形式:文庫
出版社:河出書房新社
出版社:集英社
出版社:情報なし
形式:Kindle版
当初から不謹慎ネタにも遠慮が無かった御大とはいえ『いいえ』『善猫メダル』あたりは現代ポリコレ的に完全にアウトっすよ。『代用女房始末』『電話魔』なんかは、バカバカしくもブラック過ぎるユーモアだったものが今やリアルになってるんじゃないか。『タイム・マシン』『睡魔のいる夏』は冷戦真っ只中だった時代ならではの終末の空気。『九十年安保の全学連』『二元論の家』『底流』でのえげつない心理描写が今も変わらぬ御大らしさ。
まぁ、御大のキャリアが既に半世紀を超え、その間タガの外れた活躍を縦横無尽に続けてこられているのだから、「御大らしさ」というものをどう捉えるかは人それぞれかもしれない。もちろん若書きであったり、乗り気でなかったと思われる作品も無くはないけれど、自分はそれらも含めてやっぱり「御大らしいタガの外れっぷりだな」と思った。巻末のあとがきや解説が充実しているのも嬉しい。最初の版の時、実際に筒井宅まで持ってきた人はいたのでしょうか。
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