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ソーシャルメディア・プリズム――SNSはなぜヒトを過激にするのか?

感想・レビュー
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まやま
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本書は、TBS CROSS DIGのPage Turnersで竹下隆一郎氏が紹介しており、興味を持って手に取った。ソーシャルメディアで自分の見解と異なる意見に触れることは、自身の見方を穏健化するどころか、より主張を強め過激になっていく、ならばどのようにソーシャルメディアと付き合っていくのか、よりよいソーシャルメディアプラットフォームは構築できるのか、を論じている。謝辞に書かれた著者と父親のエピソードが、自分もこの難しい問題を投げ出さずに取り組まねばと背中を押してくれる。
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歩毛男
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頑なな利己心の源泉が自分の自分の心の内にあることに気が付いた。私はひとり微笑み、いくらか涙を流し、本書を父に捧げた。負けたよ、父さん。
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いち
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ネタバレSNSを通じて様々なアイデンティティーを試しては他人の反応をうかがい、自己呈示を更新して帰属意識を味わうことができる。(アイデンティティーの保持と社会的ステータスの追求)ソーシャルメディアを自分の社会的位置付けの把握に役立つ巨大な鏡のように使っているが、実際には社会環境を曲げたり屈折したりするプリズムであり、自己や対他人の感覚をゆがめている。無意識のことが多いからまずは認知し観察することが大事。
いち

兵庫県知事選がタイムリーだった、、、SNS難しい

11/30 18:17
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URI(病気養生
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向こうの話だが、過激な発言をする人は、社会的に捨てるものの無さも含めてどんどん過激になり穏健な人は大切なものとかえるから政治的な発言をあまりしなくなる らしい。本邦でも当てはまるのかな
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heaven of 20
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ソーシャルメディア・プリズムについて本書はまとめてくれている。実際に自分が知っているなかでも、エコーチェンバー(サンスティーン)、フィルターバブル(パリサー)という風に自分の知る用語の上にこの議論はある。筆者はプリズムをハックする方法を3つ挙げる。1)プリズムを見て取り、プリズムが自分や他人のアイデンティティーを歪める仕組みを理解、2)プリズムを通して自分を見る術を学び、プリズムに自分の行動が力を与える様子を観察できるようになること、3)これまでの行動を変え相手と生産的対話をすること、である(112頁)。
heaven of 20

ソーシャルメディア・プリズムというなかで確かに自分自身がインターネットにおいて様々なバージョンの自己呈示(ゴッフマン)をし、それが上手く行っているかいないかその度に確かめるということになるだろう。その自己呈示を行うなかで実際にインターネットによって自分の生活というのはどう変わったのか、どういう風にインターネットというメディアと付き合えば良いのか、この点に関しては谷川嘉浩さんの『スマホ時代の哲学』における記述とも並行している(なお、谷川さんもこの『ソーシャルメディア・プリズム』という著作には言及していた)。

04/02 17:40
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d酒う
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とても面白い、良い本だと思う。実際にはそんなに偏っていないのに、ソーシャルメディアが偏っているように見せてしまう、という話には納得させられた。実際に行動してみよう、対話してみよう、という話ではだいぶ勇気と慎重さがいるな、と思った(実際そう書いてある)。ソーシャルメディアの設計にも話が及んでいて、実際にそういう議論プラットフォームを作ってみたくもなった。
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どんぐり
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エコーチェンバーから「勇気を持って飛び出す」と、かえって自己の信念をより強化することになりかねない。重要なのは「小さな一歩」であり、受容域を見極めること。これが本書の最も重要な指摘と思えた。また、対立派閥の思想を実際よりも過激に見積もってしまう「偽りの分極化」により穏健派の政治離れが進んでいる、いう指摘も説得力がある。
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216
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ネタバレ「ソーシャルメディアは、社会を俯瞰するのに使える巨大な鏡ではなく、各自のアイデンティティーを屈折させるプリズムなのだ──それによって私たちは、互いについて、そして自分についての理解をゆがめられてしまう。」 本書は民主党と共和党の政治的対立がベースとなって語られているため、アメリカの政治知識をかなり要した。正直分からなかったので、読んでるうちに理解するだろうと何となくで読んだ。 何度もインターネット断ちをしようとして失敗していた理由がここに書いてあった。デジタルネイティブはインターネットから離れられない。
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KATSUOBUSHIMUSHI
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SNSで民主党派と共和党派が二極化する仕組みを、個人のインタビューや研究結果から明らかにしていく。偏った意見しか見ないから過激化するという一般的なイメージとは対照的に、自身のアイデンティティを守るために対立意見に触れながら過激化していく個人がこの本では描かれる。9章の内容はツッコミどころが多そうだが、8章の内容はSNSを使う上で意識すべき教訓だと思うし、過激化の仕組みは政治に限らずとも、日本の最近の話題だとクマ駆除をめぐる議論や過激化する推し活なんかにも共通するところが多く役に立つ視点だと思った。
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erechorse
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ちょうど政治とソーシャルメディアというテーマについて注目していたのだが、まさしくドンピシャで興味深い本だった。「エコーチェンバーとフィルターバブルが人間の思想を偏らせている」という常識を裏返す刺激的な内容だった。シリコンバレーの人々は技術を知っているのであって人のことを意外と知らないというのは、確かに考えてみれば当然である。 専門家ではなく、論文を読んでるわけでもないので詳細な評価はしないが、実施されていた社会実験は非常に丁寧に設計されているように見える点も高評価。
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エジー@中小企業診断士
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SNSはユーザーの世界観に沿ったコンテンツを次々とレコメンドするアルゴリズムを通じてエコーチェンバー(反響室)効果を促進し、自分の意見の正しさを益々確信して意見が異なる相手への批判は先鋭化し過激になる。アメリカにおける共和党派と民主党派の分断が深まっているのはSNSの影響である。この分極化に関する常識を覆す「計算社会学者」の本。エコーチェンバーから出ると、つまり自分と異なる意見を目にする機会が増えると穏健になるのか?実験結果は逆に意見が強化された。つまり保守的な人はリベラルな意見でさらに保守的になった。
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R
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アメリカにおけるSNSの影響を調査した本。ほぼ論文といって差し支えないような堅苦しい内容ながら、壮大な社会実験めいたことを行っていて、非常に興味深い内容だった。SNSによって妙なアイデンティティが形成され、それが歪んだ仲間意識のようになり、他者への攻撃を加速させていくプロセスが、様々な内容から示されるわけだが、立場や所属という概念を発端にして、異端排除が醸成されるのは避けられないし、それを助長するSNSという姿だが、人間の本性が排他性をもって、たまたまSNSがそれを鮮明にしているだけともいえる。
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ふら〜
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政治的対立(保守派とリベラル派)が先鋭化する昨今、SNSがそれを助長している側面があると、インタビュー等の調査で明らかにしている。自分の意見の合わないものはミュートしたりフェイクニュースといったり、様々な意見や考えが同在しているプラットフォームにおいても対立の溝は深まる傾向。アメリカの話だけど日本を思い浮かべてもその通りだなと肌感覚ともマッチする。
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人生ゴルディアス
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フィルターバブルを破ってみたらどうなるか? 結果は、対立政党の意見をちょくちょく見せられると、視野が広がる代わりに意固地になる。よって、人はデータによって思想信条が決まるのではなく、その逆である可能性が高い、みたいな話。また想像以上にネットはノイジーマイノリティで溢れていて、たいていの人が目にする政治的に偏った言説は、その派閥においてもなお引かれるほどの超極端な人の意見で、対立派閥からの偏見を助長している…とかとか。人間はSNSをやるには愚かすぎるのじゃ。
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bwv851
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いきなり対立見解に触れても自説を強めるだけ、というのは常識的なら考えとは異なる実験結果だ。挙げられている問題点へ「これだ!」という対処法は示されない。それだけ根が深い問題なんだろう。 ・snsは自身のアイデンティティの手直しを助ける、投稿レスポンスのフィードバックループでアイデンティティを屈折させるプリズムである、というのが本タイトルの意味。 【偽りの分極化】false polarizationは知っておいた方がよさそうだ。対立する考えとのイデオロギー差異を実際よりも過大に双方が捉えてしまうこと。
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げんさん
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問題は、たいていの人がそれまでの意見を強化する情報を探し求めることだ。
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ossan12345
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SNSがなぜヒトを過激にするのか?という問いをソーシャルメディア・プリズムの概念で説き起こす本。ただ、共和党VS民主党、いわゆる保守VSリベラルの観点で語られる内容がほとんどで、折角ソーシャルメディア・プリズムという新たな概念を持ち出すのであれば、社会学的・メディア論的により幅広い角度から論じてくれれば興味が維持できたかなと思います。過激主義者が幅を利かせる過度に分極化したSNSの世界は実感として理解できるが、その解決策としての分極化の緩和努力は、理想論として読みました。
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河村祐介
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実は人間の自己承認欲求的なところでSNSは合っていて、ある種の儀式として、徐々にそれによってアイディティを一部の人は過激化させ、屈折させていくという話。
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right27
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見返しの遊び紙が黒地に様々な色のラメがきらきらするようになっていた。タイトルにちなんでこだわったのだろうか。SNSで無防備にエコーチェンバーを出るとむしろ「アイデンティティ」の強化につながるところ、マイクロターゲティングが消費者行動を左右する証拠がほぼないとする部分が興味深かった。また過激な発言をする人は実生活で得られずにいる社会的ステータスをSNSに求めているとする部分は日本でも同じようなことを言ってた人がいたような。日本で同じ実験を行ったら験の内容や結果がどう変わるんだろう。日本版を読んでみたい。
right27

最後らへんの新しいプラットフォームを追求する云々の話をしている箇所は、そんな高尚な理念が実装できるだろうか……結局ユーザー側のニーズがあるし……ともやっと?した。相手が概念ではなく自分と大して変わらない「人間」として感じられるかどうか(漠然としているが)はなんだかんだどこでも大事だんだなーとか月並みな感想に落ち着く。

11/03 17:56
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ABAKAHEMP
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ちょうど本書を手にとるタイミングで、ナンシー・ペロシ下院議長宅に侵入した男による襲撃事件が発生し、読み終えたところで、Twitter社を買収したイーロン・マスクがこの事件には隠された裏があると意味深なツイートし削除する騒動があったことを知った。著者はSNSが「偽りの分極化」を加速させたのだと主張しているが、それはどういうことか? なぜ「偽り」なのか? 「偽」ではなく「真」の分断ではないのか? それに答える前に、まずよく語られる「エコーチェンバー」に関する通念を疑ってみる必要がある。
ABAKAHEMP

我々は対立党派のイデオロギー的過激主義を過大評価する一方で、自党側のそれを過小評価しがちであるのだが、プリズムによって「偽りの分極化」は一気に進んだ。 「政治に関するソーシャルメディアでの議論に穏健派がいない、とはどういうことか?私の見立てでは、これこそがソーシャルメディア・プリズムによって生じる最も深刻なゆがみだ」。ソーシャルメディア・プリズムが過激主義を勢いづけ、穏健派を〝ミュート"し、私たちの大半に相手方への深刻な疑念を抱かせている。

10/31 18:46
ABAKAHEMP

過激主義者は図に乗ってますます過激な信条を表明する一方で、穏健派を幻滅させる。そして、大勢の穏健派がそうした過激主義を相手方の典型的な考え方だと誤認するようになる。しかし、穏健派の不在が過激主義者の注目を高めていることは間違いない。「プリズムによる最も重要なゆがみは、政治についてまったく投稿しない人によって生まれている。ソーシャルメディアに穏健派の声が上がっていないことは、プラットフォームに過激主義者が大勢いることよりも政治的分極化に寄与している。穏健派がいないと過激主義者が公の場での対話を支配できる」

10/31 18:47
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アキ
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ソーシャルメディアは若者を中心に拡がりを続けている。そしてそのプラットフォームではより過激な言動が分極化を助長させているように思える。アメリカにおける民主党と共和党の支持者を主な対象として、数年間のデータを用いる計算社会科学を専門とする著者による分析過程と結論を示す。ソーシャルメディアは、自身を写す鏡ではなく、自己を屈折させるプリズムであり、それをハックする方法と、尊重と相互理解を深めるプラットフォーム作りが有用である可能性を示している。謝辞にて亡き父との会話が内なる利他性を呼び覚ます様に胸が熱くなる。
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ぬぬ
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エコーチェンバー周りの話は分かりやすく面白かったが後半の統計的な実験の話は実験の条件やデータを並べただけような印象で興味が失せてしまった
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Kosuke
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政治的意見(リベラル/保守)の異なる何人ものケースを挙げて、エコーチェンバーに囚われる過程やそれを壊す実験を行っており、その具体的な手法が面白かった。なぜ過激にするのか、一言で言うならば、敵対的意見や同意見の穏健派すらも攻撃することで、集団的アイデンティティを獲得するため…と言えると思う。SNS上での政治的議論…レスバのようなものが相手の意見を変えることもほぼ無く、むしろ増長させる結果になりがちであり、SNS上での対立意見のやり取りが建設的なものになることはあまり無いんだな…と少し失望してしまった。
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ずー
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SNSは自分と同じ意見ばかりに触れるエコーチェンバーがあるから良くない!ということはよく言われているものの、かといって対立意見にただ触れるだけではトラブルしか起きなくない?と思っていたので、「実際にエコーチェンバーから出て対立意見に触れると、人は相手の意見を受け入れるどころか、逆に自分の政治的立場の度合いを強めることになる」という本書の分析結果は腑に落ちた。相手のアイデンティティに関する情報を伏せた状態にすることで対話を建設的に行いやすくする新しいプラットフォームを提案しているのも面白いと思った。
0255文字
heaven of 20
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ソーシャルメディア・プリズム。インターネットにおいて自分の望む姿を自己呈示することによって、一種の演技空間が開かれている。アーヴィング・ゴフマンや、クーリーの「鏡に映った自己」のような社会学を学んだ人にとっては懐かしい内容がここに書かれている。社会心理学の調査の結果のようなものもあって、読んでいて面白い。具体的な記述が多いので、データとかに当たることが必要な人にも向いていると思う。エコーチェンバーやフィルターバブルについて聞いたことある人にはおすすめまだ詳しく検討できていないけど、内容としては面白かった。
0255文字
Go Extreme
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