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ゴー・ホーム・クイックリー (文春文庫 な 82-1)

感想・レビュー
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BATTARIA
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「日本政府とGHQの言葉を巡る息詰まる攻防」と帯に書いてあるけど、所詮は戦争に負けて国家主権を失った状態だけに、読んでいて虚しくなる。「重大なことを失った後で、ここで頑張ったところでそう得るところはなく、多少とも自主性をもってやったという自己欺瞞にすぎない」という宮沢俊義の言葉が全てだ。「後味はあまりよくありませんね」「後味なんて気にしている場合じゃないよ」というやり取りも、実に重たくのしかかる。天皇の存在が保たれたのは、マッカーサーがそうしようとしただけではないというのが、せめてもの救いだった。
0255文字
lily
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敗戦後進駐したGHQから示された憲法草案に対し、法制局所属の佐藤達夫は諸々の事情からほぼ孤軍奮闘を強いられながらも、強い志で憲法を練り上げていく。条文の細かい文言のやり取りは、「これは小説ではなくノンフィクションでは?」と思わせるぐらい精緻なもの。自分の知っている日本国憲法の条文に少しずつ近づいていく流れが興味深かった。憲法がアメリカ本国のニューディーラーによって社会主義的性格の強いものになっていったこと、芦田修正論などは勉強になった。終戦記念日に程近いこの時期に、憲法を考える一冊が読めて良かった。
0255文字
来未
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敗戦した日本。進駐軍による占領下で行われた大日本帝国憲法の改正。新たな日本国憲法を作るために、GHQとのやり取りは壮絶としか言いようがなかった…骨子を作る為に尽力した佐藤達夫をはじめ、吉田茂総理、白洲次郎、金森国務大臣などの面々。これからの日本の為に言葉一つ一つを吟味し未来を見据え定められた憲法。改めて自分が暮らす日本の礎を築いた方々に敬意を表したい。スノードロップという花と憲法をだぶらせながら今後の憲法の移り変わりや発展を示唆しているようにも感じた。国民として先人達が築いた憲法をイチから読みたくなった。
0255文字
柊椿
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終戦当時のエリートたちがいかに苦心して日本国憲法を作り上げたかがうかがえる本。一応佐藤達夫視点で話は進むが内面心理よりこれこれこういう議論がこの箇所であった、という描写が多め。今の改憲議論を見て佐藤がどう感じるかは分からないが、どのような結論を出すにせよ、制定時と同じだけの真剣さをもって議論することを願っているのは間違いないだろう。
0255文字
りらくま
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★★★★★
0255文字
Kazuko Ohta
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大人になったら憲法のことも勝手にわかるようになるのだと思っていました。大人になってからン十年、勉強せずに来たら何もわからないまま。自分の無知を暴露するようですが、日本国憲法は日本人が考えた憲法だと思っていたので、米国から差し出された原案を翻訳して作ったものだということに驚き、これはモキュメンタリーなのかと訝ったほどです。恥ずべき私の物知らずぶり。難しくて読むのが大変だったけど、知ってよかった。原案があったとはいえ、日本人が考え抜いたことには間違いありません。白洲次郎が佐藤達夫を抱きしめるシーンには私も涙。
Kazuko Ohta

モキュメンタリー=フェイクドキュメンタリーです。わざわざ書くまでもないかとは思うのですけれど、友人から「モキュメンタリーと書いているけれどドキュメンタリーの誤りではないか」という指摘がありましたので、一応。

12/30 20:17
0255文字
Kuliyama
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残念ながら私には合いませんでした。
0255文字
koba
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ロンドン軍縮条約交渉と批准を巡る国会で奮闘する外務省情報部長を描いた「ロンドン狂瀾」に続く著者の昭和史ノンフィクション歴史小説。主人公は内閣法制局第一部長、次長の佐藤達夫。GHQの憲法草案を日本文に置き換える過程で、その一言一句の解釈を巡って民政局と渡り合った人物。9条第2項「芦田修正」の真実も本書ではきちんと描写している。修正当時、芦田均は自衛権保持のために「前項の目的を達成するため」を挿入したのではなかった。著者も参考にしている古関彰一著「日本国憲法の誕生」の「『芦田修正』の残映」の項で詳説している。
0255文字
keisuke
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最初から最後まで憲法の話とは。ドラマの「白洲次郎」では白洲がもっとバリバリやり合ってた印象やったけど、違ったんやな。面白かったけど、もうあまり小説ではなくなってきてるような。
0255文字
熱東風(あちこち)
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「ロンドン狂瀾」に続き、今回もまた面白い昭和史を物してくれた。/本書の主人公は吉田でもマッカーサーでもない。松本でも白洲でもない。世間一般では無名といってもいい法制官僚・佐藤達夫。/法律と言葉という大きな二つの壁に悩まされ、さらに上からは無茶を言われ、板挟みの典型ともいうべき主人公には同情を禁じ得ないが、こうしてみると、やはり日本国憲法の成立過程は不自然としか思えない(あまり政治的なことは言いたくないが)。/ただ、本書は不偏であり、現行憲法にどういう思いを抱いている人でも興味深く読めるのではないか。
0255文字
Kengo Tamaki
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いつぞやの憲法記念日にこの本を読みました。 戦後の日本にはこのような骨太の官僚がいたのかと。 GHQとの攻防は、白州次郎がクローズアップされるが、このような裏方が居てこそですね。
0255文字
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