形式:単行本(ソフトカバー)
出版社:扶桑社
ナインティナインのオールナイトニッポンに開始当初から参加している小西マサテルのところで、鮎川哲也賞に最終候補まで残ったけど落選したと岡村隆史に話したら、読んでくれて、かつ細かく感想を言ってくれたというのが出てきて、あれ、そういえば…と思ったら、この本が刊行されてすぐぐらいに、「このミステリーがすごい!大賞」を受賞してました(『名探偵のままでいて』というタイトルで刊行)(続く
放送作家は、専門の学校を出てというより、番組に ネタを投稿して、スタッフに覚えられるぐらい読まれて、その後に直談判してなるというのが多いようです。 また、直接仕事を教えてもらうというよりは「見て盗め」という感じ。ゴミ箱からあさって、こんな風に書くのか と参考にしたなんてエピソードも。くりぃーむしちゅーのオールナイトニッポン等を担当した石川昭人の パクるのは、横からではなく奥(横並びの番組ではなく、歴史をひもといて過去の番組からパクる)、「古い刀でも、研ぎ直せば 十分斬れるんです」というのが印象的でした。
メールから台本になかったような縦軸が生まれて広がっていくのほんと面白い。佐久間さんのラジオで福田さんの演出側としての主観と客観のバランス感覚が抜群らしい。 「心が動いた瞬間を話す」日常で感じる妙な心のざわめきみたいなものを、話のスケールに関係なく、自分の感情をベースに話す。だから若林さんのトークは引き込まれるんだなぁと思った。
もちろんコンプライアンスにうるさい時代だし、発言も切り取られすぐ炎上してしまうので、深夜ラジオが以前のようなタレントのガス抜きの場として機能しなくなった、という部分もあるだろう。個人的には、若くしかも多忙でストレスも溜まっているはずの霜降り明星のオールナイトが、思ったよりつまらないのが結構カルチャーショックだった(ラジオで解消できないストレスは配信などで発散しているのだろうが)。この本は、ベテランの藤井青銅含め現役ばかりなので、過去を過度に崇拝するような見苦しさはあまりないが、それでも時代の断絶は感じる。
尤も現役だからこそ多方面に気を遣って、結果インタビューに喰い足りなさを感じるのも確かだ。出版社もニッポン放送と同じフジサンケイグループだし、半ば企業のパンフレットのようなものと割り切るべきか。こぼれ話的なエピソード(三沢光晴が「セシル」を泣きながら歌ったことなど)は興味深いが、どうせなら佐久間宣行などより、何人かが話題に挙げている鈴木おさむからも話を聞いて欲しかったな。その方が、鈴木の弟子であり、今や伝説的番組となったアルコ&ピースのオールナイトを主導した、福田卓也のインタビューも立体的になったと思うが。
→ ボクがラジオに出会ったのは16.7年前。当時小学校4年生だったボクは、お父さんにもらったiPad nanoで聴いていたJUNKのポッドキャストでした。そこで深夜ラジオの面白さにハマり、radikoかリリースされるまではYouTubeに違法でアップロードされてるのを聴きまくる日々…。リアルタイムで聴いてないボクは本当の意味での深夜ラジオは楽しめてないんだろうな。
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