形式:単行本
出版社:青土社
>新自由主義は、社会主義や福祉国家を全体の目的のために個人の自由を抑圧する体制として批判し、自らを自由の擁護者であると主張する。このため、新自由主義はあらかじめ「自然に」存在する自由を擁護しているように見える。だが、統治の観点から見ると、実際には全体の秩序や繁栄と両立しうる特定のタイプの自由に価値を与え、その価値を自ら受け入れゲームに参加する個人を作り出しているのである。→
→たしかに彼らは、直接的・強制的な手段に訴えて個人を管理することには反対する。しかし、特定の生活や行為の様式を、個人が「自由に」洗濯するように導く枠組みを作り出す新自由主義のやり方もまた、別の型の統治のテクノロジーであり、別の道を通って自由を秩序に組み込んでゆく方法に他ならない。言い換えれば、新自由主義とは日常生活に介入し、特定のタイプの生を積極的に生み出し、作り出してゆく「生権力」の一タイプなのである。(304ページ)
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