形式:単行本(ソフトカバー)
出版社:ミシマ社
形式:Kindle版
「はじめに」土井:<なんか今日は出だしから、ええ感じに、大阪の言葉が出てきます。なんでやろ。ここは素直になって書かなあかんと思てるからかもしれません。いつも思うんですけど、大阪の言葉は、地球とつながっていますから、ウソ言われへんのです。土地の方言ってそういうものやと思います。「ええかげん」はええこと悪いこと、ぜんぶ含まれています。ええかげんの中に全部あるんです。そらそうでしょ。あなたと私のあいだにあることを言ってるんです。あなたが損して私ばっかり得してたら、あかんでしょ。/勝ったり負けたり、でいい>と――
【偶然を受け取る力を鍛錬する】土井:<石川九楊先生という、私がとっても敬愛する書家の先生は、昨日と同じ字を書こうとはじめっから思っていない。常に新しい字を書く。その新しい字というのは、どこから生まれてくるのか。ポッと、ピッと、跳ねた、そこに今日の新しさがある。それに呼応して、今日の新しいものが生まれるというのです。昨日と同じものをやろうという予定調和ではだめなのです。同じ物をつくるのは機械に任せておけばいい。同じ物をつくれない機械は、役立たずだから廃棄されるんです。だけど、人間はその反対で>、同じはダメ。
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