かつて、深夜のイケない遊びなんて縁遠そうな荻野目洋子が、「ダンシング・ヒーロー」「フラミンゴ in パラダイス」「Dance Beatは夜明けまで」「六本木純情派」「湾岸太陽族」「さよならの果実たち」といった楽曲を綺麗に歌いこなしていました。そんな“荻野目ちゃん”の姿を彷彿とさせる導入部分では、描かれる情景がしっかりイメージできて感触も良かったのですが、途中からはラブコメのノルマと淡々とこなしている印象で、数ある競合の中でこの作品を取り立てて読ませたい!という圧を感じさせるには至らなかったように思います。