読書メーター KADOKAWA Group

心は孤独な狩人(Kindle版)

感想・レビュー
33

データの取得中にエラーが発生しました
感想・レビューがありません
chmclgrdn
新着
1人の唖(とあえて旧訳同様表現されている)に語りかける4人の人々を中心に物語は進んでいく。 戦前の小説であり国も異なるが、貧困や差別、格差、搾取といった現代にも通じる問題が描かれている。 個人的にはリベラルな考えなのでジェイクに特に共感した。 また苦しみを抱えたそれぞれの登場人物に対する作者のあたたかいまなざしを感じた。
0255文字
papahaba
新着
80年前の作品だが、孤独で異形・いびつな現代人の心証、出口のなさ、は 全く共通したテーマ。
0255文字
syuppon
新着
0255文字
MATSU231
新着
村上春樹のおすすめなので読んだが。もう翻訳物をやめよう。
0255文字
Hotspur
新着
カーソン・マッカラーズ23歳の処女作(1940年)。大まかに言えば、聾唖者シンガーと、彼を取り巻く女子中学生ミック・ケリー、アナキストのジェイク・ブラント、終夜営業カフェの主ビフ・ブラノン、黒人のコープランド医師の四人それぞれの物語。この四人の周りにも様々な人物が配され、プロットは重層的に、パラレルに進む。4人はそれぞれの屈折や希望を(勝手に)シンガーに投影するが・・・。暗い時代背景や社会情勢の枠組みの中で動く物語は暗いが、作者の視線は常に温かい。いやー、それにしても23歳ですよ、恐れ入るなあ。
0255文字
しょう
新着
ネタバレ【ガーディアン必読小説184冊目読了】ソフトカバー版で読了。本作の登場人物に共通するのは、決して日の当たる事のない、という点においてだろう。それは人種・貧困・障がい等様々であるが、心に孤独を抱えた彼らを本作が暖かく照らしているように思う。なので重いテーマでもうっすらと光明が見えるのかもしれない。人物描写は非常に丁寧で息遣いすら感じるほどだ。大戦前のアメリカとあって、当時の情勢もダイレクトに反映されており、それがそれぞれの登場人物の心理をより精密に表現出来ている。
0255文字
kri
新着
村上春樹が大事にしてきた小説。40年「天才少女」と米文壇を騒然とさせたデビュー作。大戦直前の南部の町に住む4人ー思春期の少女・カフェ店主・黒人医師・社会主義者と彼らを虜にする「啞」の男の話。古い作品ながら今でも輝きを放つのは4人が苦しみ足掻いている事が時代でもなお問題であり続けているという事実と彼らの心情が丁寧に繊細に表現されているから。少女が抵抗したい女としての枠や貧困の壁の遣る瀬無さ。でも〈内側の部屋〉に鳴り響く音楽への純粋な想い。その鮮やかな表現の見事さ。人種差別や労働者搾取への怒りが共感されない⇒
kri

⇒男達の孤独な痛み。4人の苦悩に満ちた本音を受け止める「耳」であり続ける「啞」の男の誰も知らない哀しみ。闇を覗き込ませながらも所々に感じられる人間の善もある。辛さや絶望と彼らがしがみつく美や善性、生きる逞しさが混じり合った骨のある作品だ。たぶん私の今年ベストワン。

04/29 15:07
0255文字
アレカヤシ
新着
ネタバレ吉行理恵は、マッカラーズを読んで書くエネルギーを得たと書いていた。抑圧されてきた人種(ユダヤ人、黒人)・無神論者・貧困・子どもたち・精神疾患・身体障がい・偏屈など、たくさんの社会的弱者、少数者、孤独に生きる人たちが書かれている。お伽噺の人物みたいなシンガーは、紳士的で黙って聞いているから、まわりの人々は自分のことをわかってくれると思うけど、(こんなにいっぱい口を開け閉めして疲れないものなのだろうか)などと考えている。そして、自分が唯一の友だと思っているアントナプロスはそんなには思っていない。
アレカヤシ

みんな自分の求めているものが捕まえられずに、意味もわからず死んでいく。そんな虚無感がものすごくリアルだと思いました。訳者は、ビフのミックに対する感情を幼児性愛的欲望だといっているけど、私はもうちょっと別な風に考えたいです。(どこまでも個人的なものなので、人で溢れた家の中では歌うことができない種類の歌があるのだ。こんなに混み合った家の中で、人がこんなにも寂しい気持ちになれるというのも、考えてみればおかしなことだった 60頁)

04/21 21:36
アレカヤシ

(よほど頭の良い人でも、この手の問題についてはたいてい思い違いをしてしまうようだが、それはどうしてだろう。人間は生まれつき両方の性を有しているのだ。結婚やベッドみたいなことだけがすべてでは決してない 145頁) (口にされずに終わった言葉のほうが、彼の心により重く残っていた。それらの言葉は口もとにまでせりあがり、唇を細かく震わせた 215頁)

04/21 21:42
0255文字
sho
新着
登場人物はどこもどこか欠けていて、哀愁がある。
0255文字
kazi
新着
心の底にある光の当たらない場所をそっと撫でられた感じ。本著は1930年代のアメリカ南部を舞台にした作品であり、物語上で描かれているのは有色人種に対する容赦ない差別や、救いようのない貧困なのだが、“それだけ”じゃないんだよね。それは孤独であるとか、人生の無意味性であるとか、打ち明けられない苦悩だとか、より人間の根源的な出口のない感情に心打たれた。村上春樹さんが書いていた『そのような人々の姿を描写するマッカラーズの視線はどこまでも温かく、深い同情と共感に満ちている。』共感しすぎて泣きました。レビュー終わり。
ちびbookworm

腕磨かれてたんですね!! サリンジャーとかは未読ですが、「ロング・グッドバイ」「極北」が好きでした。文章が、なんというか、無駄を極限まで削がれた、淡々とした文章なのですが、それが逆にすーっと物語の世界に抵抗感なく入っていけた、というか。文章の静謐さを感じられた覚えがあります。→「騎士団長殺し」前半の文章タッチも、ものすごく上手いなと思いました。また読みます。ありがとうございます(^^)

04/10 22:39
kazi

ロンググッバイは私も読みました。チャンドラー文体と村上春樹って相性良いですよね。他にも、ギャッツビーとかカーヴァーとか翻訳家としても超一流。インタビューによると読みやすい納得できる文章になるまで何回も何回も書き直してあの文体になるそうです。その情熱が素晴らしい。こちらこそコメント返していただいてありがとうございました。

04/10 22:53
4件のコメントを全て見る
0255文字
ほんままこと
新着
読後、ヒリヒリするそして透明な孤独の波に飲み込まれた。人は解り会えないけれど、必死で解り会える相手を求めている。聾啞者のシンガーに周囲の者は一方的に話しをして、満足して帰って行く。若干23歳のカーソン・マッカラーズはこの作品の中にプルーストやドストエフスキー、聖書の失楽園の香りを持ち込んでいる。繊細で美しく、村上春樹の翻訳によって、現代でも新鮮な感動を呼ぶことになったと思う。
0255文字
OHNO Hiroshi
新着
最初の二人組のところは五回は読んだ。なぜ、作者は20代前半のこの処女作を、たくさんの人生経験がないのに、書けたのだろうか。不可思議。
0255文字
みつ
新着
登場人物たちはいずれもささくれ立った心を抱き、彼らが心を開くのは聾唖者のシンガーのみ。彼は話さないのみか内面もほとんど明かされず、「聖性」すら感じさせる。街の空気感、薄暗い部屋のただずまい、小物類の描写に至るまで、物語を進めるための装置ではなく、彼らの心のあり様と強く結びつく。中でも音楽家として世に出ることに憧れる少女ミックを描くくだりは、息苦しいまでの切迫感を感じる。本の結末は決して幸せなものではないが、読後ゆっくり広がる開放感は、バッハの「マタイ受難曲」に擬えたくなる程。30数年ぶりの新訳による再読。
0255文字
ソウザエモン
新着
登場人物みんな思いっきり孤独。上下2段390ページ。頑張って読んで孤独を満喫。どんな人生でも受け入れられるようなバーの主人にほっとする。
0255文字
フランソワーズ
新着
第二次大戦直前のアメリカ南部の町を舞台にした小説。そこで描かれるのは、終始金に追われる被支配者層の日々。黒人への差別だけでなく、貧困な白人たち。みな重くのしかかっている宿命の中でなんとか息をしている。怒りに満ち、閉塞感が塞がれ、孤独に耐えている。そのようななか、聾唖者シンガーは唯一の”良心”であり、胸の内に怒りを溜め、心に孤独を抱えている彼らが”平静さ”を保てるシェルターであった。しかしその彼もまた、孤独を抱える者であった。→
フランソワーズ

→かなり昔の小説であるが、投げかけるテーマは未だに有効であり、普遍性がある。当時ほどの差別はないが、それでも新たな差別は存在するし、貧富の差も違い形で存在する。そしてそれは対岸の火事ではなく、日本でも往往にしてある。しかも支配する側は手を替え品を替え、搾取に余念がない。→

02/14 20:07
フランソワーズ

→不勉強なため、この作家のことは名前すら知りませんでした。でも訳者あとがきを読んで知りました。23歳にしてこれほどの作品を書き上げるなんて、驚愕です。

02/14 20:11
0255文字
あお
新着
ネタバレすばらしい作品で、すごい翻訳だった。  レジの奥に立って代わり映えのしない毎日を送る食堂の主人、人種差別に強い憤りを感じている黒人の医師、音楽の道に漠然と夢をいだく少女、ときおり遠くの病院に友人を尋ねる聾唖の男。1930年代後半のアメリカ南部の空気と、そこに生きる市井の人々が繊細に描かれていて、それを翻訳がていねいにすくってあって、読んでいて切ないけれど心地いい。
あお

あとがきに「独特の『重さ』は、今日の日本の読者にはあまりなじみのないものかもしれない」とある一方、「状況は今でも基本的には何ひとつ変わっていないんだという気もしなくてはない」とある。いまこそ読まれるといい作品じゃないかな、と思いながら自分は読んだ。

02/13 03:27
0255文字
approach_ys
新着
結婚のメンバーは正味よくわからなかったけど この作品はとてもとてもよいものでした。 村上春樹は作家としても偉大だと思うけれど このように色々な作品を翻訳し、日本に提供してくれた ところもまた、素晴らしいと思います。
approach_ys

カーソン・マッカラーズ、23歳のときに書き上げた作品だというが 果たしてそんなことが可能なのだろうかと驚愕せずにはいられません。

02/22 18:02
0255文字
ボッスン
新着
まだ人種差別も強い南部アメリカの町でのさまざまな人達の内なる孤独を描いている。訳も安心して読み進められた。
0255文字
まこみや
新着
結局年を越して読み終えた。ブラノンもブラントもミックもコープランドも皆出口のない孤独を抱えている。その吐け口を聾唖者シンガーに求める。心の闇を引き受けたシンガーも自らの心を託すことのできる友人が亡くなって、絶望して自死する。これは、本当に救いようのない暗くて重い物語だ。にもかかわらず読み続けることができたのは、おそらく、運命に見放された人々にどこまでも寄り添おうとするマッカラーズのペンの力の故だろう。チェーホフの芝居が「観客による救済」であるように、この作品は「読者による救済」だと言えるかもしれない。
0255文字
きつねのこんた
新着
時代や社会的な背景は勿論違うのですが、正直精神的に参ってしまっている私にとって、この小説のリアルな心情描写や暗い展開は、とても温かく、優しく寄りそってくれるように感じました。落ち着きがあって、無駄な盛り上がりがなく、私は好きです。
0255文字
フリスビー
新着
長大だけど引き込まれて読んだ。あとがきを読んで初めてわかることもあり、1930年代後半のアメリカ特有の暗さが印象的。障碍者に善を求めがちな危うさを痛感させられた。
0255文字
tomi207
新着
やっと読み終わった。疲れた。「訳者後書き」にあるとおり現代の読み手に理解されるか、少なくとも私は理解できなかった。
0255文字
kane_katu
新着
★★★★☆カーソン・マッカラーズは『結婚式のメンバー』を先に読んでいた。その本にも出ていたが、本作にも著者の分身のような少女が出てくる。ただ、本作はそれ以外にも何人かの主要登場人物がいて、それぞれの悩みを抱えている。時代は1930年代末、ところはアメリカ南部。大不況や経済格差、黒人差別問題が物語に色濃く影を落とす。80年前に書かれた本だが、いまだに同じような問題は続いている。読んでいて辛い部分も多かったが、著者の眼差しは実に細やかだった。この本が23歳の若者が書いた処女作だというのがとにかく信じられない。
0255文字
るな@ぼちぼち復活
新着
「グレート・ギャツビー」や「キャッチャー・イン・ザ・ライ」と同様に、訳者である村上春樹さんがこの小説のどこに惹かれるのかが理解出来ない物語だった。確かに文章は美しいけれども、読後に残されるのは行き場のないやるせなさばかり。
0255文字
くりたろう
新着
村上春樹訳
0255文字
スイ
新着
文章が凄まじく上手い…。 視点が中心人物たちを順に巡っていく構成、時間のずらし方も上手い。 丹念にそれぞれの人物を描く中で、貧困、人種、ジェンダーなどから受ける苦しみが見えてくる。 が、ただ暗く停滞するのではなく、体温を感じるような生きた書き方が見事だった。 ミックたちそれぞれからシンガー、シンガーからアントナプーロス。 どれも相手には響かない、一方通行のもの。 とても淋しい物語ではあるけれど、そういう救いも時にある。 読んでいる間、タイトルの「狩人」という単語がしっくり来なかったのだけど、追い求める人、
スイ

と思うと深く納得した。 皆が何かを追い求めていて、誰もそれを手に入れることはない。 美しい作品だった。

10/05 22:13
0255文字
starbro
新着
10月の第一作は、村上 春樹翻訳の本書です。カーソン・マッカラーズ、初読です。村上 春樹訳でなければ、一生読まなかったかも知れません。村上 春樹は、いちばん最後までとっておいた翻訳作品と本書を絶賛していますが、世界恐慌時のアメリカ南部の市井の人々の物語、あまり私の心には響きませんでした。 https://www.shinchosha.co.jp/book/507181/
0255文字
さえ
新着
愛したい人を真っ直ぐに愛せない人。 愛する人から愛してもらえない人。 報われない人々。 この小説を読むことによって捉えられるそれらの人の心の多面性。 愛ゆえの優しさと小さな希望。 胸が苦しくて人生で二番目くらいに辛い読書でしたが、多分今年のナンバーワン。
0255文字
バナナフィッシュ。
新着
誰もが自分でない誰かを求め、その相手に本来の自分をわかってもらおう、知ってもらおうと努力する。その中で受け止める側でしかなかったシンガーさんだけが、自分のことを考えてくれているみたいに見えたのだろう。孤独の中で生き続けるのは辛いが、自分のことを分かってくれる人と別れるのはなお辛い。
0255文字
しい☆
新着
若い頃に読んで、ひどく感銘を受けて大切にしていた文庫本がいつのまにか見当たらなくなってしまって、でもそのタイトルはずっと覚えていて。新訳で手に入れられて嬉しい。そして、ドキドキしながら読んだら、今でも変わらず心に響いてそれも嬉しい。それにしても、この物語で描かれている1930年代から、世の中がひとつも良い方向へ進んでいないってことが悲しすぎる
0255文字
BJ
新着
850
0255文字
Masato Hayakawa
新着
素晴らしい1冊。80年も昔に23歳の著者が書いた物語が、素晴らしい翻訳で読める幸せ。あとがきで村上さん触れているけど、この物語で描かれている問題は2020年、むしろより今日性を持って響くように思える。
0255文字
全33件中 1-33 件を表示
心は孤独な狩人評価89感想・レビュー33