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チャリティの帝国――もうひとつのイギリス近現代史 (岩波新書, 新赤版 1880)

感想・レビュー
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拡がる読書会@大阪
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イギリス社会を深く支えてきた「チャリティ(慈善活動)」という視点から、同国の近現代史を再考するものです。 慈善活動は単なる善意や奉仕として語られがちですが、本書ではそれを社会構造や政治、経済、さらには帝国主義や福祉国家と結びつけれているところが本書の面白いところです。 https://note.com/sharebookworld/n/n00582c88c5f4
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ほなみ
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今年のテーマ本3冊目 イギリスのチャリティの歴史を紐解きながら、チャリティが定着する要素と日本との差異は何かを考えながら読了 あくまで私感だが、やはりの騎士道精神なのかなと。武士は救貧だけでなく、宗教や絵画などへの寄付もしていないイメージだが、西洋の貴族は積極的に行なっている印象。 宗教をきっかけとした私的寄付が昔から定着していたことに加え、エリザベス救貧法による、公的扶助が生まれたことで、国全体として、救貧への意識が高いのかもしれない。 浅い感想しか出ない。他の本を読み、西洋と日本の差を考える。
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Penn
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イギリスのチャリティに最初に興味を持ったのは1981年公開の『エレファントマン』。当時、主人公を支援する女性(アン・バンクロフト)の行動が偽善だと批判され、素直に映画を観られなかったことにずっともやもやしたものを感じていたが、この書籍でイギリス社会におけるチャリティの変遷を知り、長年の疑問が晴れた。「チャリティは、欠点のあるふつうの人間が行う営為」であり、「ほどほどに個人主義的で集団主義的な人間にとってチャリティほど歴史に鍛えられた、チャリティよりましな柔軟で現実的な仕組みを、まだ私たちは知らない」
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中将(予備役)
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チャリティを軸にした英国史。古来からのチャリティに表れる3つの心理が繰り返し確認され分かりやすかった。19世紀のチャリティは娯楽性があったようだし、その後の救世軍には夢がある。戦争と福祉の国となった20世紀しばらく、福祉国家によりチャリティが衰退というのは興味深かったけれど、因果は合っているか、果たしてチャリティの心理まで失われるのかは少し疑問。英王室のチャリティとダイアナ妃のアピールするチャリティも参照して考えたい。
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takao
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ふむ
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Toska
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日本は弱者に冷たいと言われるが、他所の国ではどうなのか?という問題関心から。イギリスも「公助」に対する忌避感は相当なもので、ただそれをチャリティでカバーしている点が大きな違いであるようだ。かつて、捕虜奴隷の買い戻しまでもが国ではなくチャリティに委ねられていたのは驚き。分厚いミドルクラスの資力とプライド、古典古代やキリスト教にさかのぼる博愛の精神がこのような伝統を生んだ。チャリティ参加者の善意を疑う必要はないが、それが却って社会の矛盾を固定化する作用もあり、一筋縄ではいかない。
Toska

チャリティという賛否が分かれそうな主題に対し、素晴らしくバランスの取れた記述。ただ、全編を通して「イギリスのチャリティ」を追いかけてきたはずが、最後の最後でチャリティそのものの評価を問うようなまとめ方となってしまったのが遺憾ではある。いくらイギリスのチャリティに見どころがあろうとも、制度的に取り入れられるような性質のものではないと思うので。

12/08 11:12
Toska

「本書では、特別に説明の必要な人文社会科学の概念や理論をできるだけ用いないようにした。そのような概念と理論を参照していないわけでも否定しているわけでもない。むしろ、私の思考をいくつもの局面で導いてくれた。にもかかわらず、それらの使用を避けたのは、たいていの歴史事情はふつうの散文で表現できると信じているからである」(231頁)。その意気やよし。確かに読みやすいし分かりやすい。

12/08 11:15
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jackbdc
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ネタバレ斬新な視点に驚き更なる興味が湧き出るきっかけを付与してくれる。チャリティ(3つの要素≒人を助ける、助けられる、誰かが誰かを助ける)を英国史を通じて考察する内容。個人的にはチャリティに関心があり幾つかの一般書を手に取ってきた。例えば狩猟採集や村落共同体など古き良き”理想的”チャリティを回顧するような内容が多かったかも。それらと全く様相が異なる。現代へ連続する社会システム(宗教、帝国主義、資本主義、民主主義や福祉)における”現実的”チャリティを語る違和感が良い。戸惑いを覚えた部分もあったが目を覚まされた感じ。
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okaryo
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Audibleにて。チャリティから見る歴史、というのが自分の中で新鮮でタイトルに惹かれて読んでみた。かなり面白かった!サブタイトルにイギリス近現代史とあるものの、古代から近世までのチャリティにつながる精神の変遷から解説してくれる。イギリス近現代においてはチャリティを主軸に置きながら当時の社会構造や政治、国際情勢を見せてくれる。チャリティにおける3つの気持ちに基づいた各章の整理は、チャリティの精神の変遷を追うことができ理解を確認するのに役立ったし面白かった。また、イギリス史の面白さにも気づくことができた。
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ぽん
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「たいていの歴史事象は普通の散文で表現できる」という考え方になるほどと思う/投票チャリティの話や、チャリティの重複や受給詐欺のエピソードを聞くと、「善意」の裏側や社会福祉との違いが浮き彫りになってる気がする。現代についての叙述はちょっと弱い?/本書の話となんも関係ないけど、ふるさと納税が「寄付税制」になってる日本の現状にますます虫唾が走る。
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TATA
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好著、時間はかかったけど面白く読ませてもらいました。英国のチャリティに対する人々の強い関心をキーにして、宗教史、地政学史も交えての近現代を論じる試み。偉大なる大英帝国の血統を継ぐものとして他国の人権蹂躙にも踏み込む姿勢はなるほどここから来てたのかと膝を打つ。サッチャー以後福祉国家路線が退潮してチャリティの重要性が上がったとの記載から、それでは日本でもとも思うが、英国の場合は激しい階級社会と宗教観が背景にあったからこそなどと読み耽りながらいろんな考えが頭をよぎりますが、それも楽しい読書の時間でした。
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Aminadab
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岩波新書の新刊で私は週刊文春の書評で知った。とっくの昔に書かれてあるべき本なのに2021年まで書かれなかったというのは、本書にもあるように第二次大戦後から1970年代までの国家福祉全盛期はチャリティの冬の時代だったということなのか。とにかく英米の社会で民間チャリティ団体の果たす役割が大きいことはニュース報道でも小説でも日々実感させられていることなのに、その全貌を通史として短くまとめた本はこれまでになかった。イギリス限定でアメリカのことは書いてないがそれだけにまとまりがいい。小説読みならぜひ読むべし。
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sk
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福祉国家としてのイギリスの特徴であるチャリティの歴史。面白い。
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Ernest
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イギリスといえばチャリティであると言った人がいてから気になっていたこのテーマをまさに扱った新書が本屋に置いてあったのですぐ読んだ。同じ苦しむ人でも評判の悪い人は「公的救貧にでも救わせたらよい」といわれてしまうくらい、チャリティ事業が心強かったイギリス。選挙制度を取り入れて娯楽化していたりすることもあったらしいのでチャリティ=素敵!とはならないけれども、ライブエイドが仕組まれる国の在り方が少し理解できた気がした。
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むらさき
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おもしろかったです。 筆者の3つの観点に沿ってチャリティを中心にイギリスの歴史が展開される。 互助の精神が、しっかりとした善性によって行われていたわけではなくて、ある時代では偽善に見えるような、エンターテインメントの側面のあったことが驚きで面白かったです。 今の日本は公助に重きを置きすぎている気がします。 一人一人が偽善でもいいから互助を意識していけるとちょっとは世の中良くなりそうな気がしました。
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Inzaghico (Etsuko Oshita)
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日本では「困っているときはお互いさま」の精神だが、本書を読んで、イギリスのチャリティは「上から下」の意識が強い、と感じられた。日本の場合はチャリティより「助け合い」で、広い意味で横、horizontalな動きだが、イギリスのチャリティは縦、verticalな動きのように思う。日本では「自分がいつ『弱者』になるかもしれない」という意識が働いているが、イギリスはそういうのなしに「弱者」を救済する(自分が気持ちよくなるために)、ととらえるのは、穿ちすぎか。
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かんがく
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日本では馴染みのないチャリティ、その本場であるイギリスの近現代史。貴族に手紙を送る物乞い、売春婦を規制しようとするキリスト教徒、奴隷貿易の利益で孤児や老人を救った商人、救済対象を決める投票などチャリティの多面性がわかった。キリスト教、市民社会、植民地帝国、戦争と福祉といったイギリス史の重要な側面への理解を深めることもできて良かった。
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AR読書記録
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今ハマっている英国ドラマの背景(1950〜60年代の地域医療・福祉)を押さえておきたくて、まずはこれを読んでみた。教会が医療や福祉に大きな役割を果たしていることと、共同体内でのチャリティ・イベントがとても盛んなことが、ドラマ内では当然の描かれ方をしているのだけれど、日本にあっては実感としてあまり知らないことだなと思って。その意味のお勉強としてはまだ足りないのだけれど、考え込むことはいろいろあって、結局この一節を一番、心にとどめておきたい。「チャリティは、欠点のあるふつうの人間が行う営為である」。
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白いハエ
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寄付を受けるべき人間を投票で選ぶエンターテイメント「チャリティ」や、植民地の貧しい人々への”まっとうな”善意からの「チャリティ」等々、イギリス史を通してあらわれるグロテスクなチャリティのありようが描かれ、正義とは、善行とは、と考えさせられる内容もある…といっても、それは一側面に過ぎず、イギリス人の「チャリティ」意識(贈与によるリード感覚)を軸にした近現代史という触れ込みの文字通りの内容だったと思う。歪んだ善意感情に対する評価も注意深く避けている印象。歴史の裏側にて無音でなされた無数の慈善を想像する。
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aika
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「困っている人に何かしたい」といった3つの気持ちを軸にチャリティの面から展開する新鮮なイギリス史です。異教徒、浮浪者や物乞いは救済の対象としない選別。受給者を出資者が選挙する投票チャリティ制度。植民地支配のため、キリスト教布教の足掛かりとしてのチャリティの傲慢さなど、チャリティ=善、とは割り切れない実態の数々に驚きの連続でした。一方で、国家福祉から自助重視へと移り変わる政治に絶えず影響されながらも、様々な職業や階級の市民が連帯しながらより良い社会を築こうとするチャリティの可能性には明るさも感じました。
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石橋
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イギリス王室について読んでいたので、こちらも目に入った。通説的な歴史を新たな視座から読み直すのは楽しい。他の方が言われるように、チャリティの精神を知るとイギリスのドラマの背景理解がさらに深まって面白くなる。
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ノーマン・ノーバディ
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これは面白い。イギリス小説と照らし合わせても色々示唆的だし、日本の生活保護をめぐる議論とも重なるところがある。でもかといって思想を押し付けてくるようなトーンはなく、バランスのとれた専門用語を使わないわかりやすい散文で書かれている。
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かみしも
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日本人には馴染みが薄いであろう「チャリティ」という視点から世界帝国・イギリスの歴史を描く。確かに平易な用語では書かれているが、イギリスの歴史や地理をわかっていないとなかなか難しい内容だった。協同組合の誕生に言及する箇所があったがあまり詳細は語られず、ただ今後の展開としてここから掘り下げ労働者協同組合法とチャリティを結び付け論じるということはできるのではないかと思った。100年を経ていったんは福祉国家の充実により役割を終えたかに見えたチャリティが、近年プレゼンスを増しているという事実がなんとも苦い。
かみしも

武器商人や奴隷商人とされる人物が、片やチャリティに熱心だったという事例の小括が面白かった。 「完全無欠の聖人によってなされるような慈善こそ、歴史上、見つけるのが難しい。チャリティは、欠点のあるふつうの人間が行う営為である。」(176頁)

08/15 16:01
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aki
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イギリス(の歴史)を理解するためにはチャリティの問題は避けて通れない。なぜならば政府や国家だけが「公共」を担っていたのではなく、チャリティも「公共」を分有していたからだ。そのような問題意識から、本書は古典古代やキリスト教のチャリティにまで遡りイギリスのチャリティの基層を析出し、その時代のチャリティのあり方から時代毎のイギリス社会の特徴を描き出す。筆者の期待とは異なり、イギリスのような分厚いチャリティの伝統のない日本では新自由主義体制の下でチャリティが「公共」を担うのは厳しいのではないだろうか。
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西野西狸
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ネタバレチャリティがとても行われるイギリス、そのチャリティがどのように文化になっていったのか、キリスト教や公的扶助などの歴史から明らかにしていく。チャリティには有用な貧困者を救うためであったり、選挙によって救済する子供を決定する、奴隷貿易商が寄付するなど、現在の価値観とは合わない精神史が存在し、その指摘は興味深い。国家による扶助が十分に機能していない現在において、チャリティが構築された過程を見直すとともに、それでもチャリティに求めざるを得ない状況を抉り出しており面白かった。
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skunk_c
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とても興味深い視点からイギリスの近現代史を語っている。3つのチャリティの動機を定点観測のように用いながら、時代ごとの特徴を描き出そうとしていて、まずまず成功していると思った。イギリスという強固な階級社会において、しかもレッセフェールと対外膨張によって一時は世界の頂点に立った国において、所得の再分配が如何に行われてきたか、さらには奴隷貿易や侵略という負の行為に対する、無自覚な罪滅ぼしという指摘など、得るところは多かった。ただ、もう少しイギリスの階級をしっかり押さえた論調でも良かったようにも思うが。
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田内千晴
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調べ物をする時に自分でしなきゃいけない軸を持つという作業を本の中でしてくれているので楽チン(笑) メインはイギリスの話だけれども、導入部分のキリスト教以前のチャリティ観が面白かったです。万葉集を読む時にも思い出すのですが、「良いことをしてあげる」の感覚がキリスト教か仏教の時代や場合だと分かりやすい印象があって、逆に「分かった気になってるだけかも」と疑ったり。/エルキュール・ポアロ、シェイクスピア、漫画『片喰と黄金』とリンクしている部分は特に興味深く読みました。ポアロがベルギー人ってそういうことだったの!?
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Go Extreme
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日本から見たイギリスのチャリティ 世界史における他者救済―イギリスの個性を問い直す 文明と他者救済 自己愛から貧者への愛へ キリスト教と慈善 新興プロテスタント国に変容するイギリス 近現代チャリティの構造―歴史的に考えるための見取り図 イギリス近現代史のなかの変数と定数 自助のイデオロギー、互助の共同体 チャリティ 公的な制度 福祉の複合体の働き 自由主義社会の明暗―長い18世紀からヴィクトリア時代へ 慈悲深き帝国―帝国主義と国際主義 戦争と福祉のヤヌス―20世紀から現在へ グローバル化のなかのチャリティ
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Der Große
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「私は長期的な視点で歴史を書くときには、このような重畳を、言い換えれば、一色刷りの分かりやすい命題で済ますことのできない複雑さを、できるだけ平明な文章で読者に伝えることが、歴史学者を名乗る人間のひとつの使命であると考えている。(中略)人間の歴史は、旧い時代がリセットされて新しい時代がくる、を繰り返す単線的な時間的継起ではない。過去の経験がときに沁み出し、ときに後景に退きつつ、次第に複雑さを増す、複合的時間の撚り合わせなのではないか」(224頁)。
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motomiyajun3
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ネタバレチャリティの対象となる人を選別していること(特にそこにロビー活動が発生する場合など)や、チャリティの原資に帝国主義の黒い側面(奴隷貿易、軍事産業)が絡んでいたことなどが興味深かった。
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中村禎史
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古くからヨーロッパでは困窮者に施すことを喜ぶ伝統があったと言う。イギリスでは特に17世紀初めのエリザベス救貧法とチャリティー(慈善)用益法で公的な救貧と民間の慈善が社会福祉の両輪となった。慈善を悪用するケースもあり、貧者を審査したり支援すべき貧者を選挙する仕組みもあったと言う。海洋国家イギリスでは特に海難にあった人やその家族を支援しており、また奴隷貿易で財を成した人物が故郷の慈善事業に多額を献じている。慈善への人々の動機は必ずしも宗教ではないと言う。その辺りは日本人にはなかなか理解が難しいと感ずる。
中村禎史

第一次大戦終結後の1919年に組織された民間の慈善団体は11,329団体に上る。 自国に留まらない、国際的人道支援は敗戦国の困窮した子供を対象とする「セーブ・ザ・チルドレン」基金(女性が中心になって始めた)が嚆矢となっている。

06/20 22:02
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崩紫サロメ
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①困っている人に対して何かをしたい②困っている時に何かをしてもらえたら嬉しい③自分の事ではなくとも困っている人が助けられている光景には心が和む……チャリティを支えるこの3つの心情に、それぞれの時代・担い手の「ただし」を添える形で描き、帝国としてのイギリスの膨張と衰退を辿っていく。自助―互助―チャリティ―公的救貧(国家福祉)の中でチャリティの層が極めて分厚いのがイギリスの特徴であるとする。チャリティには「救う対象」を選ぶ構造があり、そこから帝国意識を浮き上がらせていく、チャリティから見たイギリス帝国。
崩紫サロメ

健全な市場経済と適正な財の再分配を実行し、社会正義を保障する行政の二重のセーフティネットの下で人々が自由であり続ける「完全」な福祉国家、あるいは完璧な計画経済と強力な行政の下で人々が平等であり続ける「完全」な社会主義国家、この二種類の政体だけがチャリティ的なものを不要にすることができるであろう(p.225)

06/18 10:05
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紙狸
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2021年5月刊行。最近の報道で、英国では新型コロナのワクチン接種でボランティアが活躍し、民間団体がその募集・選抜・訓練を担当している、と知った。お国柄だろう。この本はチャリティーの歴史を語る。18世紀から現在に至るまで、目立つのは自発的結社型のチャリティーだという。奴隷貿易や武器製造でもうけた金持ちが慈善にも熱心だったという例は、大英帝国らしい。前書きで、今日のチャリティー団体に流入する募金や公的資金の金額が出ている。日本のNPOより資金が潤沢だと分かる。資産運用もしているのでは、という疑問は残った。
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さとうしん
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昨今の日本でもよく見られる「本当に困っている人だけ助けたい」という発想が近代イギリスでも見られたこと、それが「無用な弱者」撲滅という発想につながっていったこと、チャリティの受給者を決めるための選挙が存在したこと、そして特に海外へのチャリティ活動が、奴隷貿易、植民地での先住民の虐待など、大英帝国が引き起こした問題への対応策という性質を持っていたことなど、近代イギリスのチャリティの裏面史を描く。「善意」という側面からの大英帝国史として読むと面白い。
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マネコ
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本場のチャリティはすごい! 宗教として、セーフティネットとしてのチャリティを読み物としても面白く知れる。
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mionne
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歴史学者から見たチャリティーということで、テクニカルタームを使わず説明している。リッチモンドなどのソーシャルワーク的な話はあまり無いが、前述の事を鑑みるに仕方がないのかも。チャリティーの心は大切だろうけど、国がそこに丸投げするのもなぁ…
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チャリティの帝国――もうひとつのイギリス近現代史 (岩波新書, 新赤版 1880)評価70感想・レビュー35