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ゼーノの意識 ((上)) (岩波文庫 赤 N 706-1)

感想・レビュー
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まけどにあなっつ
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とくに魅力的なところもなく、どちらかというと感じの悪い、自己中心的で、他人の感情を読めない、嫌味な男が、自分の人生を手加減なく徹底的に腑分けし尽くしていく全行程。読んでいて楽しい小説では、まったくない。下巻へ続く。
0255文字
takeakisky
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ブルックリン・フォリーズでネイサンが読んでいたので。正直で赤裸々。だが。どこまで本気でどこから冗談だか判然としない。大真面目なのか馬鹿にされているのか。拗らせじじいの回想録。無駄に面白い。とにかく本気を出したらすごいけれど、本気を出す状況が来ない。無気力、仕方ない。うーん。清々しいほどだめなやつ。オブローモフより都会的でカフカほどはずれていない。ちまちました屈託しかないゼーノ。
0255文字
もも
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勝手にアーダを未来の妻と決めこみ、すげなくされると不貞をはたらかれたかのように傷つく。あなたは狂人よと耳元で囁く幼いアンナが小気味いい。自分は愛人を持つのに妻の浮気には怯える、これは古今東西変わらない男性特有の心理のようだ。女性は恋人ができたら夫の恋愛には無関心になりがち。
0255文字
ぽぽる
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ネタバレという概念にとらわれる人には向かない作品だと思う。というか、こういった作品にはそもそも何をもってネタバレというのかが不明瞭なところがある。何がどうしてどうなった、という所に(作者にとっても)力点が置かれているとは言えず、どちらかといえばストーリーよりもディテールを味わう類いの作品だからである。なので、忘れた頃に下巻を読む事にすると思う。
0255文字
Mill
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ネタバレ主人公が終始めんどくさい。さらに陰湿な感じがして、好きじゃない。 タバコやめんのかいやめへんのかい問題、好きな女にフラれたから妹にプロポーズして、その後その姉にプロポーズして結婚する節操のなさ、そしてそこに付いてくるセコい思想。さらに愛人作っちゃう問題。歴代一番嫌いな主人公かもしれない。 これが意図的に作者が作り上げたなら、確かに凄い。
0255文字
てだ
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ネタバレアーダに悶々と恋してるあたりの、周囲の空気が読めないがために訳もわからないまま空回りし続けて劣等感だけが積もる陰キャマインドが共感性羞恥の連続すぎてなんでこんな本を読まなきゃいけないんだ?って気持ちになった。 明らかにグイードと付き合ってるアーダに対して(今のは自分といて嬉しいという笑顔だよな?)ってなってるとことか、グイードを下げようとして適当なことをしゃべってアーダを激怒させるところとか。 あとなんでろくに働いてないのに庭付きの家に暮らせてて愛人も作ってるんだ?羨ましさよりもムカつきが募るわ〜
0255文字
まさかず
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正しく強い人物への強い憧れ、見えかくれする劣等感。「自分は偉大な人物だがその偉大さは内に秘められたまま開花していないのだと信じることは安易な生き方である」と語る。等身大の我が身、己の心の弱さを自覚した上での成長への道を歩む者の言葉に聞こえる。けれどゼーノは一貫して自分の弱さを都合よく他者のせいにする。内省はするが結論はいつも自分に都合のいい解釈。これが回想録でどこまで本心か、よくわからないまま読み進む。ただ隠すことのない利己に我が身にも思い当たる苦味を味わいながら。
0255文字
Э0!P!
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自己の内面をこと細かに綴った自伝風小説。健康に対する懸念とそれをコントロールできない自分。軽口叩いて上手くやろうとするが、意図しない結果にかっとして余計に事態が悪化していく。本人は善良なつもりであり、あくまでも状況がよくなかったというのがメインのスタンスである。でもそれが人間の普通だ。
Э0!P!

ジュゼッペのタバコ・盗み・禁煙宣言の日付・本気出せない理由・痩せた大男・決意をしないで辞める・オリーヴィとの賭け・療養所・妻と美しい医師の不義を疑う・見張り女ジョヴァンナ 死に際の父の遺言・医者嫌い・キリスト教の起源・経験の大きさ・意識を回復させるべきか? 義父・4つのA・イギリスの書店の猫、ほら話と思われる、アーダに避けられる・アンナの耳打ち・手にキス・マルフェンティ夫人の誤解・道路で気が付く真理・取引は伸ばす方が良い・真面目になろう+嫉妬・夜間徘徊+リウマチのトゥッリオ、グイード・シュパイエルの登場

03/22 20:47
Э0!P!

ターンテーブル・死後のベルティーニ、54の動力、何故姿を見せないの?・ヴァイオリン巧者・間違えてアウグスタに・いたずらバレる・レモンが目に入った・あえて転落者の不幸を願う・ロジーナ若返った?・アーダとアルベルタに振られる・傘が刺さった男の絵、突き落とすvs月が綺麗だったから・痛いふりで屈服させる、監視生活・婚約はダメだが結婚ならいい コプラーと死を恐れる日々、カルラの歌、公園までなら、最初の愛人、金を受け取らせる

03/23 06:36
0255文字
Vincent
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100年前のイタリアの半自伝風の長編小説。語り手である主人公ゼーノの身勝手でいい加減で嘘つきでうぬぼれ屋の気質に相当閉口幻滅しましたがストーリー自体は悪くない。第5章の結婚をめぐる話なんて抱腹絶倒の上々の出来。短所欠点だらけのゼーノですがここまで体裁を気にせず心情を吐露してくると純粋に正直者として評価できるか。下巻へ。
0255文字
中海
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自伝風であり、舞台は作者の産まれたトリエステ(イタリアだが、オーストリアだった歴史がある)なので、つい本人と錯覚して読んでしまう。精神科医に何か書いてみればあ、と薦められて書いたようで。つらつらとした日常で、頼りない、子供っぽい(と印象を受けた)男性のひとりがたりで、淡々と三人の女性に結婚を断られたり、ふわーん、としている。後書きに本人は国籍はオーストリアで、結婚した家族はイタリア系で、なんか、定まらない自分の居場所を敢えて必死には捜していない、ふわーん、ほにょーんとした感じだった。
0255文字
やいっち
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身勝手で我が侭な、生活には終われていない男の回想。少なくとも、上巻の250頁ほどまでは、やや退屈だった。直前にモーリアの傑作を読んだから、どうしても比較してしまう。さすがに上巻の終わり頃になって、男の身勝手が他人(妻や愛人など身内)を巻き込んできて、読み手としては息苦しくなり、作品の力なのか描かれる状況の切迫感なのか分からなくなった。
やいっち

ズヴェーヴォは、ある時期、英語の力を養おうと、英語教師のジョイスに個人授業を依頼。あのジョイスである。ここに二人の作家の交流が始まる。ジョイスは、ズヴェーヴォの本作を高く評価していたとか。  本書の訳者あとがきによると、ジョイス『ユリシーズ』の主人公のレオポルド・ブルームは、ズヴェーヴォがモデルのひとりと言われているとか。 それはともかく、少しは面白くなりそう。早速、下巻へ。

09/03 00:16
0255文字
lico
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回想録という形で語られる話はどこかうさん臭く、信頼できない語り手にうつる。どこまでが彼の本来の思いだったのか。性悪な性格こそ夜の果てへの旅のバルダミュのようでありながらその人生に対するぼんやとした不安ともいうべき無気力さと受動性がセリーヌとは違う形で1920年代を映し立ちているように感じた。アーダが手に入らないためにアウグスタを選ぶというのも最低な話なのだが、禁煙や父との会話などから感じたのはアーダが手に入らないこそ彼女を愛したのではないかと想像でき、主人公の性格の面倒くささを垣間見た気がした。
0255文字
淳水堂
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https://booklog.jp/users/junsuido/archives/1/4003770099#comment <私の幼年期を振り返るだって?あれから五十年以上の歳月が流れ、老眼になった私の眼に宿る光が、幾多の障害に妨げられることがなければ、遠いその時代まで見通すことができるかもしれない。高く険しい山のように立ちはだかるのは、私が過ごしてきた年月と時間だ。P10>
淳水堂

なお、この本の紹介として『「意識の流れ」を精緻に描き出した』とあるんだが、頭に流れる言葉をそのまま連ねたという小説ではなく、ちゃんと読者に語っているような手法で、それなら小説の手法の「意識の流れ」って何なんだろう?と思いながら読んだ。

04/29 12:12
淳水堂

父との不和、結婚相手選び、禁煙失敗、やってることはかなり下衆っぽいのだが、淡々として嫉妬や裏切りや二枚舌を語るその口調が正直過ぎて、むしろ正直なだけ良いのかとすら思ってしまう。(;´∀`) ということで下巻に続く。

04/29 12:13
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0255文字
ぞしま
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結婚のいきさつが下衆すぎて、腹が立つ人も多くいるのだろうと想像する、しかしこの吐露はあくまで回想であることも忘れてはならない。ふんだんな感情(自意識?)に満ち、推理小説的でもある、端々で笑い、引いたりしながら読んだ。そしてこの顛末をカルラに話してくだりは、もはやなんと言ってよいか分からない。 父との最期は妙にリアルで、笑えなかった。禁煙は特に何も。 文章(訳文?)が端正でその分抑制的というか、諧謔さやふざけ(?)が伝わらないような気がしなくもないのだが、どうなのだろう…。自費出版とは思わなんだ。
0255文字
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