形式:単行本
出版社:新日本出版社
樋口一葉について語る考察は身につまされるものがあった。 もし一葉が貧しい家庭の女でなく、中流家庭以上の娘だったらもっと生き永らえられたと思ったからだ。 三宅花圃たち女が集まるグループに一葉も参加していた。そこである日、金銭が無くなる事故があったらしい。 一番に疑われたのが一葉だったのは、他が中流家庭以上の娘たちだったからだ。 泣く一葉に花圃は「覚えがないなら泣かなくともよい」と言ったそうだ。花圃の心遣いかもしれないが、貧しさを知らぬ女の言葉でもある。
百合子はブルジョアの娘だが、貧苦に対しては同情以外のものを持っていたと思う。理解していたかは疑問だが、理解しようとはしていたと思いたい。 その他、漱石の『草枕』、平塚らいてう等の『青鞜』、田村俊子、...注目される言及がある。 それについては、別の箇所で語ることになるだろう。
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樋口一葉について語る考察は身につまされるものがあった。 もし一葉が貧しい家庭の女でなく、中流家庭以上の娘だったらもっと生き永らえられたと思ったからだ。 三宅花圃たち女が集まるグループに一葉も参加していた。そこである日、金銭が無くなる事故があったらしい。 一番に疑われたのが一葉だったのは、他が中流家庭以上の娘たちだったからだ。 泣く一葉に花圃は「覚えがないなら泣かなくともよい」と言ったそうだ。花圃の心遣いかもしれないが、貧しさを知らぬ女の言葉でもある。
百合子はブルジョアの娘だが、貧苦に対しては同情以外のものを持っていたと思う。理解していたかは疑問だが、理解しようとはしていたと思いたい。 その他、漱石の『草枕』、平塚らいてう等の『青鞜』、田村俊子、...注目される言及がある。 それについては、別の箇所で語ることになるだろう。