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ある地方官吏の生涯――木簡が語る中国古代人の日常生活 (京大人文研東方学叢書)

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かどの炭
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秦代のとある地方官吏・喜の墓から発掘された編年記を元に、秦(・漢初)の社会制度、生活史を紹介している。始皇帝の行幸が喜の暮らす安陸を通り過ぎたという事も、編年記に書き残されている。本当に同時代の人なんだなぁと何だか感動してしまった。
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崩紫サロメ
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睡虎地秦簡を始めとする出土文字史料から、『史記』などには描かれていない日常生活を描く。以前読んだ大澤正昭『妻と娘の唐宋時代』でも思ったが、法律関係の史料というものはあるべき社会の姿と、実際には法律通りに行かない人々の現実が浮かび上がる面白いものだ。女性の地位が低いのはどの時代もそうだが、妻が夫を殴った場合とその逆の場合の違いなど、具体的な事例が多く、法律史料に対する興味が増した。
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春風
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話題の『古代中国の24時間』は古代中国人の一日を再現した本だけど、こちらは「喜」という無名な人物の一生の再現を試みた本。たいへん面白いのだけど、使われている史料が著者が専門とする法律文書に寄りすぎな気も。
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ねぼすけ
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今からおよそ2300年程前の戦国時代末期からから秦朝初めの中国に生きていた書記官「喜」の生涯を追っていくと共に古代中国(秦)の社会システムや慣習・文化を解説してゆく本である。1975年に中国の湖北省にて秦朝時代の墓が発見され、その墓の一つに睡虎地秦簡と名付けられた竹の札に文章が書かれた「竹簡」が出土した。本書はこの竹簡や他の竹簡・木簡資料から秦朝を中心とした古代中国の世界がどのようなものだったのかに迫ってゆく。非常に興味深かった。
ねぼすけ

中でも古代中国の社会においても戸籍制度が機能しており引っ越しをする際は届け出をする必要があったというのは驚いた。その話を読み古代はさておき近代以前にも戸籍制度の機能していた国はどれほどなのかと気になった。例えば、ヨーロッパだと戸籍は無かったと聞いた事がある。出生記録は教会が記録を取っていたが国が人口の統計は取っていなかったと聞いている。こういった歴史の中の社会制度という社会科学的な観点はとても興味がわいた。とても面白かった。

11/11 00:21
ねぼすけ

追記:そもそも戸籍は未だに無い国も沢山あるそうだ…というか軽く調べてみたら日本のような戸籍があるのは他には中国と台湾ぐらいらしい。戸籍があるのが普通だと思っていた。

11/11 21:45
3件のコメントを全て見る
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アル
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中国古代史に興味がある人には微妙に有名そうな睡虎地の「喜」さんの生涯を中心に、秦〜漢代の、歴史に名を残さない人々の生活再現を目指す本。 もちろん再現は限定的だが、法律や判例文書から見える社会の理想と実態のギャップ、秦の領土の急激な拡大に制度や人々の意識が追いついていない状況など、興味深い内容が詰まっている。 終章、埋葬はあの世への引っ越しであり、冥界での仕事や生活にこまらないよう副葬品を収める習俗は、当時の人々の意識が伺える。 期待に違わず実に面白かった。
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すいか
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墓地から出土した竹簡の編年記に記された秦代の一官僚の生涯を、他の出土史料や文献史料によって肉付けしながらライフステージごとに語ることで、秦代の社会史の一断面を叙述するという試み。同時に副葬された法律条文、裁判記録は2000年以上も昔の中国の人々の暮らしを生々しく垣間見せ、また書記官養成のための学校や登用試験があったこと、文字の学習は一部の専門集団に世襲される知識であったことなど、非常に興味深く読んだ。
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さとうしん
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睡虎地秦簡『編年記』を取っかかりに、戦国末~秦の時代の人々のゆりかごから墓場までを語る。人々の生活史を同時代、あるいは前後の時代の史料で肉付けしていくという手法が面白い。
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