形式:文庫
出版社:筑摩書房
形式:Kindle版
初読以来「進化」という言葉遣いに神経質になっていた。再読始めたらさらに「横浜進化」というスローガンに目を覆ったり、テレビドラマの台詞に「あなたは進化しています」とあって、やれやれ、だったり。
『人がその住んでいる社会の権力者によって正統と認められている価値体系を代表する言葉を、特に自分の社会的・政治的立場をまもるために、自分の上にかぶせたり、自分のする仕事の上にかぶせたりする』
全体、偶然性とそれを取り巻く説明と理解の断絶の議論が強く印象に残る。先日少し勉強したリチャードローティ―と、古生物学者スティーブンジェイグールドは似てるなと思った。前者は「理解」の領域で偶然性の論点をぶち上げた。後者はよりアレルギーが予想される「説明」の領域でそれをやった。どちらも主流からボコられたという感覚。理不尽さは今読んでるダンバーの、宗教の起源にも繋がる。差異や生成変化といった現代思想にも。偶然性と理不尽さへの向き合いは、今後も人生のテーマになりそうだなと改めて思った
雑感追記。個人的には、金融マーケットにずっと触れていたから偶然性、というワードがより魅力的に映るのかもしれない。何百億稼いだって人の言う事は全て正しいのか?というとそうではない。そこには生存者バイアスや、勝った理由で破産するかもしれない、という後付けの論理が潜みうる。進化論にもあるトートロジー的なものが存在する。何十年も投資をしていると、偶然性に必然を無理に見たらいつでも死ぬ、という根本的恐怖が下地にあるかもしれない。一方で全てが偶然だとすると何をやっているんだ?という話になる。その感覚が本書と近い
それから(C)の多用が、何か鼻についた。「増強版」巻末の養老先生のお言葉が一番まとまっていて、全体の内容を理解できました(笑)。
哲学書って言われるとそのような心構えで読まなかったので挫折したんでしょう😅
ガラスの文鎮さん、コメントありがとうございます。挫折したのは文鎮さんのせいではありません。題名が悪いと思います。誰もが生物学の専門書かと思いますよ( ;∀;)。せめて副題でもつけて内容がわかるようにするべきだと思います😅
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