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東アジア国際通貨と中世日本―宋銭と為替からみた経済史―

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ゲオルギオ・ハーン
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10世紀〜16世紀の東アジア、特に中国と日本での貨幣経済の展開を研究した一冊。先行研究を再検討し、自説を作り上げるしっかりした内容。管理通貨制度が整備される以前の貨幣価値に関する政府の主導権はどんなものなのか調べてみたくなったので読んでみるとやはりそれほどでもないという印象。日本の場合は割符制度が金融システム的に機能している時は貨幣の流動性が高いおかげで価値を維持するが、割符制度が衰退すると貨幣の流通が鈍化してダブつくので価値が落ちたという指摘は鋭く、国外から大量に来たから暴落したという説を否定している。
ゲオルギオ・ハーン

中国においては貨幣不足を補うために紙幣を刷るのだけれど、日本における藩札のように価値がすぐに下がり、民間の取引で使われなくなりさらに価値が落ちていくという動きは面白い。また、滅亡した国の貨幣(宋銭)だろうが取引で使われる、使用が見込めれば良いのであり、軍事的に強国だろうと発行している貨幣がすぐに市場で受け入れられるとは限らない。銀貨も発行すればすぐに受け入れられたわけではないことも指摘していて興味深い。

12/05 00:32
0255文字
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