形式:Kindle版
出版社:早川書房
どんな悪党でも30年経てばこっちが手を下すまでもなく、時が裁きを下してる。というのは良い感じに世知辛さと罰当たり感があってわりと好き。 地の文で語られる猫への執着、未来の描写やそれ適応していくダンの生き様なんかが気合い入ってた一方でタイムトラベル周りの諸々はそりゃもう雑で早回しだったので、後書きでも似たようなこと書いてあったけどマジでタイムトラベルに興味ないんだなこの人って思った(こなみかん)
1970年にしれっと冷凍睡眠やらお掃除ロボットやらが実用化されてる前提で書かれてるのが地味に好きではあったりする。当時読むとこの時点でも未来SFだったんだろうけど、今読むとレトロフューチャーっつーか別次元SF的な味わいがあるから不思議なもんだ
https://chirakattahondana.com/夏への扉/
(誰がなんといおうと、世界は日に日に良くなりつつあるのだ。人間精神が、その環境に順応して徐々に環境に働きかけ、両手で、機械で、勘で、科学と技術で、新しい、よりよい世界を築いてゆくのだ 391頁) 「夏への扉」というのは、やっぱり(明るい未来)のことのようで、作者は、人間の未来について楽観的だったんだなあと思った。
(ぼくは、リッキーにキスはしなかった。身体に手をふれもしなかった。ぼくは、子供を、やたらといじりたがるほうではなかったし、リッキーも、触れられるのが決して好きな子供ではなかった。ぼくらの友情は、リッキーが六つのときから、こうしたおたがいの個性と尊厳とを認め合うデリカシーの上に培われていたのである 358頁)
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