形式:新書
出版社:新潮社
形式:Kindle版
旧軍の発想から言えば”何を腰抜け”ということになるのだろうが、人の命が懸る作戦についてのナイーブな考えは全く「正しい」と思う。軍の使命は戦わずして平和を維持するにある。この点で言えば戦後日本は、とにもかくにも75年余にわたり平和を保ったのであるから大いに評価しても良いと思う。
①仮想敵どころか、外交上“脅威”とも表現できない隣国の存在。しかし彼らの共通する戦略環境分析では、台湾有事は「静かに考えておかなければなりません」。 ②で、まずはどんな有事にも「絶対に米軍が来る」といえる日米同盟にせねばだし、防衛出動時に国民の協力が得られるよう備えるべきだし(現行の自衛隊法では非協力への罰則規定が殆どない)…という事だが… ③19年9月NYタイムズに拠れば「(米国防総省実施、対中の)台湾海峡の最近18回の図上演習でアメリカは18回負けた」。人海戦術の人民解放軍なんて遠い昔の話なのか。。
④経済規模ではロシアは日本の4分の1しかない、ほぼ韓国の規模…という事で確認してみると…1人当たりGDPなんてスペインの半分もない。それでも存在感があるのは、核と資源、技術力か(理系人材輩出数は米国を凌ぐ)…。 という事で…例の学術会議の問題はなるほどそういう事なんだ…と今更理解したのだが、日本の学術界は4兆円も血税を研究に活用しつつも、「軍事的安全保障研究」すら拒否、ってのはよくわからん(「戦争を目的とする科学研究を行わない」というのはまだ判る)。そういう大切な問題提起と示唆のあるご本でした。
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