形式:新書
出版社:中央公論新社
先に次男のコンプと書きましたが、祖父の不比等もですし、平安以降も冬嗣、良房とやり手次男の時代に勢力伸ばしてる印象があります。ただ他の方も触れてましたが、仲麻呂に一番似てるのは同じく才気に走って保元の乱で自滅した頼長かも。
仲麻呂の政策については、名義にこだわる唐風化や儒教的理想主義が強調されて、この時代特有の半ば偽善的なもののように思われているが、彼の施策は様々な面で後代に継承されているという。例えば財政に限っても正税稲、公廨稲、義倉などである。幼少期から算道に精通し、後には民部卿として財政にあたり、河内国と摂津国の淀川沿いの境界争いを彼の算道の知識を以て解決したという。暦道、陰陽道にも強い関心があったようだ。准皇族化を志向していた点は足利義満、博識と、氏上に至りながら敗死したという顛末は藤原頼長を彷彿とさせる。
奈良時代を7世紀後半に発生した古代史上最大の対外戦争である白村江の戦い(663年)と最大の内戦である壬申の乱(672年)の影響下にある戦後史と位置付けると、仲麻呂政権期は「壬申年功臣」の処遇変更と対新羅戦争の準備という点で、内乱と対外戦争という課題に真正面から対応しようとした重要な時期なのである。
take 5さん 澤田瞳子さんは『与楽の飯』などの作品があります。元来は古代史専門の大学院生との話を聞きました。唐の絶対王政を導入することは天皇の絶対性を高め、平行して臣下の権力も強化されます。儒教導入も君臣関係を強化します。彼は天皇を唐の皇帝に近づけることで自らの権威を高めたのでしょうか。唐風化は政治的な妙手に思えますあ
「澤田瞳子さん..元来は古代史専門の大学院生との話を..」そのようですね。Wikiによると「専門は奈良仏教史、正倉院文書の研究」。BSPの「英雄たちの選択」の奈良時代ものにもよく出演されてますね)。(私は澤田作品は3冊目で(最近直木賞を受賞されたが)当面奈良時代物から読む予定)「唐の絶対王政を導入..儒教導入も君臣関係を強化..唐風化は政治的な妙手」確かにそうですね。『孤鷹の天』では、大学寮の最大の庇護者であった仲麻呂は孝謙上皇との対立が深まるにつれ、その対応で手一杯になり大学寮や儒学を顧みなくなります。
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