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惡い読書
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旺文社文庫/昭和42年7月1日発行/訳・解説=篠沢秀夫/エッセイ=秦早穂子/挿絵=杉全直/図書館用非売品 ■昔は図書館用の文庫は表紙がボール紙の様に硬かった。そういう造り/愛の妖精(原題:かわいいファデット)と砂の妖精をごっちゃにしていて、「いつサミアどんは出てくるのだ」と途中まで読んでいた。ちょっとだけ『麗しのサブリナ』に似たプロットの物語。三分の一くらいまで、双子の兄の弟に対する束縛と嫉妬が凄く、読んでいて辛くなるほどだが、第三の(そして本当の)主人公、ファデットの登場から、物語に陽が差してくる。
惡い読書

彼女と、双子の弟の方が、困難を乗り越えて結ばれる、周りは基本的に善人部落だったので、みんなが祝福する-そんな話。常にノイズを出している、というか、愛が逆上がりしてしまって物語を複雑にするのは、終始一貫して兄。このヒト、まだそんな概念はなかっただろうが「依存性パーソナリティ障害」と今ならカテゴライズされそうな処まで追い込まれてしまうのだが、本作で一番印象が強い人物でもある。のんびりカントリーに一人だけ現代人が混じっているような、そりゃあ居心地悪いだろう。心理描写の腑分けが的確で、人間の心情なんて、そんな、

08/13 04:49
惡い読書

おいそれと変わらない、というのがよくわかる。たいへん面白く、なるほど長く読みつがれる訳だ、と納得した。児童館の引っ越しを手伝った時に、無料奉仕の代わりに大量にもらってきた本の一冊。うちにはカバー付きの旺文社文庫と、岩波と角川と既に3冊もあった。何度もトライしては挫折してきた本。訳文がホントにいいね。『クイズダービー』の1枠に座っていた学者先生は、篠沢教授のこの本といい、前任者の鈴木武樹教授の『ナイン・ストーリーズ』他サリンジャー作品(&学研『少年監督の推理』)といい、お世話になった。

08/13 05:03
0255文字
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愛の妖精評価100感想・レビュー1