形式:新書
出版社:筑摩書房
コメント失礼します。レビューに記載されている人名についてですが、「船橋晴敏」さんではなく「舩橋晴俊」さんが正解ですね。「船」→「舩」、「敏」→「俊」です。
非常に実直・誠実で、プロパーな社会学観を持った方という印象。所感として、環境社会学は環境問題の解決に資する必要があるのか?こんなことを言うと批判されるかもしれない。もちろん、学問が環境問題を悪化させる為のものであってはならない。しかし、環境問題に資する為の実践性を重視することで、事象に対する「意味」の発見があまり活発ではないように思える。著者も本書で言及しているように、環境社会学と通常・一般的な社会学との間に大きな隔たりを感じる。実践性と意味の発見はトレードオフではないはず。(→続く)
米国の環境社会学のような実践性のないパラダイム論争(空中戦)をやっても意味がないとは思うが。どうも現在の日本の環境社会学には「社会学」っぽさがない。日本の状況は、環境問題の社会学と環境共生の社会学という二つの流れが、その流派?が反目しあっていて、面と向かっては争うことはないが、互いにその影響力を誇示しようとしている。大御所の理論を義理堅く引用して小さく研究をまとめる若手。大切なのは先生への慮りではない、理論を批判的に発展させていく、もっと自由な考え方・理論を展開できるような雰囲気が必要ではないだろうか。
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