読書メーター KADOKAWA Group

北へ (ボウエン・コレクション2)

感想・レビュー
2

データの取得中にエラーが発生しました
感想・レビューがありません
wassermusik
新着
1930年代の女性、29歳未亡人セシリアと25歳会社経営独身女エメライン。二人の生き方の違いが克明に表現され、非常に面白かった。我儘で奔放に見えて因襲的なセシリアと冷静沈着で思慮深く見えて恋にのめり込むエメラインの造形が見事だ。訳文は読み辛いが、スリリングな最後まで疾走して読了した。現代にも通じる恋愛(情熱)と結婚(制度)の相克を痛ましく描く。相手の男性達も対照的だ。エメラインと恋人マーキーの対決は息を呑む。ここまでしても分かり合えないのか、恋愛の恐ろしさに耐えられない者は結婚するしかない。1932年刊。
0255文字
葉々
新着
午後のお茶、ランチ、ディナー、窓辺、暖炉、扉口、そして光。読み出した当初、主人公達のいささかお高い態度のその嫌みのなさ、「彼女にかかると、みんな庶民になった気がする」、「彼女にとっては(略)家具が文句を言っているのと同然」や「人はアルプスの最高峰では暮らせないんだ」等にうまく心を開けなかった。しかも意味深な奥行きのある文章に時間をとられる。もたついたが後半に向け、主人公達が古い皮を脱ぎ捨てていく過程にどうにかついていけた。とはいえ、やはり煙に巻かれた感が残るものの訳者あとがきに触れ幾らかそれが解消された。
0255文字
全2件中 1-2 件を表示

この本を登録した読書家

北へ (ボウエン・コレクション2)評価50感想・レビュー2