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飼いならす――世界を変えた10種の動植物

感想・レビュー
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はおう
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ネタバレ流し読みだけど、家畜化による形質の変化ってすべて表現型の可塑性で説明できるのかな。ヒト入れて動物5選、植物5選
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家の中のぱっぽ
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本書は、人間によって飼いならされた動植物9種についての起源やこれまでの過程を2017年頃の最新の研究に基づいて紹介している。最後にヒトについても自己家畜化されていていると議論が進む。著者は人類学者、解剖学者で過去の著書も面白かったので購入してみました。家畜化、栽培化された動植物は普段何とも思わず接してきたが、ふと、どのような起源を持って今日ヒトとの付き合いがなされてきたのだろうと思った時に本書を読むと学びがあり、思いを馳せるだろうと思います。
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やいっち
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「狩猟採集民だった人間(ホモ・サピエンス)は、野生の動植物をそのまま享受するだけだった。やがて人間がいくつかの野生の種に手を加えて飼いならす(家畜化・栽培化する)ようになると、歴史は激変する。人口は増え、文明が興った。そしてそれらの種は人間の生存と繁栄にますます欠かせない存在となっていった…」ドラマを描くもの。
やいっち

著者のアリス・ロバーツは、「人類学者。バーミンガム大学教授(「科学への市民の関与」講座)。1973年イギリス生まれ。テレビ番組の司会者や著作家としても知られ、BBC2で人類進化をテーマとするいくつかのシリーズに出演」という方。『人類20万年 遙かなる旅路』は広く読まれたようだ。

12/05 02:17
やいっち

本書は書店で発掘したのだが、訳者が斉藤 隆央という小生には何冊も手にしてきたということも、安心して選ぶ材料になった。

12/05 02:18
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しげのり
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人間が飼いならしてきた代表的な植物と動物を紹介。人間からの働きかけだけではなく、動物の側からも人間への興味や生存への本能から歩み寄ったこと。飼いならすことで作物や家畜の双方にメリットが生まれて繁栄のつながったことなど新発見が多くあった。飼いならす原因は、必要に迫られて、やむを得ずといった要因、例として気候変動を挙げている。過去を振り返るとき、ともすれば論理的に考えてしまうくせに警告を鳴らしている。「反穀物の人類史」でもそうだが、人口増〜農耕〜階層社会〜宗教という流れに再考を促している。理解しやすい良書。
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ファーストフラッシュ
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「飼いならしているのはヒトか動植物か」お互いさまの共進化ということか。「gm反対なのは裕福な国。反対することが発展途上国の判断を妨げていることを考えなければならない」たしかに。「遺伝子組み換えは分子レベルのつぎ木。種の境界はあいまいで、多くの種は本質的に雑種」なるほどねえ…●『セミオーシス』で、竹のような植物がヒトに「友達になりたいから家畜になって」と呼びかけていたのを思い出した。●気になったので調べたら、乳糖を分解できるようになったのはおそらく5000年〜6000年前とのこと。
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tursiops
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図書館の返却期限間近なので流し読み。 時間のある時に時系列のメモを取りながらまた読み直したい。 本文読んでて気になったことのメモ。 社会性の野生動物で、自己家畜化がみられる種はいないのか。 家畜から野生種に伝わった遺伝子で正の淘汰を受けたものはあるか。
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マイアミ
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★★★ 10の動植物がいつどこで飼い慣らされていったのかを遺伝学のアプローチをメインとして推測していたのだが、最後の項目に登場したヒトがヒトによって飼い慣らされたという考え方は説得力もあり興味深い説だと感じた。これまでの考古学では複数の場所で同時期に起きたように思われていたのが、遺伝学によりその場所が特定されていき、なおかつひとつの場所から各地に広まっていったというのは感慨深い。これらに加えて、現代の人類の発展に最大とも言える寄与を果たしている動物「マウス」についても扱って欲かったと思った。
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ABAKAHEMP
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タイトルは自動詞ではなく他動詞の『飼いならされた』の方が適切だろう。イメージ通りの『飼いならす』事例なんて、本書でも暴れる野生馬を何とか乗りこなそうと悪戦苦闘する若者の話だけで、それも空想だから。実態は、主人である人間が下僕である動植物を一方的・意図的に従わせたのではなく、ほぼ偶発的にそれ自身の従属性を開花させたに過ぎず、しかも関係は相補的・相互依存的なもの。牛乳なんてそもそも消化もできず腹痛になるだけなのに、やがて人間のDNAを書き換えたのでもよくわかる。下剤にしかならなかったのに、よくトライし続けた。
ABAKAHEMP

結局のところ、高い栄養価に目をつけて、長期的な視野に立っていたわけではなく、試行錯誤の結果で、ミルクでダメなら一度発酵させてチーズにして食っちまおうとか、いろいろやってるうちに「乳糖耐性」を身につけて生乳も楽に消化できるようになったんだから、どっちが飼いならしてるのかわかんない。それよりも、見るから手にとって食べて栽培したくなるリンゴと違って、なんで硬くて粒も小さな地味な草でしかない稲に目をつけ、土の中から毒も持つ塊茎を探して掘り出して食したものだと、われわれの祖先のやぶれかぶれの創意工夫に驚いてしまう。

06/06 19:42
ABAKAHEMP

ネアンデルタール人やデニソワ人との交雑もそうだけど、頭にあるのは性欲と食欲で、結局の所、一緒にダンスできる相手となら、どんな相手とも踊ってきたのであり、いま問題になっているのは、われわれが飼育栽培化できなかった、その他の種の今後の運命ということになる。野生種と言っても純粋で孤立した種などおらず、家畜化したものの交雑が見られ、相互に関係している。最後のヒトの自己家畜化の議論は一面的で、恐ろしいほどの悪意に満ちた能動的な攻撃性には触れず、寛容になったと語るだけで、ランガムの『善と悪のパラドックス』の方がいい。

06/06 19:53
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蒼
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イヌ、コムギ、ウシ、トウモロコシ、ジャガイモ、ニワトリ、イネ、ウマ、リンゴ、ヒトの起源についての2017年頃の研究結果が紹介されている。遺伝子と考古学の研究が進むにつれ起源の複雑さがわかってきたのは『交雑する人類』と同様。飼育栽培と言っても一方的とも言えず、互いに影響も及ぼしあって種が存続してきたと言える。家畜とリンゴは全く知らなかったので面白かったし、ゴールデンライスをめぐるGM作物の状況はフラットな目線で書かれていてよかった。ウマはステップの民(『交雑する人類』『世界の起源』に登場)との関連で面白い。
蒼

イネでは、中国の遺伝学者が「ネイチャー」に発表した研究成果(ゲノムワイド解析)や、「サイエンス」に発表された考古学の論文(江西省仙人洞の土器片が約2万年前のもの)は普通に紹介されているので評価に値するものだったようです。でも中国はまだまだいろんなものが出てくるでしょうから、オープンにしてほしいという本音はあるはずですよね。

05/13 11:56
ばたやん@かみがた

あぁ、ニワトリでも…。ありがとうございます。正直、学問の世界でデカップリングは願い下げなんですが、ルイセンコの前例などを見ても支配イデオロギーにすり寄ってしまうものなんですね、人間のやることですから。

05/13 12:42
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shiroe_42
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ヒトに飼いならされた、野性種の物語。例えば、ヒトと協力関係を結んだオオカミは、イヌとして進化したという。ヒトによって、生息域を広げた生物もある。人類と、他の動植物との関係について考えさせられる。
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BananaBoyfriend
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稲と小麦とか一粒の小さい雑草を人類の大部分が食べていることはよく考えると謎だが、氷期を生き延びるための救荒植物だったというのは面白かった。GM作物は社会からの激しい反対を経験して、しかし一方的に科学を押し付けるのではなく使う人と対話し選択肢を増やすという姿勢は、あらゆる科学の社会への正しい向き合い方だと思った。自動運転とか原発とか。種イモから育てるゆえ遺伝的多様性が失われたジャガイモが、一つの病気で壊滅し大飢饉が起きた例は示唆深い(バベルの塔的な)
BananaBoyfriend

次の病気や気候変動のショックに、人間が飼い慣らし多様性が減っている動植物や、それに飼い慣らされている人間自身は耐えられるのか

04/10 21:49
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tama_lion
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タウルスウシとゼブウシは別起源という説はもう古かったのか。家畜化・栽培化のあとは多様性が減る一方というわけではなくて、拡散後の在来野生種との交雑に重きを置いた説明が新鮮だった。これ10種に入れる?と思ったリンゴの章が知らないことばかりで意外にいちばん面白かったかも
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今庄和恵@マチカドホケン室/コネクトロン
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家畜化、作物化の工程はこれでもかというほどあちこちで解説されているけど、なぜそれを家畜化・作物化しようとしたか、そのきっかけに触れたものは珍しいのではないかと。パラダイムシフト的だった記述、1:英国の森林さえも畑になる 2:他の哺乳類の乳腺から乳を絞ってそれを飲むと誰が思いついたか 3:コロンブス以前にアメリカに牛はいなかった 4:ダーウィンの種の起源の次の著作が「家畜・栽培植物の変異」だったこと 5:雌鶏は卵が別の卵を作るための手段にすぎない〜サミュエル・バトラー
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おさむ
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ネタバレ遺伝子解析から見えてくる我々人間と動植物たちとの共生、共進化の歴史はとても興味深い。犬や鶏を手懐けて牛や馬、ヤギを囲い込み、小麦、稲、じゃがいも、リンゴ、とうもろこしなどを育成栽培することに成功した。長い年月をかけて営まれてきたこうした営みがいまや遺伝子操作によって一気に変えられる時代になった。但し、それは多様性を失い、脆弱化を招く危険性を孕んでいる。巻末のヒトも結果的に「自己家畜化」したとの指摘はショックだが、ハラリの「農業革命により人間は農作物の奴隷になった」との指摘にも通じる。読み返したい良書です。
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Hiroo Shimoda
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家畜化は一方向ではなく、野生や他の家畜との交雑を経て人類と共進化してきた。進化は狙い澄まして最適解を選び取るものではなく、多様性の中から結果的に残っていくもの。企業の生き残りに適用するならば、ヒトや事業の多様性を大事にすべきと言える。
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洋書好きな読書モンガー
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家畜や主食としている各種植物など興味深い話がたくさん載っている。1つのエピソードは、ニワトリの話。米国では第二次世界大戦終了後までニワトリは玉子を取る為のもので食用ではなかった。鳥肉には北米には七面鳥が居た。大戦後鶏肉ビジネスをしようとまるまる太ったニワトリのコンテストをして結果現在米国では毎日肉を食べるようになって2/3は鶏肉なのだそうだ。これがなければ街角で見かけるあの白い服装の恰幅の良いオジサン像も無かったんだね。
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ta_chanko
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イヌ・コムギ・ウシ・トウモロコシ・ジャガイモ・ニワトリ・イネ・ウマ・リンゴ、そしてヒトがどうやって飼育栽培化されてきたかを最新の研究を踏まえて丁寧に研究。野生種から単線的にすすんだのではなく、いったん飼育栽培化されたものが野生種との交雑を繰り返しながら、その土地に適応して現代にいたる。野生種との交雑は遺伝的多様性を確保するためにも不可欠。多様性が極度に失われると、アイルランドのジャガイモ飢饉のような悲劇が起こりやすくなる。遺伝子組み替えは諸刃の剣。人類を救う技術にもなりうるし、予期せぬ影響を及ぼすことも。
ta_chanko

人間が自然を支配しコントロールしているというのは思い上がりで、実際には数えるほどの数種しか飼育栽培化できていないし、飼育栽培化された動植物との共依存の中で偶発的にすすんできたこと。遺伝子組み替えなどによって、短期的な視点で最適な種を生み出したとしても、遺伝的多様性が先細って環境の変化などに対応しにくくなってしまう。人間にできることは、遺伝的多様性を維持しながら、動植物と共依存していくという意識で長期的な持続可能性を探っていくこと。

01/21 08:49
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アナーキー靴下
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人間の文明を支えてきた動植物の起源と生物的・文化的変遷を、人類学者の著者が考察した本。地理的にも時代的にも範囲が広く、現代に生きる狩猟採集民の食文化にまで話が及び、かなり読み応えがあった。遺伝学はいまや考古学のツールのひとつ、という言葉が出てくる通り、発掘された痕跡のゲノム解析からの仮説・推論が多いが、遺伝子組み換えに関する話も飛び出してきて、過去だけでなく未来に想いを馳せ、知見を生きた学問に繋げようという意志を感じた。人為選択は人を介した自然選択という言葉や、野生種の遺伝子プールの重要性が印象に残った。
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まいこ
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ネタバレ人と、稲やりんごや馬や犬との共進化の話。犬の一部は人と暮らすようになりでんぷん質を分解できるようになったり、人も牛の乳を飲むようになり乳糖耐性を得たり、りんごは馬に乗った人に運ばれてシルクロードを旅したり。馬は人の移動や輸送や襲撃に革命を起こし、人類史に戦争を登場させた。穀物はもしかしたら納税を可能にさせて自治体や国を作ったのかも?多くの種は野生種とも交雑してきた来歴がゲノム解読で明らかになり、人もまたネアンデルタールと交雑し、そばかすやベーチェット病はネアンデルタール由来という。純血種というのは妄想だと
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takao
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ふむ
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かなた
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まだまだ謎が多いということ。 今後の研究によって、解明できたらいいなと思う。
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アキ
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アリス・ロバーツは『生命進化の偉大なる奇跡』以来2冊目。なかなか刺激的な本をお書きになる。ここ数年の間に考古学に遺伝学が加わることで、新知見が続々と発表されている。遺伝学で確実に証明されたことは、イヌの祖先はタイリクオオカミという単一の野生種など数多くあり、また狩猟採集民がコムギやイネを野生株から栽培し始めていたことなどわかりつつある。今までの考古学の常識も変わるだろうし、将来全ゲノムの解析を終えたニワトリなどの家畜の世界もCRISPERなどの遺伝子編集技術で変わる可能性もある。また想像するしかないのは⇒
アキ

⇒なぜどうやって飼いならしたかということ。ウマの章でヒトがはじめて飼いならす様を描いたシーンが印象的だった。最後の章でヒトはこれらの動植物を飼いならしていることで、ヒトは図らずも自分たちを家畜化してしまったという考えは刺激的である。

12/01 22:54
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Go Extreme
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飼育栽培された種の起源 犬:森のなかのオオカミ・特異な品種 小麦:気温と祭祀施設・レヴァントからソレントへ 牛:骨と遺伝子・育てられ、広められ トウモロコシ:新世界に至る道・途方もない顕著な多様性 ジャガイモ:ご馳走と飢饉 ニワトリ:どちらが先か? イネ:世界を養う・濡れた足と乾いた農地 馬:飼いならす・最初の乗用馬 りんご:遺伝子が明かすもの ヒト:共進化と歴史の道筋・自己家畜化した種
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Tetsuji Yamaguchi
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★★★★
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