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最強の男――三国志を知るために

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T-山岡
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呂布を中心として「三国志演義」を分析する。必ずしも史実そのものではない「演義」と、史実ではあるが、そこには陳寿の価値観が含まれており、さらに後世に裴松之が注を付している「正史」、そして「正史」と「演義」の間に存在したであろう三国志の世界をベースとした雑劇等の物語など、三国志というコンテンツの奥深さを改めて実感した。自分はまだ三国志初心者で、横山光輝三国志と近年のコーエー三国志程度にしか触れていないが、今後も様々な三国志に出遭っていきたい。
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Toska
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呂布を通して見る『三国志演義』の作り方。実在した呂布の人物像に、意外なほどたくさんの要素がトッピングされていた。とりわけ、貂蝉との絡みが面白い(まさか夫婦再会説があったとは)。呂布は髭のない若々しい姿で描かれることが多く、昔からそれが不思議だったのだが、もともと貴公子としての属性を持たされていたものらしい。
Toska

一方、『演義』における「最強の男」像は多分に偶然の産物、という身も蓋もない指摘も。寧ろ、第一章で述べられている通り、現代日本では光栄のゲーム「三國志」が大きな影響を持ったように思う。何しろ武力100ですからね。1971年生まれの著者は、そうした様々な媒体から三国志の世界に入っていった世代だということがよく分かる。呂布のみならず、三国志一般について触れた多数のコラムや附章も読ませる内容。

09/16 12:37
0255文字
BIN
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三国志で最強の男といえば誰もが呂布と思いますが、正史にはそんな記述はない。どのように最強の男が生まれたのか三国志演義やその前の平話や雑劇等を分析してます。本書に影響されて三国劇翻訳集を購入してしまった。李粛で1章とかちょっとびっくり。多くの三国志オタクが通る道は演義(横山、吉川)→正史になりますが、正史の知識をもってもう一度演義に戻ろうという趣旨もあります。三国志オタクにもオススメできる一作。
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Die-Go
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歴史書であるところの『三国志』の世界を、"最強の男"と言うキーワードから小説『三国志演義』への変貌を読み解く。三国志で最強と言えば、呂布奉先。歴史書の中での彼と小説の中での彼の持つ役割の違い、最強度数(?)の違いなどを追う。なかなかに読みごたえあり。★★★★☆
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MUSAN11383594
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呂布を通じて三国志演義について考察している。作者は三国志知識が少ない読者に対してもある程度わかるように説明しようと努力しているが、内容が中々高度なため三国志を知っていないと記述内容が理解できない点も多い。ただ三国志に詳しい読者には知的好奇心をとても刺激する内容となっている。呂布を剣神と見ることや、封神演義や道教の神との関わり、李粛と薛仁貴についてなど他の三国志本にはない視点が大変興味深かった。
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サケ太
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「一瞬天下に近づいた男」呂布。何故この男は、「最強」になり得たのか。日本では当たり前に語られる最強の呂布像はどこで生まれたのか。不勉強なので、「演義」成立と「正史」の成立(百三十年後に訳注が付けられた)に千年以上の差があること、その間に「平話」があることを知らなかった。胡軫の足を引っ張った正史から、「独戦呂布」の平話、それが削られて最強となった演義。貂蝉、赤兎馬、方天画戟、李粛から、呂布に与えられた役割が語られる。転生する英雄、与えられた虚像。解き明かされていく、最強という幻想の姿。好奇心を刺激される一冊
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さとうしん
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三国志ファンから打ち棄てられてきた演義を読み込む面白さを、呂布をめぐる議論を中心に語っていく。「最強の男」という評価は演義の作為によって結果論的に生じたものであること、李粛との関係から、呂布が物語世界の中で薛仁貴と対になる存在とされていたのではないかという指摘は面白い。呂布の位置づけ、付章で問題にされる「四大奇書」概念や毛本の評価など、「虚偽」が本書を貫くテーマである。
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タキ
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