ダルクやAA(アルコール関連の自助組織)、NA(ドラッグ関連の自助組織)を通して、現代の生活と社会の有り様を考察していく。すごく優しく語られているけれど、その内容は痛い。ダルクのモットーである「just for today(ただ今日だけを)」が岸田アドラーと重なる。AAやNAが実践する12ステップは、「ダンス・ダンス・ダンス」で語られた「暗闇のなかでも踊り続けるんだよ。ステップをやめちゃ駄目だ」という言葉を思い出させる。「『自分を制御出来る』と思い込んでいることが最大の誤り」重いけど、その通りだと思う。
だという。つながれない人を含めると、ダルク(自助グループ)で改善するのは相当に低い割合だろう。私も向いてないタイプである。宗教臭さ(ポリシーに納得がいかない)と支援者でもない知らない人たちが無理。向いてるのは男が多いんじゃないかな?生きづらさを乗り越える際に考えられる枠として個人、周囲との関係、社会、があるというまとめは当たり前かもしれないけど自分にも整理になってよかった。ただ結局私の場合は個人も人間関係も厳しくて社会が変わってくれるしかマシになると思えないし、それは私が生きている間には無理だろう。
根本的にはやっぱりどうしても「安心できる居場所と信頼できる人」が必要だがそれも期待していいものじゃない。もっとあきらめて、受け入れるしかない。自分の人生を受け入れるのは恵まれた人間ほど楽である。運である。やはり『宗教的経験の諸相』は一度読まねばなー。話が載ってた成瀬暢也氏と伊波真理雄氏(どちらも精神科医)も読みたい。