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宗教と過激思想-現代の信仰と社会に何が起きているか (中公新書 2642)

感想・レビュー
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futhork
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いわゆる一新教の過激主義を扱うに止まらず、ヒンドゥー教の焼身自殺や、仏教、神道系の過激主義にも目配りしている。山村暮鳥の『鉄の靴』(キリスト教の牧師である著者が「おとぎ話」によって社会主義ユートピアを物語る)や、安藤昌益の『自然真営道』(純粋な自然農法の前進のような思想)もカバーしていて面白かった。参考文献表をもとに、もう少し学んでみようか
0255文字
Melody_Nelson
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イスラム教やキリスト教の過激主義者は話題になるが、仏教やユダヤ教、ヒンドゥー教などの過激派もさほど詳しくなかったので、勉強になった(そもそもマルコムXなど名前しか知らなかったし)。 改めて考えると、教祖の言葉や経典の解釈から極論が出て、その解釈をした信者?が、そのセクトで崇められる存在になっていく。そもそも、これって…。中には社会的な「公正」を訴えるセクトが出るも、それが「彼らの中で正当化された暴力」によるものとなると大問題。己の信じるもののために排他的になる傾向が続く(ハマスのみならずシオニストも)。
0255文字
yo
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【過激思想の過激たる所以】過激ってのは、暴力を伴うから周りからそうレッテルを貼られるってことでしょ。と思っていた。しかし本書では、洋の東西を問わずあらゆる“過激とされている”宗教を比較検討し、暴力という行為ではなく思想の中にある過激性の分析を試みている。終章で帰納的に過激性の特徴をまとめていくところがかなり美しかった。結果的に暴力も必須ではなかったし、それも納得。強いて言うなら、とりあげた事例はできます過激思想である前提で論じてるので、厳密には「みんなが思う過激ってのはこういうことね」という論になるかな。
yo

できますってなんだろうね。

07/02 16:09
0255文字
ミヤ
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過激思想と一口に言ってもテロリズムだとかイメージが先行してしまっているその実態を正しく把握する為の本。 過激思想を有する人々のモチベーションにおいては(彼らにとっての)公正さ、またその公正さは現今のやり方ではもたらされないものと考え、自身の宗教にはそれを糺し、目的とするものをもたらすことができるという信条がある。目的の為に手段は問わないとは一概に言えるものではなくそこには教義による行為の下支え、揺るぎないアイデンティティがある。 その為に他者の命が奪われるべきではないが、これらの思想の純粋さを読み取れる。
0255文字
Tomoichi
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今年一番に面白かった一冊。分析も細心の注意を払いながらまた日本人的な「だから宗教は」にならないようにその思想性に迫っていく手法も好感を持てた。やっぱり中庸って大事て事。
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本とフルート
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混同されがちな宗教における異端と過激派の違いがはっきり説明されていて、すとんと腑に落ちた。悪魔崇拝が近代以前は他人を陥れるための口実に過ぎず、ロマン主義の台頭に伴って実際に崇められるようになったというのも大変興味深い。どれも分かりやすく解説されていて、より深く知りたくなった。
0255文字
R
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過激派が生まれるかどうかは、宗教の違いではなく、ナショナリズムと結びついた不満が解消されえるかどうかである。過激な行動にでる理由や、行動を正当化するために教義が用いられる。
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樹燐
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読みやすく、様々な宗教を取り上げていたので、知識が深まった。
0255文字
あじぽん
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神の教えに従って人間が作った社会を糺す。人類愛から弱者を救う。マイノリティが差別される同胞を解放する。マジョリティが純粋を目指してマイノリティを排除する。過激な宗教思想には様々なパターンがあり、世界宗教からも民族宗教からも派生して、一概にこれが過激だと線引きするのが難しい。ただ共通しているのは彼らにとっての世直し運動であること。一般社会からは身勝手な主張に見えても一面の正義があるから特定の人を惹きつける。ナショナリズムと結びつきやすいのが厄介。宗教右派が政権に近づく弊害は形は変われど世界共通だなと感じた。
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まると
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一神教・多神教の隔てなく、過激な宗教的事件を検証し、共通項を論じています。公正な社会を求める純粋で生真面目な人が教義に理想を見いだし、過激な行為に及ぶ(及ぼうとした)ということなのでしょう。理想社会の実現のため暴力も辞さない点では、革命思想にも通じています。最初のクトゥプとマルコムXの対比、カリフ制再興思想を論じた章が整理されていて勉強になりました。翻って日本では、自暴自棄になった人による私的な事件が目立ち、義憤に駆られた社会的事件は影を潜めています。良くも悪くも社会変革の力の衰えを感じずにいられません。
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kenitirokikuti
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図書館にて。「第5章 過激派と異端はどう違うか」 〈近代以前には「異端」として見られていたものが、近代以降は「過激」に変わった宗教の事例として、悪魔崇拝(サタニズム)を取り上げる。〉(はじめに)。R.ファン•ルイク『ルシファーの子どもたち』(Luijk,2016)はアメリカ宗教学会の学会賞を受賞。悪魔崇拝なるものは近代以前には不存在であったことを資料から丹念に証明した。20世紀初頭でも黒魔法趣味どまり。20c後半でも、白人のブラックメタルとかそんなの。
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CCC
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最初に著者が提示したなにが過激思想であるかという問いに対しては、どのような手段を取っているかが境目だと自分は考えたが、本書は思想の先鋭化度合いを基準に考察していた。基本的に個別的事例の話だった。ただ文化的にはカバー範囲がイスラムからヒンドゥーまでと、視野の広さがあった。個人的にはマルコムXの初期と後期の論調の違いの部分や、ヒンドゥーナショナリズムやカハネ主義と日本のナショナリズムの共通点の話が興味深かった。ふわっとした陰謀論についての話も腑に落ちるところがある。
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YASU
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過激といわれる様々な宗教諸派を歴史実証的に論じている.一般的なイメージとしてはイスラム原理主義やオウム真理教などしか思い浮かばなかったが,キリスト教にも仏教にも「過激」はあるのだと改めて知った.共通するのは社会的公正を求める姿勢であり,手っ取り早くすっきりさせようという行動に向かうと過激化するのだといえよう.多数派が社会矛盾を“放っておく“ことで,一部の”純粋な”宗教を過激化させるのだともいえるだろう.
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Rin
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宗教の過激思想の発生、成り立ちを各種宗教の実際の過激思想を例に見ながら共通項を探っていく本書。どの過激思想の主張も彼らなりの正義、世直しから出発しているという考えは面白い。確かに経典への原理主義的解釈、主流から外れた解釈などで他が許せなくなった結果、過激化するというイメージなのですんなり理解できた。また、各宗教に過激派が生じえるのは理解していたが実例でより理解が深まった。最後に日本人について論じている箇所があったが無宗教の日本人、普通の日本人という信仰から生まれる過激性への見解が興味深かった。
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☥しゅうさく@低浮上ぎみです(-_-)zzz
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★★★★☆ 宗教の教本は4~5冊読んできたが、これは面白い!歴史をベースに宗教が政治や国際問題にどのように関わってきたのかに触れている。宗教というより歴史の教本といった方が正しいかもしれない。著者の意見もあり、その着眼点は読んでて非常に面白かった。 ただ、本書は宗教や政治に対しある程度の教養がある人に向けて書かれているような印象が残る。宗教が歴史にどのような影響を与えてきたか。他の本で基礎知識を学んだうえでもっと知りたいという人には、かなりの良書になると思う。
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Don2
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イスラム系過激思想(クトゥブ、マルコムX)、キリスト教系(ブラウン、プロ・ライフ)、仏教系(井上日召、チベット仏僧)等を事例として取り上げ、宗教における過激思想のモチベーションは①公平さの実現を求める②切迫性がある③近代的・世俗的方法で①が実現できないと認識している④自分の宗教は①を実現するのに適した手法と信じている、という4つに整理できる事を示す。前からこれらの"過激派"の思考回路・理論武装状況を知りたい・知らねばアンフェアであるという意識があったため、すっきり整理できて嬉しい。冷静な筆致の良書。
Don2

"現代オカルトの根源"という本に、"資本主義の序列を這い上がることは非常に難しいので、"霊性の進化"という全く異なる序列のモノサシを提供する事がオカルト信仰の原動力になっているのでは"という記述がある。また、"推しエコノミー"には、"ソシャゲは全く仕事の役に立たないからこそ、エンタメとして没頭する価値がある"といった記述があった。本書の"過激思想"も含め、自分がある種の社会構造の中でがんじがらめになっているという状況認識が、人間の(仕事ではなく)プライベート領域での思考や活動のバネとして機能しているようだ

01/09 00:43
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in medio tutissimus ibis.
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過激思想とは、社会問題を構成する二律背反の一方を理想として徹底するものである。その一方的な公正さと、それに伴う切迫性が、世俗的解決を拒むとき、しばしばいかなる宗派にもない唯一の解決法としての宗教的過激思想が発生する。その顕れ方はいわゆる世界宗教や民族宗教を問わず、またインターナショナリズムもナショナリズムも表現しうる。云々。世俗性と宗教性の緊張の下で差別を目的として寛容が主張される、という倒錯についてはシャルリ・エブト事件に取材したエマニュエル・トッドの『シャルリとは誰か?』を参照せよ。
0255文字
6
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×民族主義、ナショナリズム ○ジョンブラウン
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Nobu A
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宗教における「過激」が意味するものを解明。歴史を紐解き、「異端」との差異を明確にし、「過激」への変遷や使用背景及び理由を簡明に考察。畢竟、混沌としたものだが、有名なマルコムXを始め、「一人一殺」の井上日召や悪魔崇拝等、過激思想と言われるものを概観。平和的なチベット仏教に焼身行為があるのには驚いた。また、「コスミック戦争」とは言い得て妙。一方で、例えば、「号泣」等、何でも大袈裟に表現する最近の言語使用も無関係ではないように思う。コロナ禍中、社会に不満を持ち、無差別に人に危害を加える事件も多発する世の中。
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ホシ
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イスラム教・キリスト教・仏教・ユダヤ教・ヒンドゥー教・神道、そして、悪魔崇拝に見られる過激思想に注目し、宗教における「過激」とは何かを考えます。著者曰く、近代以降の宗教的過激思想は「①社会的公正の追求②切迫性②世俗的・近代的手法では①を達成できないという認識④自宗教が①を達成できる最善の方法であるという確信」という共通的特徴を持ち、政治的過激思想と従来の異端思想の合体である、という主張です。完全に消化できた訳ではありませんが、宗教の過激性を整理できる良書です。論理が明快な良質の博論といった感じ。
ホシ

若干、宗教マニア(?)なところがあるので面白そうな本を見つけた時は読んでますね^^;あまり宗教関連の本を登録すると敬遠されたり気分を害されたりする方もいらっしゃるかなと実は気にしているのですが、宗教を理解することは現代において重要なんじゃないかなぁと思っています。読メ、良いですよね!私も気にっています!!

10/10 21:52
Nobu A

確かに、宗教にのめり込んでいるような人は怖い感じがしないでもない。でも、日本の多文化共生なんて、宗教を充分に理解せずに達成なんでできませんよ。そんな甘っちょろいもんではない。実は、私自身、無神論者と称していたんですが、先日読了の本で初詣に行く者が口にする名称でないとガツンと頭を叩かれた思いがしました。宗教は奥が深い。同時に興味深く、もっと学ぶ必要があると感じています。

10/10 23:28
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0255文字
ボダ
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過激思想という言葉を誰がつけて、それが定着するのかというのが、読みながら気になった。 というのも、イスラム教徒の暴力的な事件は、イスラム過激派の実行だが、キリスト教徒の暴力的な事件は、過激派とはあまり呼ばれたりしないようなことが書いてあったからだ。英語圏では、また状況が違うらしい。 そのへんの言葉の選択は、基本的にマスメディアの選択による気がしている。 本書では、過激思想といわれる人たちの考え方を丁寧に説明しており、それを読んでいると考え方は過激と言えるのか?と疑問に思わされる。
0255文字
yo_c1973111
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最終的にはいまいち煮え切らない感じが残る。過激な行為は凡そ宗教が源泉ではなく、コズミック戦争と言われるものに類するのではないだろうか?過激、過激派などのカテゴライズを行うのは常に(主に西側)大国であり、彼らの殺人数の方が圧倒的に多い。人を殺すビジネスのためには嘘でも大義が必要であり、その理由もあるのではないかなと思う。著書が繰り返すように、何が過激思想へと向かわせるのかを探ろうとするのが要諦であり、どちらか非/正義かを考えることは逸脱するけど。
0255文字
やまやま
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各宗教の系統に沿って事柄を整理して、過激な主張をする例を選び共通事項を抽出しています。例の選択の良し悪しが各評で散見されますが、著者は説得力のある例を選ばれているように私は感じました。というか、最後の四つのまとめ―過激思想の共通性ーをよく表現できる例を選んだのかな、と思います。帰納的に考えてきたことを演繹的に書いているようにも伺えます。いかにも手前勝手な自尊観ー自分の信ずる宗教の無謬性ーは改めての指摘も虚しいところですが、「公正」な社会と信ずる動機が宗教にあることがマルクスの指摘だったかもしれません。
樋口佳之

やまやま様、マルクスの指摘とは阿片のお話の事でしょうか

09/22 08:36
やまやま

はい、ヘーゲル法哲学批判序説ですね。個人的には、この書の宗教批判からは忘れがたい影響を受けている気がします。日本の学校マルクス史観の影響といわれればそうかもしれません。政治的な立場を超えて心を打つものがあると考えています。序文を貼っておきます。https://ja.wikisource.org/wiki/%E3%83%98%E3%83%BC%E3%82%B2%E3%83%AB%E6%B3%95%E5%93%B2%E5%AD%A6%E6%89%B9%E5%88%A4%E5%BA%8F%E8%AA%AC

09/22 08:46
0255文字
遊未
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「宗教と過激思想」というよりひとつの宗教の中の一派、あるいはその一派を率いた人間の思想かと。マルコムXがイスラムと初めて知りました。現在のチベットで中国の圧政に対して焼身自殺(抗議行動として)が広がっているということが一番ショック。このタイトルに含まれていることも理論的にはわかるけれど、すっきりしない感があります。
0255文字
うるの
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過激思想と聞くと理解できない危険な集団、というステレオタイプな見方しかしていませんでしたが、その主張を見ていくと、現状の社会に対すして変革を求めるまともな主張も多々あることがわかりました。また、信仰の方法は極端で危険なモノから暴力も正当化し対外的に危険な宗教まで本当に多様。宗教の世界は本当に奥が深いなぁ。まだまだ勉強が足りないです。
0255文字
樋口佳之
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ネタバレ①公正な社会を求め…幸福な社会を求めているのではなく、公正という点が鍵…不公平だ、自分たちは割に合わない境遇を強いられているという意識…「糺さなければならない」という義憤 ②切迫性③世俗的・近代的方法ではその社会的公正は達成できない④自分の宗教は公正さを実現する最善の方法/コスミック戦争…「政治的戦略」の現れというよりも、「公衆の面前で演じられるパフォーマンス」…計算してとられた手段というよりも、「絶望的な状況に置かれ、共通の意識にささえられている集団にたいして力を与えることを目的とした象徴的な表現行為
やまやま

こんにちは。評を拝見して読んでみました。私の感想は別に上げましたが、引用されている四つの整理はそれなりに納得しました。古代より宗教と政治はなかなか分離しがたく、むしろ宗教統治も多かったように見えますので、ご指摘のように個人よりむしろ教団を分析した方が実証的かなと思う面もあります。ご紹介いただき感謝いたします。

09/21 23:34
樋口佳之

やまやま様コメントありがとうございます。タイトルを失念していますが、ある信仰とともに生きる科学者の本だったと思うのですが、その中で著者は、聖職者や教団は神ならぬ人の行いにすぎず、時に誤りが起こる事はまた当然というお話があってなるほどと思ったのでした。それから宗教についての語りに触れる時はこのお話が思い出されるのでした。

09/22 00:19
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0255文字
九瀬樹
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ふむふむと読んでしまって、まとまらない。○○教過激派といったときに、なにが過激なのか?という問いからはじまる。遠くから眺めていると自分とは関係ないと思ってしまうけど(9月11日にこんなことを書いてる自分もどうかと思う…汗)、身近にも思想の過激さをもっている集団は存在する。この本では公正を求める考えからスタートしている事例が多かったけど、宗教をまとうと神というブラックボックスの存在が議論を妨げることになるのかなぁ。超越的な存在を持ち出してとやかくいうひとは危ないなぁなんて。それが政治家だったりしたら…
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ナン
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宗教の過激思想と社会的公正の問題を結び付けた結論は納得。事例の取り方が適切かとも思うが、大学の演習が元になった本なのでその辺はあまり問わなくてもよいかも。 また、自分の関心は宗教の教義そのものではなく、宗教が社会や政治等に影響を与える外部性の部分なのだということがわかった。例えば、血盟団事件への関心はあっても、井上日召の宗教上の体験や教説等はあまり知りたいとは思わない。宗教についての読書はそろそろ一区切り付けようかなと思う。
ナン

個人的に、マルコムXについての記述が引っかかっている。自分がマルコムXびいきだからそう感じるかもしれないが、彼が「武力革命路線」「世界規模の黒人による武力革命を肯定・待望」というのは違和感を感じてしまう。

09/11 12:17
0255文字
河村祐介
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なんというか近代化のなかで、ネイションと植民地主義もしくは資本主義に対するカウンターアクションがひとつ根っこになっていて、宗教もある種のイデオロギーがかぶるガワというか。
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Akiro OUED
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過激派の対極にいる穏健派。実は、そんなにオシトヤカじゃない。「おわりに」で、「思想内在的過激性」に無自覚なフツーの人が、安易に「外部反応への過激派」となる事例として、アメリカ議会占拠を提示する。空気を読んだり、忖度する人は、陰謀論に絡めとられ易いのかもね。記述の丁寧な好著。
0255文字
預かりマウス
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過激派列伝としては及第だが、「宗教と過激思想」を思想的に考察する為には余り参考にならない。少し個々の文章が不明瞭かつ、全体の論旨が散漫である気がしたのと、宗教過激派の代表例に、キリスト教過激派として詩人山村暮鳥や、神道過激派として安藤昌益が取り上げられているのは違和感を覚えた。また、第五章「過激派と異端はどう違うか」で、悪魔崇拝の歴史について20頁も割かれているが、個々の事例としては面白いのだけれども、今少し理論的な面で物足りない。あとがきを読むと、本書は大学での宗教学演習に基づいて書かれたそうだ。
預かりマウス

山村暮鳥や安藤昌益など、宗教過激派と言うにはかなり意外な人物が取り上げられているのも、実際に大学での講義で使われたテーマを使用しているからなのだろう。それはそれで、大学の講義としては面白いテーマであったと思う。しかし一般に一書にまとめて出版するにあたっては、もう少し工夫できなかったかなと思う。事例研究が中心になりすぎてしまっている。

08/22 11:52
0255文字
てっちゃん
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結局、宗教と政治は切ってもきれないものだと思った。政教分離といっても、所詮西洋合理主義の産物であり、その行き詰まりに過激派が活発化する余地が生まれのだから。
0255文字
trazom
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過激で暴力的なテーマだけれど、流石に、宗教学の教授による整理は冷静で学術的である。イスラム原理主義だけなく、トマス・アクィナスの正戦論、ジョン・ブラウンらによるキリスト教過激主義、仏教の日蓮主義、ユダヤ教のカハネ主義など、どの宗教も思想内在的な過激性を有している。宗教的過激派を表現する語は、radicalではなくextremeなのだと言う。宗教が内在する過激性と、外部反応としての宗教テロとを区別して考えるべきと教えられる。その意味で、決して熱くならない、本書のような知的アプローチが大切なんだと実感する。
やまやま

こんにちは。評を拝見して読んでみました。私の評は別に上げましたが、確かに、宗教は現在批判として、政治や生活のなかで不正義がまかりとおる世の中はけしからん、という視点は共通しているのかもしれません。ご紹介いただきありがとうございました。

09/21 23:38
trazom

一応のレビューは書きましたが、正直言えば、(色んな事例があることは勉強になったものの)私は、「この本が一体何を言いたかったのか」をちゃんと読み込めていません。そんな無責任なレビューが、他の人に影響を与えたのだとすると、全くもって汗顔の至りです。

09/22 02:05
0255文字
(ま)
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過激とされた宗教思想 社会・体制の現実に不満を抱き公平性を求めるものが暴力を容認するとき
0255文字
mak
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近現代の宗教的過激思想を、「思想内在的過激性」と「外部反応の過激性」に分け解きほぐす一冊。特に前者にこだわり人間や宗教にもとより秘められた過激性を冷静に論じる筆者の姿勢は、後者=暴力的に外部に出力される過激性ばかりをとらえ、排斥しようとする社会情勢への批判に裏打ちされている。 本筋とは直接関係ないが、黒人奴隷制の推進派、廃止派のいずれもが聖書から論拠を引用していた事実は興味深かった。
0255文字
Masa
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なかなか歯応えがありました。かつての異端は迫害される立場で被害者だったのが、現在の過激思想は異なる立場に攻撃を仕掛ける立場にある点がなるほど、と感じた。難しいな…
0255文字
田内千晴
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■読んだきっかけ:第5章「過激派と異端はどう違うか」に興味を持ったため。 ■印象的なこと:宗教的な理由を掲げている人の目指すゴールが様々なこと。実は民族的な要素が大きかったり。/「ヒンドゥー」をあらゆる宗教の上の次元に位置づける考え方は、感覚は分かる気が感じがしました。「宗教って要するに地域の文化の一側面じゃない?尊重はするけど相対的なものだよね?」みたいな。「そういうのって○○教の影響ですよ!」って言われるかもだけど。 ■思い出した本:『民衆暴力』『白人ナショナリズム』『ルポ トランプ王国』
田内千晴

金成隆一『ルポ トランプ王国』を読んで以来、「普通の私と違ってヤバそうな人たちがいる!」と思った時に、なぜ自分の方が「常識的」だと感じたのか、自分と相手の考えはどこから来ているのか興味を持つようになりました。アメリカの民主党と共和党の分断なんかを見ていると、「もしかして私も嫌悪感が出る時って帰属しているものが違うっていうのが大きな原因だったりするのかな?外から見たら意固地になってるだけに見えたりするのかな。」って思ったりしまして。

07/29 15:53
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ぷるぷる
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イスラム教を初めとする各宗教の過激な考えを持つ代表的な思想家を取り上げてその主張と背景を調べ上げた成果が綴られてます。イスラム主義の思想家として取り上げられるサイイド・クトゥブが興味深かったのですが、資本主義と共産主義の失敗から信仰中心の回帰したような彼の思想の時点で将来の過激化するとは想像しにくいところがあります。公平な社会を求める切迫性のある要求がありながら実現ができない状況と己の宗教への盲信とが過激思想には共通していると思うとまた違った世界が見れそうです。ヘヴィメタルが悪魔崇拝とは思わないけどね。
0255文字
y
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宗教自体は形や濃淡は違えど、どんな人も持っているものだと思っているのですが、使い方によってテロに結びつくのだなと思いました。 様々な過激思想が紹介されていて、世の中知らないことだらけだと改めて感じましたが、悪魔崇拝については目から鱗でした。
0255文字
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