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春の雪 (新潮文庫)

感想・レビュー
88

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Ra
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「どんな夢にもおわりがあり、永遠なものは何もないのに、それを自分の権利と思うのは愚かではございませんか。」
0255文字
たつや
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図書館の展示で今年は三島由紀夫の生誕百年になるそうだ。気になり、最後の長編4部作という本書を初めて手にした。やはり、難しい言い回しや、言葉や漢字が多いが、流石三島由紀夫だ。取り敢えず、勢いでどうやら、一巻を読了した。解説によると、三島由紀夫の死後に創作ノートを見ると、恐らく京都の貴族にモデルとなった事件があったそうだ。松枝清顕と綾倉聡子の恋は思わぬ方向へ。このまま次巻を借りに行こう。
0255文字
Jack Amano
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学生時代に読んでいれば、全く異なる感想になるだろうなと思う。松枝清顕の一途さと言えば聞こえは良いが、ある意味稚拙で相手を思うやることの足りなさの上に起きた出来事の中で、結局、あまり学ばずに終えた。まあ、言ってしまえばそれまでだが、三島は上手いな。惹きつけられるように読んでしまった。清顕と本多の関係がなんだか、光源氏と頭の中将のようにもふと感じた。三島のライフワーク「豊穣の海」と言われるだけのものはあるかなと思った。
0255文字
em em
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言葉が、表現が綺麗
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読書三餘
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三十幾つと彼が手掛けてきた長編小説のなか、これほど古典への敬愛を盛り込んだ作は、無い。幼時に編んだ詩や、『花ざかりの森』をはじめとした短編のくさぐさ、戯曲への移植には強烈な感心が見られても。ところで、近現代への扉の前にたち、江戸以前を背景に、彼とは”逆様”、小説から挫折し、詩作を志した人物、 正岡子規の言辞から引けば、〈知らず妙篇大作は果して長篇の文字に在るか――『文學雜談』1893〉とあり、冗長たる西洋の詩は、優雅が通俗に圧倒されてしまっている、という風に述べている。その真偽はどうあれ、「優雅」は、
読書三餘

松枝家憧れの綾倉家に規定され、所々の詩的な配分、その精緻な口語との織り合わせ、風光の麗しい表現によってか、聡子の影像を中心に瀰漫している。長かろうと、決して読みづらさを私は感じなかった。まして象られた明治末年を舞台とせし輪奐の美さえ礼拝した。詩と小説の違いを論じるつもりはないが、これだけの分量で、かつ当然昭和以降の人間を魅する文章、すなわち子規が好しとせぬ言文一致体であるにも関わらず、典雅を纏っているのである。ライフワークに挑もうとした昭和三十五年からの五年間がいかに熟成に至るものだったか想像を絶する。

02/12 19:21
0255文字
mahirunoahiru
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豊穣の海は大学生の頃読んで、その時はすごい面白くてかなり自分の中で盛り上がってたんだけど、内容ほぼ忘れてるし、再読にあたって同じテンションで楽しめるか(特に豊穣の海の中でも春の雪を楽しめるか)ちょっと不安だった。いやそんな懸念必要ありませんでしたね!今読んでも紛うことなき面白小説で本当によかった。 春の雪の面白さは私の中では軸がふたつあって、まず三島の描写が面白い。ささやかな風景とか、時間による景色の移り変わり、光の加減なんかの描写がかなり好き。
mahirunoahiru

私は恋愛小説がめっちゃ苦手なんだけど、読み返してみて、これ全然恋愛小説じゃねーなと思った。清様、自分自分自分自分でこんなのは聡子を好きとは言えないだろw全然恋愛小説じゃないからこそ私は好きなんだろうな。 清様もおもろいけど飯沼もおもろい。山へお参りに行って祈ってる最中に「急に股間が勃然とするのを感じることがあった。彼は社の床下から箒をとり出し 、狂気のようにそこらを掃いて廻った」(笑)。漫画的とすら言える面白さがある。健康児やん~!

01/20 17:49
mahirunoahiru

小さな気付きとしては、蓼科が松枝侯爵への正月の手土産に生麩持っていってるんだけど、私も最近上品なおばさまから生麩のおみやげをいただいたことがあり、生麩ってやっぱり上流階級の食べ物なのか……となった。あと大正時代のメニュー表が面白かった。洋菌ってトリュフなんだね~。全部トリュフ味や。

01/20 17:50
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0255文字
高木康宏
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三島由紀夫の作品を初めて読む。なぜ私の手元にこの本があったのか忘れたが、読み始めてみると豊富な語彙と巧みな文章表現の世界に数日間浸った。 大正時代の階級制度や仏教の知識など知的体力の必要な読書で普段自分が仕事やプライベートで使っている日本語の貧弱さを思い知らされた。脳みそが筋肉痛になった感じがした。 なお、この作品は4部作ということでもうしばらく三島作品と付き合うことになる。
0255文字
副委員長
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課題本のため読了する。 文体と描写は確かに美しいがどこか自己主張の激しく感じられそれがあまり好きではない。 登場人物の清顕といいシャムの王子といいどんだけ自分が好きなんだと言う人物が多く微妙なところではある。
0255文字
sou
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男女の恋愛物だと聞いてすぐに読了できると思っていましたが、濃密で美しい描写の文章が散りばめられるだけでなく、個性的な脇役達や仏教思想の話も差し込まれ、予想外に読むのに時間がかかりました。聡子の描写、夏の鎌倉の海、雪の月修寺、そして庶民とは別世界の華やかな貴族の生活。清顕の自分勝手な振る舞いにイライラさせられながらも、それを押し通す文章の力がすごい。本多は良く親友を続けられるなと思いつつ、目を離せない存在ではあるのかも。後半からラストまでは勢いで読ませます。宝塚歌劇の演目にもなっているとのことで納得でした。
0255文字
aaboo
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清顕の祖母の考え方が気に入った。
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Esperanza
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ネタバレ自分の年齢で何度も出てくる言葉の意味を調べちゃうくらい三島の文体が豊か過ぎてな自分の知っている日本語の浅さにびっくりだ。 端から見れば勝ち組の清顕が色々拗らせて聡子とすれ違いまくり悲劇的な結末になるわけだがそれがもう大変高尚で耽美に描かれてて凄い。 夢や仏教の輪廻転生などか象徴的に表されててシャムの皇太子たちなどもその点で効果的な装置として存在してる。
0255文字
銀曜日
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初めてじっくり読んだ三島由紀夫作品。独特な文体は美しく、繊細な描写に引き込まれた。先が楽しみで頁を捲る手が止まらなかった。
0255文字
ムイシュキン
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幼い頃から特別な関係にありながらも、許嫁ではない二人――清顕と聡子。互いに惹かれ合いながらも、直接的に好意を示す聡子に対し、清顕はその感情に背くかのような態度を取ります。しかし、すれ違いと運命の皮肉により、聡子は次第に清顕の手の届かない存在となっていきます。やがて二人の行動は破滅へと向かう劇的な局面を迎え、不可能な状況の中で燃え上がる恋の炎が、物語の核心を成します。その激しくも儚い愛のかたちには、どこか共感を覚えずにはいられませんでした。
0255文字
Taku Kawaguchi
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よく判らない話。 とても疲れました。
0255文字
コージー
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★★★★★三島由紀夫の最後の長編を、ついに読む時が来た。転生の物語ということだが、どのように展開していくのだろうか。第一巻は禁忌の恋として燃え上がる男女が描かれている。一巻にしてもうクライマックスが来てるのではないかと戸惑いながら読んでいだが、最後のページをめくったあとは、このようなラストを迎えるとは思わなかったと驚かされた。第二巻はどのような展開になるのだろうか。
0255文字
無能なガラス屋
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「喪失ということは何かですよ。それが僕には、出現のそもそもの根拠のように思えるのだ。」
無能なガラス屋

「思えば彼の、ただたゆたうばかりの肉感は、こんな強い観念の支柱をひそかに求めつづけていたのにちがいない。彼が本当に自分にふさわしい役割を見つけ出すには、何と手間がかかったことだろう。『今こそ僕は聡子に恋している』この感情の正しさと確実さを証明するには、ただそれが絶対不可能なものになったというだけで十分だった。」

09/14 03:32
無能なガラス屋

「はっきりした情熱を持ったので、もう感情の動くままに動く必要がなくなったのである。」

09/14 03:34
0255文字
熊尾はなつ
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ネタバレ典雅と美が満ち満ちた文章の小説…満腹。清顕…決意通り、感情のために生きたんだ…白い手を生涯汚さず…でも聡子への感情の強さに耐えきれず死んじゃった。聡子の顎…「象牙の駒」!…見える!清顕の手の中の聡子の顎が!骨の硬さが!綺麗な形の小さい白い顎が!抜群の比喩表現…!月光姫が消えた世界に気づかなかったジャオ・ピーの悲しい告白も好き。「煮詰めた飴のように重たい女の甘さ」が感じられる、押絵の手作り小筥の描写も好き。ちょっと拙くて、千代紙ごてごて、押絵は感傷的な絵柄で、素材たっぷり使って。お姫さん…本多…達者でね…!
0255文字
綿毛
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ネタバレ途方もない時間を要しました…が読了 うーん有り体に二人に共感はできないが言葉や文体の繊細な美しさ精緻な舞台装置で丹念に綴られる悲劇へと終息する物語はページを捲るのももどかしい程…今は読み終えた虚脱感でいっぱいです… 自分にも薄くない本が読めるんだァ(;;)
0255文字
Nonashin.
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「何が清顕に歓喜をもたらしたかと云えば、それは不可能という観念だった。絶対の不可能。、、、」 この一文を見たとき、なぜ題名が「春の雪」なんだろうと思った。絶対の不可能を示すなら、「夏の雪」で良いではないか。夏の雪では駄目なのか?「春の雪」、これは含みのある言い方だ。夏でなく春であることで、雪はどこかまだ微小な可能性を孕む。夏の雪は不可能でも、春の雪なら、もしかして、、、。なるほど、そういうことか。三島さん、あんた、まさか、、。
0255文字
咲
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タイに行く。だから私は、三島由紀夫「豊饒の海」を読まなければならない。タイに行こうと決まった日に、四巻まとめて購入した。それから、どこへ行くにも鞄に入れていて読んでいる。貪るように読むと、いつだって何かしら、不思議なことが起こる。岡山県の玉野にある古本屋兼カフェバーの隅っこのカウンター席で、クラフトビールを飲みながら読んでいると、各所からこの芸術の地に集ってきたアーティストの方々が話しかけて仲間に入れてくれた。愉快に話している中で、瀬戸内海の犬島に三島由紀夫をテーマとしたアート作品があると教えてもらう。
咲

清顕。優美な、決して土にも血にも汗にも汚れることのない手を持つ、美しい男。自らを「優雅の棘」と考える男。全く無益な毒を持ち、その無益さこそが自分の生まれてきた意味だと考えてしまう男。恋によって美しく輝き、悲劇へ向かってまっしぐらに進み、死んでいった男。清顕と聡子を情熱的に結びつけた、激しく雪が降る日の逢瀬。そして、聡子をひと目見ることすら叶わなかった、淡い春の雪が舞う曇天の寺。清顕は、望んだ通りと言うべきか、二十歳で「優雅な死」を迎える。だが、その死は、世間一般でいう「死」ではないのだ。輪廻転生の物語。

07/31 23:22
咲

夏、海と陸の境目をのぞむ別荘地で、日本の男2人とシャム(タイ)の男2人が、輪廻転生について語らう。「肉体が連続しなくても、妄念が連続するなら、同じ個体と考えて差支えがありません。個体と云わずに『1つの生の流れ』と呼んだらいいかもしれない。」そう、これは、輪廻転生の物語。清顕は、最期に本多に向かって、こう言い残す。「今、夢を見ていた。又、会うぜ。きっと会う。滝の下で。」清顕の生の流れは、次巻へと続く。

07/31 23:26
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0255文字
dokusyozuki
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心中ものと思っていた。物語の流れは確かにそうであった。でもぎりぎりで聡子の聡明さ決断力に救われた。清顕の後悔の念は痛いほど分かる。幾つも分岐点で間違いを犯し、聡子を精神的にも肉体的にも苦しめた原因のすべては清顕にある。清顕の心は自責の念に耐えられるほど強くはないし鈍感でもない。心は死に、肉体の死へと続き唐突に物語は終わる。聡子のその後は描かれていない…。清顕の愚かさ若さ繊細さ歯がゆさを聡子が全て受け入れたのならそれは他人が口をはさむところではない。清顕のためにも聡子の人生に幸多かれと願うばかりである。
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asuwanna
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20年ぐらい前に一度読んだけど内容を覚えていなくて、もう一度読まないとと思っていて、ついに読了。 三島由紀夫ばかり最近立て続けに読んでいて、忙しくなってしばらく離れていたのだけど、戻ってくるとより一層、三島の文体に対する中毒症状が強くなっていて、もはや嗜癖のように暇さえあれば読んでしまった。 離れているあいだに身体になにかの抗体ができてしまったのだろうか…
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ナギサ
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とても面白かった
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cape
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三島由紀夫文学の集大成的最後の長編大作第一巻は、緻密に優美に練り上げられた悲恋の物語。揺れ動き自ら破滅へと突き進む、若く高貴な清顕の心性の劇的さは実は特異なものではないと気づいた。しかしながら、このあと舞台が変わりながら転生するらしい先行きが見えない展開は特異だ。濃密な物語に圧倒させられた美しき豊穣の海の春の雪。三島由紀夫の凄みを感じさせられつつ第二巻、奔馬に突き進むしかない。
dokusyozuki

突き進む、全く同感です。

07/30 08:22
0255文字
砂希ちま
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侯爵の息子と伯爵の娘の悲恋。他にいくつもの選択肢があったのに、何でそうなったの? と首を傾げた。守るものが多く軟弱な貴族に比べて、不気味な老女・蓼科のしぶといことといったらない。荒れた肌に浮いた白粉を「黴」と書かれても、侯爵に手紙を送りつける奇策はお見事で、ページをめくるごとに好きになってしまった。
0255文字
ナオ
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再読
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Freak Zappa(アレクセイカラマーゾフという名で音楽活動してたよ)
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ネタバレ皇族の婚約者を妊娠させた美少年…『宮様の許嫁をはらましたとは天晴れだね』引用■家族は奔走するが、何か楽しそう…『非常事態を処理するというすばらしい快楽的な仕事』引用■相変わらず、素晴らしい隠喩、暗喩、描写の数々…村上春樹が好きなら好きかも■2年読んでた笑
0255文字
ぶぶ
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輪廻転生を描いた作者の遺作四部作。第一巻は侯爵家の息子と伯爵家の娘の道ならぬ恋をめぐる物語。清顕のあまりの精神的未熟さに後半まで嫌悪感しか抱けなかったが、激情に突き動かされる終盤の姿には鬼気迫るものがあった。けれど誰より印象的なのは本多。清顕にこれほど無私の友情を示しながら、破滅に向かう彼に抗わずただ見つめ続けることを選ぶ。友情というよりも、運命か自然か遥かな存在の意志か、何かしら人智を超えたものを清顕を通して見ているかのようだった。年齢差の開いていく二人の関係性はどうなっていくのだろうか。
ぶぶ

それにしても作者は、外面の美しさと内面の醜さや愚鈍さの描写の落差が凄まじい。蓼科と伯爵の過去と現在の繋がりのくだりは、おお〜って感じだったな。ここはちょっと川端康成みたいだった。

05/04 11:10
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マサトク
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そういえば「美少年は何も考えていない」というのが橋本治の提示したテーゼ(世界とコンフリクトしないゆえに?)ではあったと思うのだけど、それを体現しているかのような作品でもある。清顕の内実はいかにも軽佻浮薄で、かれの世界理解はことごとく「分かったつもり」でしかない。…と、この時点では思えてしまうが、はてさて。三島の美文調は読みやすくもあり、読みにくくもありだが、パロールの人なのかなとも思う。(数作しか読んでいないから単に印象論だけれど)とまれ、続きを読む。
dokusyozuki

聡子がそんな清顕が愛おしかったのでしょう。

07/30 08:25
0255文字
たぬ
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☆3.5 起承転結の「起」が長いんだわ。なじみのない言葉が頻出しているから適当に読めば途端に意味不明になってしまうし… 清顕にも聡子にも素直になれよと声を大にして言いたい。見栄張ってるからさあ。もう引き返せない状態にさあ。でもひょっとしたら。この二人はもう二度と会えないのかな。駆け落ち…なんてことには? そして最終行の衝撃。ああ。あああああ。死んだよ。たったの20歳で死んでしまったよ。
0255文字
かつ
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初めて読んだのは大学生の頃。 その時には正直言って、そこまで面白いと感じなかったが、今回改めて読み直してみると、とても面白く読めた。 当時は、主人公である清顕の身勝手さに嫌悪感があったが、今では、むしろ清顕は周りに振り回されており、若さゆえにそこに抵抗することができなかった人物じゃなかったんじゃないか、と思えた。 三島由紀夫の文章力に圧倒されると同時に、物語も面白く読むことができ、むしろ三島由紀夫の作品の中で一番凄いんじゃないか、とまで思うことができた。
かつ

映画化されてるんですね! 小説が面白かったんで、映画も見てみようかな…… 魅乃呼さん、ありがとうございます!

03/31 22:59
魅乃乎minoco19860125

結構感動したのを覚えてますよ☺️おすすめ✨✨✨✨

04/01 08:17
3件のコメントを全て見る
0255文字
こうすけ
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長らく読まなきゃと思いつつ放ってきた本作。平野啓一郎の三島評を聞いて読みたくなり、購入。読みはじめは眠くて失神しかけたけど、話が進むにつれてどんどん面白くなっていった。第一部は許されざる恋物語。いくらなんでも皇族の婚約者はタブーだ。清顕の祖母や門跡のキャラクターがよい。第二部はどんな物語になるのだろうか。
0255文字
merci
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☆☆☆☆聡子の純愛と清顕(男の)の幼稚さ(あえて)を美しい物語に仕立て上げる三島由紀夫。当時の時代背景や華族の考えがわかる時代小説でもある。
0255文字
moonsant
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ネタバレ大正元年、侯爵の御子息と伯爵の御令嬢の悲恋。お互いのプライド、特に清顕の未熟さが気持ちの行き違いを生み悲しい結末へと向かう。父に気持ちを確認されても「関係ない」と突っぱねた。これがそもそもの原因。記憶に新しい四巻の終局からどうしても解せない聡子の記憶、どうやって出家する原因である清顕を自分の中から消せるのだろう。仏に誓いを立てれば忘れるのか、努力なのか、本当は覚えていた?学生時代の本多は模範生で友人思いだ。月修寺の門跡を友人のために説得しようとする場面と、儚いタイトルが心に響く。
0255文字
yukikaze
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いや〜魔術的。 美しく儚くそれでいてどうしようもなく救えぬ残酷無惨な恋の物語。 やっぱり三島読みはやめられまへんな。
0255文字
ぼすちゃん
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ネタバレ松枝清顕と綾倉聡子の恋物語。若いからこそ許せなかった相手の嘘。許されない関係になったからこそ燃え上がって、破滅へ向かっていく。 文章が美しかった。読むなら高校生くらいからかなと思いました。
0255文字
トクナガ
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ネタバレ禁断の恋を描くという作品。若干くどいと思うような描写もあったけど文章が上手く感心させられる表現が多い。禁断の恋が終わってからの話が結構多く、意外な構成という感じだった。ちょっと違うかもしれないけど目の前に無く失ってしまったものに対して美を見出すという点で言うと金閣寺に通じる面もあると思う。
0255文字
風早れる
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源氏物語を中心とした古典が下敷きにある作品。しかし、本質としては政治的な柵よりも宗教等、人間の本質的な部分を重視(=聡子の月照寺での禁忌)しているのを見ると、晩年の三島を理解するには豊饒の海が一番良いテクストなのだと思う。
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yumi..✽
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三島由紀夫はまだ4冊くらいしか読んだことがないんだけど、未読なのに読まないでいたのは、三島由紀夫の何かが故なのだろう。あまりに強靭で透明で美しく脆いことに驚いた。それを同居させることを完璧に表現できることに驚いた。私は日本語以外わからない。けど、三島の文学には日本語で日本人が故に感動したり嫌悪したりする何かがあるのだろう。激動の時代の変遷の中にいた三島由紀夫が、この本を通して何が言いたいのか、次に繋げて読みたい。
ルカ

この感想を読むと、自宅に本があるのでとても読みたくなります。実は平野啓一郎さんの「三島由紀夫論」を買ってあるので、そこに紹介されている本を順番に読みたくて、まだ読めていません。でも、そのうち絶対に読みます!

09/16 20:49
yumi..✽

ルカさん、私もこの本を読んで平野啓一郎さんの「三島由紀夫論」を読みたくなりました。まだ、第一巻なので読み終えてからになりそうですが、一気に読みたい気持ちとじっくり読みたい気持ちのせめぎ合いです。

09/17 05:08
0255文字
log
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三島由紀夫の大河小説に挑戦。比喩をふんだんに用いた絢爛豪華な文章はさることながら、その物語の構造の美しさが目を惹く。雪、死の弔い、転生といった物語の根幹に近いモチーフをシーンの随所に散りばめながら、約束された結末にじりじりと近づいていく。三島の手玉に乗せられてやきもきしながらページを読み進めた。第二巻へ
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