足音だけが雨に吸い込まれていく。水に生き、水と共にたゆたう慈しみの。膨大な書籍の中でわたくしに呼びかける声。求めてさまよい、出会うものたちとの奇跡。 『ことば』の無限の森がここには広がっている。一首一首丹念に手に取りじっくり眺め、時間を忘れる安らぎがある。
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双海(ふたみ)
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塚本邦雄の歌とともに歩いた歌人のいま。23年ぶりの第3歌集。「笹原玉子が塚本邦雄や山中智恵子を強烈に慕うのも、その中にある「とてつもない孤独の空洞」を見いだし、共鳴したからにちがいない。美を選択することは、世界の果てに独り立つことなのだ。」(林和清)  「きさらぎの指にて触るる耳といふもつとも古代のにひほへるところ」「まるでひとつの祈りのやうにそこにあること三つ脚の椅子」
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アイカワ
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氷売りが扇売りとすれちがふ橋たつたそれだけの推理小説/癒えぬうちまた瑕負うるパレスチナ受肉ひそかに育ちつつあり/革命も革命ごっこも遥かなりうすくうすく梨を切る夜/棚のなか隠れてゐたのは精霊ひとさしゆびをくちびるにあて/これの世に見えないものは隠せない。偶然、この官能的なもの/ふるさとで綺麗な着物をきて生きる おほよそのことはあとのゆふぐれ/「掛け算は好きですよ、わけてもゼロは」嵐の夜の客人と話がはづむ/夏眠のあとでねむれぬ夜がまつてゐた巻いても巻いてもネヂはもどつた    速い。氷売り~はけっこう憧れ。
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rinakko
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再読。〈ゆめみどり蝶の古名がひらひらとみどりのゆめかゆめのみどりか〉〈紫陽花が花のふりする私も雨のふりするゆめ語るなよゆめ〉〈祈りの言葉はまういらない今日は綺麗な藻屑となつてゐるゆゑに〉〈ちよろづのやすらはぬ夢喰べるてふ獏もおのれの夢にたべられ〉〈しんしんと眠るは故宮、降るはときじく、書物のなかはからさわぎ〉〈ヒアシンスてふ名前が好きです花よりも。秋をひんやり折りたたみ〉〈晴れながらぬれてゆくやうな五月なら冬の書物を捨ててもよいぞ〉〈幽閉の王妃のごとくたはぶれに鎮石(しづし)放らば世紀は暮れる〉
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瀬希瑞 世季子
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少女らの微笑みのなかで春は迷子になつてゐる ここからは神の領分
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yumicomachi
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「玲瓏」会員の著者第三歌集。抽象的でわたしには難解な歌も多かったが、それも含めてすべてがうつくしく魅力的。以下に挙げるとくに惹かれた歌たちは、比較的やわらかで平易なものかもしれない。〈きさらぎの指にて触るる耳といふもつとも古代の匂へるところ〉〈お嬢さん、今宵つくうそはみづいろ。こころはいつもからにしてをく〉〈いつせいに暦が走り水も木も花も少女も四月に負ける〉〈原子と分母とほんのすこしの思ひ出でできてゐるのが桜です〉。林和清、佐藤弓生、石川美南による栞文も読み応えがあった。2020年4月刊行。378首収録。
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tsuki
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とても良かった。好き〜!!
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_2l1p
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再読。みどりやあおをつかった歌が多いのもいいね 身ぬちにて昏くさゆらぐ月のみづうみ言の葉をまだ知らぬさいはい/秋日和 なにもいれずにふたをするだつてこんなにきれいな容器/みづうみのなかに小さき墓地ありきいづれの世にか呼ばむ「東京」/うつつでは忘れられたるゆめみどり私のノオトでたゆたふことを/少女らの微笑のなかで春は迷子になつてゐる ここからは神の領分
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青色
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「祝福はつねに無言で届けられその足音のつつしみぶかき」「横顔を見せてくださいそのはうが視線の行方がわかるから」「貨車がゆく 夜が夢を見なければ昼が生まれることはなかった」好き
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月湖
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青い海底に水晶の球体が沈んでいるような泡星雲を思わせる歌だった。球体の縁は、ゆるやかな弧を描きながら涼しげに煌めき、一度は透過した光が、幾重にも折り重なった青のなかを乱反射して通り過ぎる。それらは謎に溢れ、ただ見つめられることだけを望む星雲。見えないから見えるもの、見えるからこそ見えないもの。真実よりも価値のあるもの、本当よりも意味のあることは、体を殻/空にして空言や空想で満たすことかもしれない。肺腑の底に深い水底の空を広げよ。玲瓏玉をころがす声を、螺旋なして高く立ちのぼらせよ。天球の諧音と響き合うように
月湖

《これの世に見えないものは隠せない。偶然、この官能的なもの》、《これの世に見えるものから隠しますいつそ百千(ももち)の星をばらまけ》、《紫陽花が花のふりする私も雨のふりするゆめ語るなよゆめ》、《みづうみのなかに小さき墓地ありきいづれの世にか呼ばむ「東京」》、《あをいろを重ね塗りする足の爪しみとほるやうな夜がきてゐる》、《お嬢さん、今宵つくうそはみづいろ。こころはいつもからにしてをく》、《夜空にまさるものなし一弦の美(くは)しき緊張 その楽の音(ね)に》

06/20 17:45
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いやしの本棚
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最高オブ最高。軽みがあって、主体と客体の輪郭が淡い(って佐藤弓生さんが栞文に書いていらした)ので、しんどい時でもするする読めるし、歌が入ってきやすいし歌の中に入りやすい。出入り自由。そして妄想が爆発する。みんなで爆発しよう。「みづうみのなかに小さき墓地ありきいづれの世にか呼ばむ「東京」」「まだことば生まれぬまへに祈りはあつた綺羅めく空に膝を折りし日」「これの世に見えないものは隠せない。偶然、この官能的なもの」…官能的って、こういう歌を読んでうっとりすることだよね。(そうなの?)
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