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藤原仲麻呂-古代王権を動かした異能の政治家 (中公新書 2648)

感想・レビュー
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山中鉄平
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「藤原仲麻呂」といえば、恵美押勝。称徳天皇や道鏡との対立くらいしか知らなかった私だが、本書を読むことで、その人物像にほんの少し近づけた気がする。藤原南家、武智麻呂の次男として生まれ、光明皇后の信頼を得て出世街道を駆け上がった仲麻呂は、まさに異能の政治家だった。唐文化への深い造詣や新羅討征を志すなど、国際感覚も豊かだったことに驚いた。クーデターの失敗という悲劇的な最期を迎えた彼の生涯は、なんとも劇的だ。特に、クーデターが称徳天皇側によって仕組まれたという説は、新たな視点を与えてくれ、非常に興味深かった。
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ごん
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なんか最近日本古代史の本ばかり読んでます。藤原仲麻呂についての一冊です。藤原仲麻呂は孝謙上皇との権力争いに敗北して叛逆者となり敗死します。いささか中国かぶれのところはありますが、政治はそれなりにやっていたようです。中国かぶれの仲麻呂が易姓革命を知らないわけはないので天皇家に取って変わろうとしたのか、よくわからないところです。簒奪にむけた動きもあまりないし、むしろ淳仁天皇を通じて権力を行使し続けようとしていたのかもしれませんね。勉強となった一冊でした。
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funkypunkyempty
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★★★☆
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たっつみー
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ネタバレ権力争いの印象が強いが、数字に強く墾田永年私財法など律令の補完政策に長けていた。古代から中世への基礎作りを行い、藤原氏が他氏より抜きん出た存在であることを過去に遡って確立するなど公私混同しつつ実績は多い。
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レフラー
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仕事にも大いに関係することもあり、やたら色々な角度からこの時代についての書籍は読んできているけど、藤原仲麻呂はお初。 某所で恵美押勝と連呼した日の夜にたまたま自宅で発見し、これも縁と読み始めたら興味深い。 道鏡がアレなのはもちろん、藤原仲麻呂も有能だけどだいぶアレでヤバいやつって認識は覆らなかったものの、日本的とか言われる思考形態のベースに結構彼の影響が残ってる(であろう)のは今回の読書で初めて知った。 不比等のあとがちゃんと繋がるのは恵美押勝のおかげでした。 いまさらの驚き。良い論考です。
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星乃
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仲麻呂の聡明さは認めるところだが、傲慢が過ぎたのかなあと。あまりにも頭が良すぎると自分よりレベルの高い人を見つけるのは難しいだろうし、諫めてくれる人もなく孤独だったように思う。光明子も仲麻呂も知恵者だが、結局のところ天皇家の血は引いてないし、草壁皇統を守りたい孝謙天皇とは温度差を感じる。この3人は必ずしも一枚岩ではなかった。吉備真備を呼び戻した孝謙の采配によって天皇家は守られた。その後も、道鏡に簒奪されそうになったり天皇家は様々な危機にさらされるが、何だかんだ言って現代まで続いている。感慨深い。
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紫草
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仲麻呂って最後乱を起こして殺された人だし、頭はいいけど嫌な奴っていう、悪いイメージだっんですが、ちょっと見方変わりました。まあ、嫌な奴には違いないかもしれないけれど、とても優秀な人だったんですね。仲麻呂が始めたこと、官の名前を唐風にしたとかを昔学校で習って自分勝手な独裁者のように思っていたけど、後の時代まで続いたこともたくさんあって政治家、官僚としてとても優秀だったことがわかりました。優秀だったのに、後ろ盾となっていた光明皇后が亡くなったら急激に力を失っていったのはやっぱり性格に難アリなのかなあ。残念。
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遊未
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逆賊とされてきたが、理系の能吏であり、対外、対内政策、官人育成、藤原氏の顕彰、養老律令に国史編纂等。唐風化についてはどうも唐からして女帝が漢字にこだわるような。仲麻呂の乱というより称徳天皇の勝利でしょう。大仏様のイメージとかけはなれた重なる疫病、落ち着かない天皇、困窮する庶民の時代であったと感じます。
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maimai
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サブタイトルの「古代王権を動かした異能の政治家」という表現は、必ずしも本書の内容を的確に表しているとは言い難い。思てたんとはちごてたけど、仲麻呂を中心とした奈良中期政治史として興味深く読んだ。藤原仲麻呂の乱が「仲麻呂の乱」ではなくむしろ「孝謙上皇の乱」(上皇による淳仁天皇へのクーデター)であったという指摘には膝を打った。
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Shoji
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藤原仲麻呂の出自から死没までの史実を客観的に叙述した本かと思います。概ね、藤原仲麻呂の為政の内容と仲麻呂を取り巻く政権の解説に紙幅を費やしています。藤原仲麻呂について興味を持つ方、あるいは奈良時代について少しばかり勉強された方向けの内容かと思いました。
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SFTT
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高校日本史程度の知識で手に取ったが、本書により教科書的な「専横を振るうが権力争いに敗れて敗死」といった彼への先入観を大きく覆された。すぐれた能吏であり実際に後にまで影響を与える政策を多く執り行っていること、また父祖を大いに顕彰することで後の藤原氏の栄耀の基礎を築いたことなど、多くの功績を知ることができた。「仲麻呂の変」ではなく実際は「孝徳上皇の変」というべきものであった、という指摘も目からウロコ。
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kk
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8世紀中葉の政界で一世を風靡した傑物、藤原仲麻呂。その仲麻呂が、才覚を著し、権力闘争を勝ち抜き、権勢を極め、そして破滅に至るまでの足取りを簡潔に、しかし丁寧に紹介。草壁系と舎人系の微妙な関係、唐・新羅との緊張関係が本朝内政に投影した影など、興味深い指摘も数多。通時的な記述と政策面の紹介を、いわばマトリクス的に整理しようとする試みもナイス。結果的に重複的な記述が散見されたのが気にはなったが、この時代のことにあまり詳しくないkkにとっては、諸々勉強になる一冊でした。
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とうみん
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奈良時代最大級の政治家でありながら、逆賊として歴史の闇に葬られた藤原仲麻呂の業績と後世への影響。思えば仲麻呂(=次男)という名前自体が運命的だ。あれだけ儒教的政治をめざしながら、その儒教によれば決して嫡子になれないというジレンマ。藤原家本流なのでそれなりの地位は約束されてはいるが、凡庸な兄より下位でしかない。出世するには己の才覚、努力、運で道を拓く必要がある立場だ。彼の権力指向はその辺りから出ているのかもしれない。また度重なる疫病に何度も対峙した政治家としての一面は、今の世の中にも通じるものを感じた。
0255文字
ようはん
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藤原仲麻呂は奈良時代屈指の俊才で政治家としても優秀であったのは間違いないんだろうけど、こういう才気走った人間が必要以上の野心を抱いた時は敵を作り過ぎて破滅する物だと感じる。
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atlusbou
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叔母の光明皇后の後ろ盾を得ながら並居る政敵を排除し、そこまで危険視する必要が無いはずの実兄豊成まで隙あらば追い落とそうとする姿は権謀術数に富んだ野心家の印象がありますが、仲麻呂失脚後も続く数々の政策を見ると、野心だけではなく真に有能な人物でもあったのだと思いました。孝謙天皇とは最初から対立していた訳ではないので、もっとパワーバランスの調整ができていれば、藤原恵美家も存続できたのかなと考えてしまいます。
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ぽちまるこ
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奈良時代の一時期権勢を誇った政治家・藤原仲麻呂が優秀なのに次男ゆえに凡庸な兄と待遇差をつけられたコンプを抱えつつ、その才覚と叔母の光明皇太后の寵愛を武器に出世して数々の政治改革に着手し、ついには恵美押勝を名乗って権力の頂点に立つも皇太后亡き後、孝謙女帝と対立し乱を起こし敗死するまでを解説した本です。しかし皇太后没後、政権を支えていた妻や娘婿まで亡くなるとは転落するときには不運が重なるものですね。しかし藤原氏は次男にやり手多いなあ。
ぽちまるこ

先に次男のコンプと書きましたが、祖父の不比等もですし、平安以降も冬嗣、良房とやり手次男の時代に勢力伸ばしてる印象があります。ただ他の方も触れてましたが、仲麻呂に一番似てるのは同じく才気に走って保元の乱で自滅した頼長かも。

11/07 02:40
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やご
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奈良朝の一時期、権力を握ったものの最後は反逆者として斬られた貴族政治家・藤原仲麻呂(恵美押勝)の伝記です。 (続く)→ https://gok.0j0.jp/nissi/1207.htm
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サプリママ
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ネタバレ⭐⭐⭐⭐❤ 2021年6月初版。706−765年。叔母の光明皇后(聖武天皇の皇后・不比等の娘)の寵愛の下頭角を表し権力を掌握していく。藤原鎌足→不比等→南家(武智麻呂)→仲麻呂(次男)の血筋。聖武天皇の草壁皇子系統の血筋の孝謙(称徳)上皇と淳仁天皇の権力闘争の時代。数学明るく陰陽師や暦にも精通していたため聖武天皇の大仏建立にも計画性が生かされ、墾田永年私財法の制定等税と人の管理に長けている。兄の豊成、従兄弟広嗣の乱、橘諸兄、奈良麻呂との対立。藤原恵美家の創設と準皇族化、不比等からの藤原家の確立等功罪あり。
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hr
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図書館本。藤原仲麻呂の歴史的な存在感を確認できる良書と思う。藤原氏のブランド化のことや、漢風諡号のこと、非皇族として初の太政大臣(太師)就任になることなど、彼が生きた時代に起きたことを通して見せてもらえて、歴史の連続性を掴み取れた気分になっている。日本の制度史は、敗残者が企画立案したものを運用していく繰り返しなのかも知れない。隠岐に流された刷雄の存在が気になる。吉備真備は軍略に秀でていたようだが、唐風政策を推進した仲麻呂にその素養は無かったのだろうか。
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kawasaki
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私には高校教科書以上の知識がほとんどない時代。権力抗争が「大陸的」というか「日本っぽくない」印象。その「日本らしい宮廷闘争」というと、娘を後宮に送り込んで官位の上下がどうこうという平安中期道長前後を思い浮かべるのだけども、その前提となる「特別な家門」藤原家が君臨する土台を築いた人物がまさに仲麻呂という見立て。「大化の改新」での天智の右腕というよく知られた藤原鎌足像にも、仲麻呂の演出が含まれる可能性があるという。計数に明るい有能な官僚としての姿、後世に引き継がれた業績など、人物とともに時代の魅力を伝える。
0255文字
預かりマウス
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奈良時代、殊に孝謙朝には関心が強いので面白く読めたが、文意が取りにくく解説不足に思えるくだりも散見される。初心者向きではない。聖武天皇による紫香楽宮廬舎那仏造立の際、橘諸兄の奉ずる難波宮の元正上皇と一時対立して、半ば二所朝廷状態にあったというのは知らなかった。著者は仲麻呂の乱について、淳仁天皇及び太師仲麻呂の側に権力の正統性があるので孝謙上皇の乱と呼ぶべきだと言っているが、仲麻呂が上皇や道鏡を排除する計画をしていた以上は、どちらが悪いとも言えなかろう。中立を期するなら天平宝字の乱とでも呼ぶべきではないか。
預かりマウス

仲麻呂の政策については、名義にこだわる唐風化や儒教的理想主義が強調されて、この時代特有の半ば偽善的なもののように思われているが、彼の施策は様々な面で後代に継承されているという。例えば財政に限っても正税稲、公廨稲、義倉などである。幼少期から算道に精通し、後には民部卿として財政にあたり、河内国と摂津国の淀川沿いの境界争いを彼の算道の知識を以て解決したという。暦道、陰陽道にも強い関心があったようだ。准皇族化を志向していた点は足利義満、博識と、氏上に至りながら敗死したという顛末は藤原頼長を彷彿とさせる。

09/26 16:53
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はるわか
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藤原仲麻呂(706〜764)、南家、臣下として異例の極位極官(正一位太政大臣)に到達するも一転して逆賊として斬首。歴史的重要性:①皇位承継や政治過程に深く関与、②極端な唐風志向、③対外的強硬主義(対新羅)、④王権に対し藤原氏を国家第一の功臣家として位置付け。天武天皇以降の政策基調は、壬申の乱により発生した壬申年功臣(東国の在地豪族層と天武の皇子たち)の処遇の尊重。一方、官僚制の成熟と天皇権力の強化に対して桎梏となった。天皇権力の確立を志向する聖武天皇と、律令に習熟した官僚として台頭してきた藤原氏の共同利害
はるわか

奈良時代を7世紀後半に発生した古代史上最大の対外戦争である白村江の戦い(663年)と最大の内戦である壬申の乱(672年)の影響下にある戦後史と位置付けると、仲麻呂政権期は「壬申年功臣」の処遇変更と対新羅戦争の準備という点で、内乱と対外戦争という課題に真正面から対応しようとした重要な時期なのである。

09/21 02:11
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連盟
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教科書でわかる反乱者としての人物像だけでなく、藤原仲麻呂という人物の活躍・有能さもよくわかる一冊。政策の一部が後も続いたとは思わなんだ。
0255文字
kmiya3192
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奈良時代の政治家藤原仲麻呂。藤原四兄弟の死の後、藤原氏の中で頭角を現し、橘奈良麻呂の乱の後、光明皇后の後ろ盾の元権勢を奮う。養老律令の制定、唐風を取り入れて、東北の統治にも着手する。しかし光明皇太后が亡くなることで後ろ盾を失い、密告に会うとその行き場所を失い遂に乱に及ぶ。藤原仲麻呂の乱に、長く仲麻呂から煮え湯を飲まされていた吉備真備もこの裏で動いていた。奈良時代の絶頂から転落していく仲麻呂のその生涯の意味を問う。
0255文字
ろば
新着
 21年刊、奈良時代の異端の政治家藤原仲麻呂についての評伝。同じタイトルの本としては岸俊男『藤原仲麻呂』が評価が高く、実際に読みやすく得るところが大きい。この本はその理解を基礎に、近年の研究成果や発掘業績を取り入れ、より詳細に彼の人生を追った。古代の人物伝は往々にして時代史になりがちだが、本書でも最初は概説的な記述が多く平板、しかし仲麻呂が権力を握る750年代には一気に記述が加速し、多様な政策や政変の動きがめまぐるしく描かれていて飽きさせない。力作でした。
ろば

take 5さん 澤田瞳子さんは『与楽の飯』などの作品があります。元来は古代史専門の大学院生との話を聞きました。唐の絶対王政を導入することは天皇の絶対性を高め、平行して臣下の権力も強化されます。儒教導入も君臣関係を強化します。彼は天皇を唐の皇帝に近づけることで自らの権威を高めたのでしょうか。唐風化は政治的な妙手に思えますあ

09/14 01:51
take5

「澤田瞳子さん..元来は古代史専門の大学院生との話を..」そのようですね。Wikiによると「専門は奈良仏教史、正倉院文書の研究」。BSPの「英雄たちの選択」の奈良時代ものにもよく出演されてますね)。(私は澤田作品は3冊目で(最近直木賞を受賞されたが)当面奈良時代物から読む予定)「唐の絶対王政を導入..儒教導入も君臣関係を強化..唐風化は政治的な妙手」確かにそうですね。『孤鷹の天』では、大学寮の最大の庇護者であった仲麻呂は孝謙上皇との対立が深まるにつれ、その対応で手一杯になり大学寮や儒学を顧みなくなります。

09/14 11:47
4件のコメントを全て見る
0255文字
8月のあるぱか
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教科書の中で単語として知っていた藤原仲麻呂ですが、こう詳しく書かれた書籍を読むと実際に生きていた人物なんだなと実感します。また、従来の「逆臣」のような描き方ではなく、仲麻呂の政治的事績、政敵との対立などを描き、フラットな立場で書かれているように思いました。
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サケ太
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恵美押勝という名前でしか覚えていなかった人物。藤原仲麻呂と繋がらないくらいには前後関係がわかっていなかったが、様々な政策を押し進め、恵美押勝の乱に至る過程までよくわかった。早熟の天才として異例の出世を遂げた男。藤原氏というブランドを確立し、太政大臣まで出生したことが、後の藤原氏の権力獲得の基盤になったのが面白い。
0255文字
左近
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唐風化政策、恵美押勝への改名、反乱を起こして敗死…これまで藤原仲麻呂には怪人物というイメージを抱いていた。実際には学問好きで、土木関係の計数等、現場で役立つ実務能力を認められたのが立身のきっかけ。生まれはエリートだが、出世自体は決して早くないし、最高権力者となったのは、結構年が行ってから。失脚の危機に瀕したのが原因と思われた反乱も、実は孝謙上皇側のクーデターが先。色々と歴史の見方を変えてくれる、実に興味深い本だった。ちなみに、群像劇の形で奈良時代全体を大河ドラマにすれば良いのに、とずっと思っている。
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JR関内駅より徒歩2分 ☆ 永遠番長
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藤原仲麻呂はちくま新書の古代史講義【戦乱篇】でしか知らなかったので、本書はとても勉強になりました。壬申の乱は戦後処理も含めて古代史における関ヶ原の戦い/藤原仲麻呂の乱ではなく孝謙上皇の乱という説明は解りやすかったです。対外強硬路線を執るも新羅の一時的な低姿勢を読み間違え最終的には「東夷の小帝国」に失敗する展開は、現代の日本にも通じるような…。疫病流行と共にあった仲麻呂の政治人生を通して「為政者が疫病の流行という国家的危機をどのように乗り越えるのかという現代にも通じる課題」と解く著者さんが格好良かったです。
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パトラッシュ
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宮廷クーデターに敗北した逆賊とされてきた藤原仲麻呂について、従来のイメージを一新する人物像を提示する。権力闘争で他氏のみならず実兄すら排除し、有力者に取り入って後ろ盾としつつ人事と実務能力で実権を握り、内外の変化に適応した改革を実行する。野心的だが強力なリーダーシップを揮う有能な政治家であり、現代でも畏怖され頼りにされるだろう。しかし自信家で権力欲が強く先が読める者ほど、往々にして足元が見えず自分と周辺ばかり優遇し他人の恨みを買う。その通弊を免れず惨死した仲麻呂の姿は、政治と人間のあり方の教科書のようだ。
0255文字
我門隆星
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仲麻呂はて……と本書を開いてみて「ああ恵美押勝ね」と気づく浅学な私のみならず事前知識なき者も充分引き込む臨場感のある書。それにしても孝謙(称徳)天皇という人が、もう少しばかり大人な対応のできる人ならば仲麻呂の事件も道鏡の件も今少しマイルドに片づけたのではないかという気がしてならない。
0255文字
trazom
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古代史に対して浅学の私には、藤原仲麻呂というと、藤原恵美家で人事を壟断し、唐風化政策を押し付け、新羅征討計画などの対外強硬主義を採った官僚として、藤原氏陰謀史観を代表する逆臣・謀反人という印象しかなかったが、本書は、その認識を一変させる。藤原家の四代目としての位置づけを明確にし、仲麻呂の政策を是々非々で丁寧に評価する著者の歴史学者としての姿勢は、とても誠実である。「「薬子の乱」が、近年「平城天皇の乱」と評価されるように、「藤原仲麻呂の乱」は「孝謙上皇の乱」と評価するのが妥当」という著者の意見に納得する。
0255文字
Daisuke HIROSE
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藤原嫡流の次男でありながら、紫微中台の長として台頭し、やがて兄豊成を追い、唐風の権力に憧れるも、光明皇太后という最大の後盾を失い、孝謙上皇との勢力争いに敗れる。算術に優れた理系?人間の限界も垣間見えて興味深い。
0255文字
UN
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恵美押勝、浅学の身ではどうも流れが理解しにくい人物だったが、いろいろな疑問の答えもあり読みやすかったので一気読み。新たな疑問ももちろん湧いて、トータルどっちだろうw 以前正倉院展で東大寺から伍仟戸分の収入を取り上げるという藤原恵美朝臣一名単独署名の<勅書>を見たのだが(本書p200関連)感慨深い。孝謙天皇、吉備真備等もっと知りたくなった。
0255文字
みこ
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藤原仲麻呂の評伝。歴史の授業では彼は絶大な権力者として登場するが、嫡流の次男という何とも微妙な出自だった。兄や橘諸兄との政争、墾田永年私財法による財政の安定化など権力者に昇り詰めるまで、為政者としての実績など知られざる一面が垣間見えた。仲麻呂の乱にしても絶対権力者である天皇を巡っての孝謙上皇との権力争いという新たな見解を示す。意外だったのが本書における道鏡の存在が空気。私がそれを意外と感じるということはそれだけ歴史教育の現場でも男女のスキャンダルに焦点を当てているという嘆かわしい実情があるからなのか。
0255文字
(ま)
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恵美押勝の功と罪 鈴印争奪戦、孝謙上皇のクーデター
0255文字
Go Extreme
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藤原氏嫡系の「次男」 藤原四兄弟の死―天然痘流行と政治危機 叔母光明皇太后の寵愛―聖武から孝謙天皇へ 恵美家政権の確立へ―淳仁天皇擁立まで 仲麻呂の政策―七年間の大変革 藤原仲麻呂の乱―天平宝字八(七六四)年 藤原仲麻呂は歴史に何を残したか
0255文字
ManCheeFMW
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一気読み。天武以降桓武時代は皇族側の所謂生存バイアスというか勝てば官軍な歴史”正伝”を枕にされがちだし、平安時代など「関白政治が台頭し藤原の栄華に利用されまくった皇族」みたいな被害者視点さえ出てきて、ドロドロな描かれ方をされがち(そのほうがドラマチックだろうし)。そこに冷静にプラクティカルに、藤原氏視点からの解釈が出たのが個人的に新鮮だった。鎌足や不比等、息子の四家より才気走っていて誰よりも光明子に近い存在だったのに、結果的に御上のお家騒動の被害者?として潰された仲麻呂、という位置付けは憶えておきたい。
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藤原仲麻呂-古代王権を動かした異能の政治家 (中公新書 2648)評価88感想・レビュー50