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永遠よりも少し短い日常

感想・レビュー
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しーのこ
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長崎の図書館「ミライon図書館」にて。 眠りながら起きながら読んだ。
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🌙🐟
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旧仮名遣いを使ってはいるが書いてることは新時代って感じ、理想の女性は戦ヶ原ひたぎじゃなくて妻と言い直すみたいな短歌とか。生まれてから令和元年を短歌で表すコーナーも面白かった。無機質にへえと繰り返す国民ばっかだなこの国みたいな短歌とか、なんにでも王子ってつけてる我々こそ軽薄王子やでとかほんまにそうよな、シニカルなのもおもしろい。印象的だったのは、1995年の、仕事で春の神戸に来た、春の匂いがしない神戸にという短歌。震災の年だものね。春なんてなかったでしょう、被災地に季節なんてないんだな、と思うとつらかった。
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うさみん
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第七歌集。私を遠くから眺めて【私】を問い直す歌が多かった。著者の短歌は抒情詩を優等生の力業で感情を剥がしたり繋いだりを繰り返す。私の好きな歌を紹介する。【わたくしをすべてひろげて丁寧に折りなほす青い鶴となるまで】【読点がそこに打たれて川名から向かうでは別の秋がはじまる】【雑音のなかからゆるくたちあがるこの世の音のひとつに時計】【何か一つ色がこの世に欠けてゐるやうな秋暑のなかバスを待つ】【群青元年とかどこかしら明るくてわたしも改元されたい五月】。
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おひだい
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「雌雄とはかぎらないけど京の空をリリカルに冬雲が寄り添ふ」「遠い夏の朝のピアノを聴くやうに過ぎてゆくその船を見てゐた」「ボールペンが落ちても鞄をひらいてもすべての音が十月である」「蜩の声たつぷり沁みてゐるここに住む以前からここにある窓」「録画せよセブンイレブン着膨れて不審者のやうに飛びこむ俺を」
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氷見
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「私」という器からこぼれた数えきれないわたしを拾い集めていくように詠んだ歌。細片回収する場所がわたしにとって馴染みのあるところが多く、それぞれの歌と自分との距離の近さを楽しんだ。《次はリューグーつて聞こえた名鉄のドアがひらけば夏の龍宮》今さらなんだけど、わたし毎日、海の上が終点の電車に乗ってたんだ。ジングウマエで乗り換えても、リンクウトコナメに行けるよね。赤い車両と青い海の鮮烈なコントラスト。日々の延長線上の透過する景色が、ふいに目の前に立ち現れる瞬間。ありふれた日常をありあまる幸福に変えてもらった気分。
氷見

《たましひの溢れる音をさせて妻が小壜に詰めてゐる春の塩》、《わたくしをすべてひろげて丁寧に折りなほす青い鶴となるまで》、《雨はゆめのどこから降るか紫陽花をゆめの端から湿らせて朝》、《ボールペンが落ちても鞄をひらいてもすべての音が十月である》、《わたしは私をきんもくせいは金木犀をはなれてあそぶ名城公園》、《死ぬまでの時間のつねに縮まつてゆくこと蕪の煮えてゆくこと》、《辞書にないことばの雑ざる冬晴のあなたのこゑのなめらかな海》

04/14 06:29
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yumicomachi
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〈わたし〉を構成するもの、かつて〈わたし〉だったもの、これから〈わたし〉になるもの……などを表現した歌が面白い。〈秋のひざしが秋のわたしを分離して猫と眠りと寂しさになる〉〈わたしは私をきんもくせいは金木犀をはなれてあそぶ名城公園〉〈いまのいままでわたしの先端だつたのに切られて冬の灰皿に爪〉〈夏は秋へ急ぐわたしはわたしから外に向かつて自転車を漕ぐ〉等。また、殆どの歌に季節を示す語があり、俳句で季語として使われている語も取り入れられつつ、俳句とは異なる独特な抒情がかもされている。2022年8月発行の第七歌集。
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りっとう ゆき
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夢で淹れかけてゐたその珈琲の続きを淹れて春とつながる/FF外から失礼しますとゆふぐれの芙蓉がシャイな声で囁く
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桃カステラ
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ボールペンが落ちても鞄をひらいてもすべての音が十月である▲中年がなくていきなり老人になるのかなうろこぐもいわしぐも▲みかんの皮をらせんに剝いて私からなにかを継いだ私が 笑ふ▲これと言つて求める何もない冬の図書館の深くまで来て戻る▲誰の霊かはわからないけどかをりよき秋のひかりの八事霊園▲火曜市のイオンにひとり来て冬の夜に必要なしづけさを買ふ▲やけに静かなゆびさきだつた財布からカードを何か一枚出して▲健やかでしかも一層病んでゐる朧夜をゆくヲギハラヒロユキ【2022/8/24発行・書肆侃侃房】
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わいほす(noririn_papa)
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前歌集「リリカル・アンドロイド」にすごく共感し、この歌人が大好きになり、本歌集は中身も見ずに即買い。なのに不思議と共感できる歌が少ない。それで前歌集を再読してみると、テーマもよく使われる言葉も雰囲気もそれほど変わらない。でも、本書の「永遠とか言つてた口をとりかへもせず菜の花のパスタを食べる」より前書「結婚をして何年だつたか咲いてゐる菜花のまざる菜花のパスタ」のほうが可愛らしくて断然好きだ。もしかすると、前作のリリカルな部分が少し冷めたレトリカルになっていて、それは著者があえて軸足を戻したからかもしれない。
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