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ガーデン (文春文庫 ち 8-3)

感想・レビュー
154

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メガネ
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ネタバレ久々に著者の作品を読んだが、文章が洗練されていて、特に女性の心理に深く踏み込んでいるのは流石だと思った。 主人公の同期の女性が思わぬ方向になっていったのが意外な展開だったが、それに対する女性上司の言葉が辛辣と思えたが、現実的な意見なんだろうとも思う。 植物を愛し、大切に育てることで現状に満足している主人公に、その場しのぎで本当に何がしたいのかと問い詰められたシーンはなんだか読んでる自分まで責められているようで何回か読み返してしまった。
0255文字
ふみ
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ネタバレ自分の心地良い言葉、物、空間に囲まれることが幸せと思う。京都から帰ってきた羽野とタナハシの会話が印象的だった。高津さんが言っていたように羽野のせいではないけどトドメを刺したんだろう。自分も怖くなった。相手の望んでいない正論は毒だ。肯定も否定もせず聞き流すのも、巡り巡って自分のために必要かもしれない。物言わぬ植物に囲まれた環境も、今自分が好きなことをして過ごしている環境も似ていると思う。考えすぎると生きることは難しい。神様の暇つぶしに引き続き、本を読んでるのに現実世界に引き戻されるかのような生々しさ。良い。
0255文字
ツキイチ
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繊細な描写で濃厚な青々とした緑の空気を感じられてサイコー。静かで艶っぽい。
0255文字
yui
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★★★
0255文字
汐.
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ネタバレ千早さんの繊細で丁寧な、薄暗さを纏っているのに重くない…なんとも言えない空気感が大好きです。 香り、空気感、温度感、湿度感、こんなに言葉で感じられるのはすごいと思う。 主人公ととっても考えが似ていたので分かるーと共感している自分がいました。 主人公は人との関わりを拒むのに、拒んでいるからこそ、もしかしたら誰よりも人について考えているのかもしれない。人と向き合えば向き合うほど、自分の孤独がうきぼりになるあの気持ち、すごく分かるなあ。 硬い炭酸水と表現することで、緊張感を表していたりする所も好きだった。
0255文字
ココアにんにく
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自己肯定や他者との関わり方について深く考えさせられる作品でした。特に、孤独や共感の限界に向き合う描写が印象的です。女性たちから注目されながらも、どこか距離を保ち、深い関係を築こうとしない主人公。その一見冷淡な態度と独特の世界観が読後も強く心に残りました。また、植物の描写が美しく、特に苔寺のシーンには心を奪われました。『雷と走る』や『わるたべシリーズ』を読んだ流れで手に取った本作では、千早茜さん自身の途上国での子供時代や京都での生活と重なる部分を感じ、さらに物語への理解が深まりました。
0255文字
れお
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この落ち着いた何とも言えない雰囲気が千早さんらしくて良かった。絶妙な空気感が良い。植物については知見がないけれど彼の育てる苔玉はどんなものか気になる。
0255文字
mr
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ネタバレ『透明な夜の香り』が面白かったため、続けて読んだ同著者の作品。淡々とした文調と主人公の描写のバランスが良い。都内の実在の場所もいくつか出てきて訪れたくなった。終わり方はこれからの可能性を感じさせるようなもので、あまりすっきりはしなかったが、作品全体の雰囲気に合っていて、これはこれでありだと思わせられた。登場人物の中では緋奈が好きだった。主人公目線で深堀りしていないので仕方がないが、もっとキャラクターを深堀りした描写が見てみたかったと思う。
0255文字
ふさふさ
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ネタバレ「面倒な気持ちはわかるけれど、一人でいることに飽きるのなら、二人になってもいつか飽きるのではないかと思った。一人でいることは飽きるとか、そういうことではない気がする。一人は基本だ。」 ものすごく共感するけど、だからと言ってうちに閉じこもるとめちゃくちゃ1人になってしまう。1人を基本として生きることと、1人で生きることは似て非なること。主人公は最後、それに気づけたんじゃないかな。そうであってほしいなと思う。
0255文字
るび
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「幸せはもしかしたらすごく不自然なことなのかもしれない」植物の世話をする、要望に応える、羽野さんの「庭」は静かで清潔、でもそのコミュニケーションは勾配のあるものばかりでインタラクションの気配がない。原体験の共有ができず徐々に庭の戸を閉じてしまったのだろうけど、冷笑ともとれる独善的な言動が見え隠れするたび正直閉口した。わたしがシスジェンダーの女だからなのかな、女であることが居心地良い瞬間なんて少ないのに。魚神以来に読む千早先生作品。グラスの水、池の水、植物の飲む水、そして湿度に至るまで水分の描写が美しい。
0255文字
朗読者
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異性の名を漢字まで覚えている、音(カタカナ)は覚えている、覚えてない、の3段階で関心度を表すのが、まず感じ悪いと思いました。そこが花の知識にも掛けてあって、好きなものはものすごく良く知っている。つまり、漢字で名を覚えている女性も、花ほど興味は沸かない。つまり、草食系なんだと。常に世の中すべてを見下している感じが漂っている。鉢替えのときのぎっしり詰まって渦巻いた白い根の描写は怖かったです。そして最後もう一人の漢字の名の女性に本心を指摘されてようやく気付く。かなり面倒くさい人でした。自分を偽って生きる人の話。
0255文字
あい
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様々な種類の植物の名前が出てきて、はぁ…素敵…と何度もため息がでた。植物が生い茂る美しい場所がいくつも出てくる。小石川植物園には必ず行きたい。自分にとっては大切なものでも他人から見たら狂気だと映ることがある。「ヒトってさ、自分にとって都合が悪いものを変だって言うんだよ。」という別の著書「さんかく」に出てきた台詞を思い出した。自分自身に手を焼いている登場人物たちの姿に共感もする。こりゃまた千早作品を手に取るなぁと思いました。
0255文字
kaho4_27
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作品全体が落ち着いた雰囲気で読みやすかったです。緑に関して描写に妙な安心感を感じました。掴めない感じがどことなく良かった。
0255文字
はるはる
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限られた人しか入れない世界観があると思う そしてそれを守る人 現代の若者は こういう人多いのかもしれない 根津美術館や小石川植物園に行ってみたい
0255文字
はな
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わたしには羽野のことが理解しづらかったのですが淡々と進む物語に対して、植物の描写が艶やかで湿度の高さが感じられる雰囲気に魅了されました。京都の苔寺や植物園に行きたいな。
0255文字
こくう
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ネタバレ不幸も幸福も個人の中にしかない。理解や共感には限界がある。どんなに近付いて感情を共有しても、わかち合っている気になっているだけで、感じるすべてはその人だけのものだ/
0255文字
おおおつ
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ネタバレ千早茜さんの描く人物はみんな一貫してどこか冷淡さがあって透明で好き。寂しいのはただの事実であって幸せ不幸せの話では無い。
0255文字
ぁみちゃん
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淡々とした炭酸水のような本だった。読者は、帰国子女という言葉を自分のコンプレックスか何かに置き換えるといいかもしれない。劇的な事柄が起きる訳ではなく、静かに幕を閉じる。静けさで言うと、『透明な夜の香り』の主人公に通ずるような気がした。もう少し何か欲しかったなぁ。★★☆☆☆
ぁみちゃん

追記:私自身は、タナハシのタイプかも?どこかで手を抜くことが出来ないというか。それで疲れてるというか。オンオフ激しい。

07/31 13:37
0255文字
冬見
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再読。
0255文字
f
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主人公の深く人間関係に踏み込まず、何事も俯瞰するような見方や言葉は正論も多いゆえに関わる女性の心を満たせず寂しくさせる。 植物も人間も病や崩壊にはきざしがあり、それを感じられない人にとってはある日突然に崩壊したようにしか見えない。タナハシを巡る羽野と高津さんの会話が印象的。欲しいのはその瞬間の自分をわかってもらいたいだけの共感。女の欲望や共有したいと思う心を男性視点で描かれることでより理解出来た。誰の庭も知らないのは自分の庭を見せないから。人間関係の本質に感じた。 男と女、植物と人間を味わい尽くせる一冊。
f

自分用メモ 一人でいることに飽きるのなら、二人になってもいつか飽きる 何も求めずに人と関わるなんて無理 自分が丸ごと肯定される居場所は欲しい 自己肯定は他人に求めたら苦しいだけだ なにが普通かはその人次第だと思うだけ 幸せはもしかしたらすごく不自然なこと 自分を殺すことを愛や喜びと思えないから結婚に向いていない 子供の頃は夢中になって宝探しをしていたのに、大人になれば、誰もが間違い探しばかりしているー解説も良かった。

06/14 21:30
0255文字
kitani
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千早先生がよく描かれているカテゴライズされない人が主人公で、人に惑わされず、自分の感性や生き方を貫いているのが良いと感じた。植物が好きなので、今まで見たことはあるけれど名前を知らなかった植物について知れて楽しかった。主人公を取り巻く女性陣たちが、皆別々の魅力があるように描かれているのも、筆者の文章力がなせる技だろう。緋奈が好きだった。
0255文字
にし
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なんだが自分にとって絶妙に刺さるタイミングで読んでしまった。 男も女もすごく面倒くさい。現職を通じてそんな気持ちになって退職を月末に控えた今日この頃。作中で「幸せはもしかしたらすごく不自然なことなのかもしれない。」という台詞がある。幸せの定義はともかく、人は本当に非合理な生き物だなと思う。合理性を求める現代社会の構造とそれに矛盾する人間という存在、真面目に向き合っていると頭がおかしくなってしまう。僕の庭も誰かに破壊してもらいたい。
0255文字
Key
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抜群に相性の良い小説と出会ってしまった。 観葉植物に囲まれた部屋に暮らしている所は主人公との共通点。分かる。 自分だけの庭を心に持つということ。箱庭療法的だ。 子供の頃の海外生活を抱えながら生きること。帰国子女の悩みだろうか。 それら主人公のバックグラウンドと、数人の女性たちとの会話。すれ違いや疎通不足。 「男は必ず間違える」、とある女性の台詞だが、まさに仰る通り、我々男は最適な発言や行動を間違えるという粗相を犯す。脳の仕組みが違うとは頭で理解していても、咄嗟には適正な行動ができない未熟な生き物だ。無念。
0255文字
fpq
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知らないだけで皆自分だけの庭があるのだ。
0255文字
タマヤ
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こちらもあなたの庭を侵しはしない。そのかわり、俺の庭に決して入ってくれるな。完全な拒絶。踏み込むことができない領域。だが植物との愛の間には限界があるのではないか。“知らないくせに”と他者に対しての諦めと、意図せずとも蔑んでもいるのだろう。人との間には共感も理解も必要になる。他者との深い関係を望むなら、彼らだけの甘美なる庭は久遠ではない。
0255文字
らんまる
新着
「調べれば、きざしは見つけられる。(中略)いつ死に至る病にかかったか、何がその人の精神を壊してしまったのか、それは本人も周りもなかなか気付かない。決定的な症状が現れるまでは。」仕事上、このような状態によく出会う。その時に、私はどう関われば良かったのかと自分に問うことが多い。草食男子?なのかな…人に干渉せず植物を愛する主人公。しかしそれは植物が花を咲かせるように闇を抱える満たされない女性を集めてしまう。人と関わる時に好みの距離感ってあるなと感じた一冊。
らんまる

放映されているAmazonのCMがガーデンを少し思い出させる

09/01 18:43
0255文字
まさ
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千早さんらしい、湿気とにおいを帯びた空間を感じました。帯では主人公が女性たちとの関係を築くことができないような部分がクローズアップされているけど、むしろ誰もが壁や境界をもっているのじゃないかなぁと主人公に共感しながら読みました。主人公が愛情を注ぐ植物たちでさえ、なまなましい生き物の気配を放つのだ。そんな部分も含めて受容したり離れたりするのが人それぞれなのだと思う。好みの作品です。
yumi..✽

なんだかまささんのレビューにハッとさせられました。私の世界で私の思うままに生きたら、異性との関係どころか社会性まで問題が出てくる気がします。できることなら読書とランニング三昧で完全にワンマンプレイです。けど、(バランスは意識してますが)それを突き詰めて自分とも向き合ってのも事実。その中で大切なものは大切、離れていく縁も縁。かな?あれ?脱線してますかね😅

03/23 18:37
まさ

yumiさん、全然脱線していないですよ~。人それぞれの距離の保ち方があっていいと思うのです。人それぞれの感覚に合う人合わない人がいて、合う人同士を"縁"というのかもしれないですね。バランスを意識できることがやっぱり大切です。

03/23 21:09
0255文字
イシカミハサミ
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ガーデン。庭。閉じられた箱。 世界との境界。 記号化。無理解。 「あなたは一人でも大丈夫」 祝いのような、呪いのような。 自己を守りすぎても、世界からは見放されるのだろうな。 4年ほど前の作品なのに初版で手に入ったのが不思議なくらい面白く読めた。
イシカミハサミ

作中の「自分を殺す事が愛情と思えない人間に結婚は無理」という言葉。男性にもあてはまるだろうか。社会は女性にそれを強いていないだろうか。フィクションとはいえ女性の口にこのセリフを乗せてしまうこと。考えてしまう。

02/08 01:39
0255文字
akiko aikawa
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ネタバレ単行本で読了。千早氏の本を連読している。これは、う~ん…。クールな主人公羽野の秘密の部屋、植物との生活があらわれるまでは、すごくミステリアスで惹き込まれる。湿度、触感、においが伝わってくる。さまざまなタイプの女性との割と人間的な、でも自分の領域は侵させないような関係。密林で道に迷うような焦りや覆われた感が、物語展開にも反映しているような。終盤は息苦しさを感じました。昔、庭園美術館の「舟越桂 夏の邸宅」という展覧会を見ましたが、96ページで既視感。
0255文字
ぽ
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花をこよなく愛する羽野が様々な女性と出会い、動かない感情が徐々に動かされていく話。「不幸も幸福も個人の中にしかない。理解や共感には限界がある」という言葉が重みを持ってのしかかる。そうであると理解しつつも、やはり理解や共感を求めてしまうのが人間らしさでもあるのではないか。
Vanc

ぽさん、ナイスレビューですね。この作家さんは「香り」を大事されるんでしたね。私のようなガサツな人間には合わないだろうなと見ないふりしていたものです。女性に興味のない、人間らしくない男性なのでしょうか? 私とはちょっと違う?(笑)

01/10 22:43
ぽ

Vancさん、ありがとうございます。香り、確かに表現がたくさん出てきました。Vancさんはガサツなイメージは湧きません!千早茜は初読でしたがう〜んまだなんとも合うかわかりません。女性とは一線をおいて関わってきたといった感じでしょうか。来るもの拒まず、去るもの追わず?人間らしさを忘れて自ら囲った"自由"の中でしか生きられない人ですね。Vancさんはいつも気にかけてくださりあたたかいです。

01/11 10:28
0255文字
コアラ
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透明感のあるお話でした。植物男子がモテモテって…と思いながら読了。
0255文字
コトノハ小舟
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登場する女性陣がそれぞれとてもリアルだった。結婚や仕事や容姿や生き方を巡り、悩みながら現実に生きてる女性達を切り取ってきたみたい。私は高津さんがカッコよくて好きだったな。「男はいつも間違える」名台詞! 対する主人公の男性は冷たいのに、優しくてモテモテである。清潔感あるし、仕事もできて、要領もよい。そして傷付くのを極力避ける人。やなヤツ。 男と女の心理劇?にハラハラして一気に読んでしまいました。 女性陣の台詞がよかった。台詞だけ何度か読み返しました。
0255文字
はんじゅく
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植物を愛し自分だけの庭を手入れすることで他者を寄せつけない壁を作り、関わる女性たちを皆遠ざけてしまうところが特徴的な主人公だった。植物の詳細が丁寧に描かれていて良かった。
0255文字
honoka
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ネタバレ久しぶりにファンタジー以外の好きな一般読んだ感。主人公の独身男性・羽野は繊細過ぎて、確かに「草食系」というカテゴリで囲みたくなる。女性と付き合うより植物に囲まれた自分の部屋にいる方が性欲さえ満たされる。自分からは望まないのに見放されると傷つく。でも憎めないのは誰にでもそうしたい願望があり傷つきやすい心があるから。最近、その願望と添い遂げる人が多くなってきた気もする。
0255文字
lionzoo
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人との関わりをあまり持たず自分の家の植物たちに囲まれた空間にあることを好む主人公。特に社会性がないわけではないが、その自分の空間があれば人に左右されず生きていける。 でも、そんな自然の中にいるように見えて、そこは自然な空間では無かったのかもしれない。 その空間が本人が心地よければそれでも良いと思うが、何が自然なのだろうかと思ってしまう。
0255文字
みにみに
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濃密。自宅で植物を育てる羽野は生身の女にあまり興味が持てない。女というよりも人間に、なのかな。当たり障りなく表面的な関わり。それなのにふとしたときに漏れるのは本音とも偽りともつかない欺瞞に満ちる。関わる女たちはみんな離れていく。熱帯夜なのに寒気を感じるような矛盾が少しずつ彼の中で渦巻いていく。最後に彼を置いていった女性を本当の意味で求めているのかもわからない。けれど初めて彼は追うのだろうか。結末に納得できるようなできないような。湿度の高い密林を彷徨った気分。
0255文字
ミキ
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2023-84:とっても読みやすかった。高津が言う、「自分を殺す事が愛情と思えない人間に結婚は無理」って言葉が響いたなぁ。まさに私。
0255文字
由宇
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生々しいほどの感情とそれに絡みつく植物。 過去に住んでいた屋敷の湿度の高い庭、そして部屋にある植物の描写が好き。 だけど結末は私には合わなかった。自分しか見えてない/愛してないから仕方ない部分も理解できる。だが他人に踏み込まれたくない自分だけの庭があり、他人と深く関わらない。ただ植物を愛してるだけの羽野に対する仕打ちとしては度が過ぎてると思った。羽野の気持ちも共感できる。
0255文字
ツジ
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一気読み。 植物も人間も不思議。 心情描写が細かい。
0255文字
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