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ドイツ人はなぜヒトラーを選んだのか——民主主義が死ぬ日 (亜紀書房翻訳ノンフィクション・シリーズIII)

感想・レビュー
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くらーく
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戦間の西欧状況はどこも似たようなもので、極左に共産党があり、戦争が身近にあるので軍人が政治に関与し(右派)、中間政党がイニシアティブを握れず。民主主義も教育が足りず、分かりやすい極左右に議席があつまるような状況だった様子。 アメリカの議会議事堂襲撃は、1933年の国会議事堂炎上に似ています。しかし、アメリカは大丈夫?でした。 ヒンデンブルク大統領は、さんざん抵抗していたにも関わらず、ヒトラーを首相にしてしまいました。老いや欲に抗えない悲しさは、運命のめぐり合わせをつくづくと感じます。知は大事ですなあ。
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Buffalo2004_TYO
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■ヒトラーが1934年8月に総統・首相となるまで■憲法の抜け穴、都会と地方の分断、右派・左派の分断、度重なる経済悪化、移民問題、大企業や軍部の圧力、主要人物の思惑(ビスマルク大統領、フィクサーのシュライヒャー、パーペン、そしてもちろんヒトラーとナチ党)が複合的に積み重なる■1931年時点ですでに手遅れの状態になり、その後にヒトラーが政権を取るまではあっという間。ほとんどはビスマルクとシュライヒャーの右寄りへのこだわりによる失敗に起因■ここから学び現代に「民主主義の死」(←原題)を招かないようにしなければ
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ちょこ
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何故ドイツはヒトラーの世になってしまったのか。ヴァイマル共和国が崩壊し、ナチスが政権の中枢を握るまでを追う中でドイツ人はヒトラー政権が長く続くともあのような残虐な行いをするとも予見していなかったことに驚く。第一次世界大戦後、経済危機にあった中で民主主義が反感を抱かれ国内が分断されていく内にナチスが浸透していったという事実が怖い。これは他人事ではない。私たち自身の身に起きてもおかしくはないのだ。歴史を学ぶ意義はそこにあるのだとこういった本を読むと感じる。他人事にしてはいけないんだよ。
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hoven
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オーストリア生まれでドイツ国籍を持ってないヒトラーがなんで権力を握れたのかさっぱりわからない。簡単にドイツ軍で第一次世界大戦に参戦したり。日本で帰化するには大変な時間が係る。在住何年、職を持ってるのか、日本語能力など。なぜかその辺はあまり問題なく、ヒトラーは選挙に出てる。どういうことなんだ。例えばアメリカだとアメリカ生まれでないと大統領になれない。アーノルド・シュワルツェネッガーはオーストリア生まれでカリフォルニア州知事にはなれたが、大統領にはなれない。国籍取得が甘すぎると感じた。(2024/05/24)
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駄目男
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ペリー来航の1853年から明治維新までの1868年の15年間、この幕末といわれる時代をドイツ人が勉強するとなるとかなり厄介で難しいと思う。武家、大名の名前のややこしさから、無数に出て来る人物。朝廷と幕藩体制の関わり方、目まぐるしく変わる政局など、日本人が覚えるにも大変だが、逆に第一次大戦後の1919年、ヴァイマール共和国誕生からナチ政権誕生の1933年までの14年間を日本人が勉強するとなったら、これまた厄介だ。ドイツ人の長ったらしい名前と発音の難しさ。各政党から無数に出て来る人の多さ。日本人だから
駄目男

ヴァイマール共和制では、全ての政党が準軍事組織を持っていたので日常的に暴力行為で死者が絶えなかった。議会が安定政権を成立させれなかった1933年、最も力のある政党の党首を選ぶ以外にどのような方法があったのか、誰一人、ヒトラーの最大の敵でさえも分からなかった。そして1933年1月30日、ヒトラー内閣誕生、翌2月27日、国会議事堂炎上。翌朝、内閣は緊急事態に乗じて「議事堂炎上令」と呼ばれる大統領令の発令で憲法は骨抜きされ、共産党に対する大弾圧が始める。更には国会が全ての立法権限をヒトラーの政府に移譲する

12/03 16:39
駄目男

「受権法」が成立。ここにヴァイマール共和制は壊滅してしまった。長いレビューで申し訳ない。

12/03 16:40
4件のコメントを全て見る
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みねたか@
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第一次大戦からワイマール共和制へと至るドイツの政治史に関する知識があれば一層理解が深まるに違いない。だが、背景の知識がない私でも、本書のナチ党の誕生からヒトラーの政権奪取に至る過程は、非常に生々しく迫ってくる。引用されているドラッカーの言葉「ナチズムの公約を理性をもって信ずることが入党の条件であったとすれば、誰一人ナチスの党員にはなれなかったに違いない」が強く印象に残る。
みねたか@

本文から)1928年から29年にかけて起きた出来事、シュトレーゼマンの死、フーゲンベルクの浮上、地方の不満、コミンテルンによる第三期宣言、産業界と共和制により制約を受ける軍部のいらだち、ナチ党の地方の州議会選挙、更には国会議員選挙での成功は、ドイツが戦後の国際社会への統合に完全に背を向けたことをしめしている。同様に1920年代末のドイツ経済に起きた出来事は、経済を壊滅状態にした。1928年までは好調に推移していた関連性のない経済や財政のいくつかの傾向が一つに収斂していった。

12/29 09:59
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そぼろ
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ネタバレヒトラーは青年期ウィーンで反ユダヤ思想を醸成し、第一次世界大戦の敗戦で国に絶望し、ミュンヘン一揆のかどで逮捕されるなどし、その他様々な社会情勢が絡んだ結果ナチズムが生まれたということがわかっただけでも、この本を読んで良かったと思う。やがてナチ党党首となり政権を握り、本格的にユダヤ人絶滅政策を実行していくのだが、その実行過程に関しては 栗原優「ナチズムとユダヤ人絶滅政策」を参照したほうが分かりやすい。
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joymanChaneD
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第一次世界大戦以後のドイツを観察し、ヒトラーがドイツを掌握するまでを描く。ナチ党の躍進は戦後のグローバリズム、国際協調に対する抵抗であり、それには社会の分断、反民主主義の神話が後押しをした。平和は、ふと振り返ると崩れているものであり、それが崩れていないか、常に注意深く観察する必要があるのだろう。
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チャス
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ヒトラーは有名なものの、どうやって首相に独裁者になったのか、は知りませんでした。一般的に独裁者=悪と考えますが、ヒトラーが首相になる過程では、基本的には法に則って、民主主義の世界で起きたことなんですよね。(暴力を後ろ盾、というのはあったかもしれませんが)代表制民主主義の劣化がいわれている現代では、1930年台のドイツのようなことが起きない、とは言い切れないと思いました。すごい能力の政治家が出てきたら熱狂しちゃうのでは。「彼らの無知は過ちにつながり、彼らは自分たちの将来を破壊的に見誤った」無知ではダメですね
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syaori
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当時最高水準の民主主義を採用したヴァイマル共和国。そこからなぜナチ政権が生まれたのか。作者はその要因として、第一次大戦後の英米を中心とした世界秩序と進展するグローバリゼーションへの反発、リベラル派から政権を奪うためにナチ党を利用しようとしたヒンデンブルク大統領をはじめとするナショナリスト右派の存在などを挙げます。そしてそのような1930年代と現在との類似を指摘するのですが、その中でそれを打破するには「不寛容なイデオロギーを通じて自ら進めた知的孤立をやめることだ」というナチに抗した論客言葉が心に残りました。
syaori

最後の引用はエドガー・ユリウス・ユングが書いたパーペンの演説から。扱うのは第一次大戦前後からヒンデンブルクが死んでヒトラーが「総統およびドイツ国首相」になるまで(1939年)。

09/08 08:51
syaori

本当にどうでもいいのですが、「長いナイフの夜」のところで、突撃隊は本当は巻き添えくらっただけだったんだけど、突撃隊が嫌われていたから粛清されて政権の人気が回復したというようなことが書かれていて、突撃隊よ……という気持ちになりました。あと、政治闘争が本当に薄氷を踏むようで、胃が痛くなりそうでした。怖い……。そしてパーペンの評価がかなり低いんですが、ほかの本を読んでもそんなものなのか気になりました。「モラルが低い」とか書かれるのってなかなかですよね? 卑しくも一国の首相様だったのに。

09/08 08:53
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三江北斗
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ネタバレタイトルの疑問に対する本書の回答としては、おおよそ、 大統領を始めとする勢力(基本的に右派)が、左派に政権を握られることを嫌ったため、新興勢力であったナチ党=ヒトラーを利用しようとしたら、彼らの目論見を見破れず、あるいは親衛隊の暴力行為に屈したことから、最終的にはナチ党=ヒトラーに権力を移譲することになった という感じでしょうか。 日本とは違った経過ですが、結果としては同じころに、自由や民主主義を手放すことになった国の出来事であり、まさに歴史に学ぶことができるように思います。
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豆大福
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著書はアメリカの歴史家。2018年刊行。 ヴァイマール共和国の成立から崩壊までを扱う。とは言っても、もの堅い歴史書ではなく、小説のような興味を持って読める。特にヒンデンブルク、シュトレーゼマン、シュライヒャー、パーペンといったヴァイマール共和国の主要人物たちが生き生きと描写されているのは、著書の優れた力量のゆえであろう。これら保守的な政治家たちが徐々にナチに侵食されていく様が、実にリアルに描かれている。
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PenguinTrainer
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政治的信頼を得ていない1軍人がどのようにして、国を・世界を変えていったのかが歴史に沿って書かれた本。誰も最初っから過激な思想を持って政治に参加していたわけではなく、日々の生活の不満を政治に・民主主義に見出してそれを推し進めることで歴史に残る事件となってしまったことが細々と書かれていた。コロナ下で分断の進む現代にも共通する事項があるように感じ、恐怖を覚えた。
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どら猫さとっち
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言わずと知れた独裁者アドルフ・ヒトラー。そして、彼の部下と取り巻く人たち。なぜ彼らは、この残虐極まりない独裁者を選び、従ったのか。本書は彼らの実像に迫り、民主主義がなくなるとは何かを論じたノンフィクションだ。ヒトラーも相当酷いが、彼に従った人たちも大概だ。これはスターリンやムッソリーニの独裁政権と同じ構図ではないか。そして、民主主義はなぜ独裁政権に潰えてしまうのか。「今の時代はさまざまな意味で一九九〇年代ではなく一九三〇年代に酷似しているのだ」、本書はこの時代に世に送り、読まれるべきではないか。
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paxomnibus
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普通の人は民主主義なぞ望んでいない。自分に与えられた特権を死守する方を望むのだ。特権を持たぬ少数派が同等の権利を求めて声をあげた時、己が既得権益を削ってでも平等化を推し進めてこその民主化だが、本心では誰しもイヤだと思うだろう。だがそこを我慢してでも推進すべきなのは、仮に自分が少数派となった場合、多数派と同じ権利を堂々と主張できるようにするためだ。だが「もしも自分が少数派だったら」と想像できない人は平等な社会は自分が損をするだけとしか思わない。その浅薄な考えを美化し正当化して大衆に見せつけたのがヒトラーだ
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ミネチュ
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「何故ヒトラーのような人物が権力を握ることができたのか?」について、関心を持っています。今まで何冊かヒトラーやナチスに関する本を読みました。ナチスに反対していた人、ヒトラーは危険だと思っていた人は多くいた。多くいたにもかかわらず、結局ナチスが政権を獲ることができた。何故? この本はまさにそれがタイトルになっています。 1か月くらいかけてちびちび読んだので、「あれ?この人一体誰だったっけ?」と思ったりすることも多くて、なかなか十分理解できないし、覚えられないですけど、でも良い本だったと思います。
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ky
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ヒトラーの生誕から総統就任まで。中流階級のプロテスタントがもともと抱いていた世界観にナチの計画が合致。ファシズムは左派を強く恐れる人々による、左派に対する防御反応。ナチ党とはナショナリストによるグローバリゼーションへの抵抗運動。ソ連を征服して自給自足経済のドイツを作るのがヒトラーの計画の全貌。ビアホールプッチの失敗から、ナチ党が政権につくにはヒンデンブルクと陸軍が必要で、彼らと対立してはならないと学んだ。ヒンデンブルクの心変わり、弾劾と公訴を恐れたから。社民党以外のすべての党が授権法に賛成票を投じた。
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桐島陽依
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図書館で予約して借りた本。ヘンな意味ではなくて(?どう説明したらいいんだろ。とにかくあたしはヤバい思想のひととかではない…ハズです)ヒトラー独裁ナチの台頭の歴史に興味があって、ずっとこのテを読んでいます。今回は難しくて半分も理解できてないと思う。ナチズム以前はかなり穏やかな理想的な民主主義国家(らしきもの?)だったのに、踏み外すように、そこその選択する?状態に。絶妙にダメな政治家が出てくるのも運命なのかっつーかんじ。しかしねえ、人名が難しくて、何度も何度も人物相関図に戻りながら読みました。
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がんこおやじ
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元々はトランプ大統領の扇動で議会占拠に至るような混乱が起こっていることを理解するために読んでみたのだが、かなり有益な読書になった。現代より差別が当たり前であり、暴力が容認されていたという違いがあるが、それだけに今の社会的環境は貴重なものであると納得。ヒトラーの危険性を皆が分かっていながら妥協するのも分かる部分があり、現代の我々が当たり前と思っている普遍的な価値観の尊さが分かる。人権だけでなく多様性などの新しい概念もまた価値観に統合されるべきで、それにより独裁を回避できる事がよく分かる。本当に良い本だった。
フロム

実は当時のドイツはそれほど選択肢がなかったのではないか?と思わせますよね。共産主義が政権取ったら世界はより酷い事になった可能性もあるわけで

02/25 18:18
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Meistersinger
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書名通りに「ヒトラーが選ばれるまでのドイツ政界の動き」を描いている。政争中心で一般ドイツ人の心理状態は、やや不足気味か。
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(ま)
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ヒンデンブルクの死まで 敗戦の記憶、反民主主義、宗教的・階層的な分裂、政党の宗派化、政党間の近視眼の抗争、暴力や非合理主義の容認、伝説的嘘の容認、反移民・反グローバリズム、権力への欲望や全体主義への過小評価、ボリシェヴィズムへの拒否反応、国際政治等々が混然一体となり破局へ
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三原城の守り人
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A
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フロム
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重要なのはナチが独裁できたのは必然か?偶然か?だと思う。著者はxポイントをヒトラーが首相就任と見ている様である。首相就任以後のナチの行動はほぼクーデターなのでその考えは説得力がある。ではナチの独裁は必然かと言うとナチも政権を握る前はギリギリレベルて合法的な活動をしており薄氷を踏む瞬間が度々あったといえる。とてもじゃ無いが直線的に独裁が成功できたとは思えない。やはり当時の時代背景が大きく左右している印象が強い。ただ一つ言えるのヒトラー率いるナチの一派は現代から判断しても超絶有能な政治集団であったと言うこと。
フロム

④ とびきり重要な時期にとびきり無能かつ無責任なパーペンが首相に就任した。

12/28 16:19
フロム

もっと検討の余地はあるが、ポルホトほどでは無いが歯車が一つ違えばと思えなくも無い。ヒトラーが独裁できたのは必然と断じるには中々厳しいと僕は思うがどうであろう?

12/28 16:22
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ryo
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自分が不勉強なのかもしれないが、ヴァイマル共和国は未成熟な民主主義だったのではないかと思う。WW1で敗北した君主制のドイツ帝国が、明らかに先進的な民主主義制度を導入するものの、その先進性により反発が生じ、権威主義体制が整っていくように思える。
0255文字
はぶちえ
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ヒトラーが権力を掌握するまでのノンフィクション。 「第一次世界大戦で折った巨額の賠償金が原因だった」などと曖昧な理解をしていたが、実際に起きていたことを知ると、それはあくまで最初の一歩でしかないことがわかる。宗教や階級などの要素で分断されていても、それを均質化し、かつ非合理的な判断をするように仕向けてしまうことで、異常な独裁国家が誕生したようだ。 また、このような事態にあっても抵抗した勢力が蒔いた種がヴァルキューレ作戦に繋がるのが歴史の面白さかと感じた。
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たまご2020
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良い道具(当時の世界で最も民主的な憲法・ヴァイマル憲法)があっても、使う人次第で、意味のなさないものになってしまう。
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うみ
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ドイツと言えば「戦う民主主義」だし、軽く読んでみるかな、と思って手に取ってから、読み終えるのに大変な時間が掛かってしまった。ベルサイユ体制やワイマール共和国に対するイメージは本書を読む前と変わらないのだが、それでも多くのことを考えさせられた。政治的意思を持たない集団は危ういのだろう、と感じた。イデオロギーの話題は最近流行らないように思えるが、そういう風潮自体がよろしくないのかもしれない、とも。昨今の国際政治を思いつつの雑感。
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Ueki Kazuhiro
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迫力のあるノンフィクション。なぜドイツはヒトラーを選んだのか、いや選ばざるを得なかったのか。詰まるところ経済的に困窮した国民は極端な思想を選択してしまう。その前の経済対策を疎かにして政争を繰り返した人たちとヴァイマル憲法の不完全さのせいかもしれない。安定した国のもとではヒトラー政権は誕生しなかったのである。翻って今の世界を見てみると、明らかに中国がそれにあたる。歴史は繰り返してはいけないと改めて考えさせられた。
0255文字
ぜぶら
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よく知られていることだが、ヒトラーは法的に選ばれた首相であった。多くの人間だちが彼の危険性に気付いてはいたが、それに耳を傾ける人は少なかった。何よりも、「知識人」と言われる人間たちはヒトラーをコントロールできると思っていたし、国際社会もヒトラーを支持していた。今私たちにできることは、どこに過ちがあったのかを知ることだ。
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