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イラストでまなぶ!用兵思想入門 現代編

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たろーたん
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近世・近代の用兵思想として、戦争にはこうすれば必ず勝てるという不変の原則があると主張したのがジョミニだ。対して、戦争は複雑な現象であり、絶対の原則はないと言ったのがクラウゼヴィッツである。将兵の過失や天候の急変など、事前の確実な予測が難しい事象や偶発的な事象が、指揮官の意思決定や部隊の行動などに及ぼす影響を「摩擦」という概念にまとめた。そして、この摩擦や戦場の霧は未だ有効な概念とされている。そして、19世紀になり戦争の規模が拡大すると、一人の最高指揮官がすべてを判断するのは難しくなり、(続)
たろーたん

そのため、アメリカ側はすぐさま動くようにしなければいけない。逆に、湾岸戦争のように1990年8月2日の始まり、5日後の8月7日に派兵を決定。しかし、先端が開かれたのは1991年1月17日。2月24日に地上部隊が進行を開始し、28日に地上作戦が終了する。約5ヵ月もかけて作戦を準備し、1ヶ月以上も航空攻撃を続けてから、地上部隊の進行を開始して、5日間で作戦を終えているのだが、こんなに遅くてはダメという訳だ。

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たろーたん

ここから個人的な感想。二つ面白い点があった。一つ目は、不謹慎だが、戦争というスポーツに勝つためにはどうしたらよいかというノウハウ的な面白さがあった。二つ目は、最後の「マルチドメイン・オペレーションズ」における「競争・紛争・競争回帰」のサイクル。「戦争/平和」の二元論がグラデーションのように溶けたこの世界観だと、完全な戦争もなければ完全な平和もなく、常に世界は“戦争状態”になる。「工作員が分断戦略をしている」と言う参政党・神谷宗幣を馬鹿にしていたが、彼の世界観だとこうなのかもしれない。

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12件のコメントを全て見る
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タカバル
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ネタバレ作戦術は、戦術を戦略に繋げるものであるという漠然としたイメージがあったが、本書でより理解が深まった。絶対的なドクトリンなど存在せず、試行錯誤を繰り返しつつ、時代に適合した戦い方を探求する大切さを認識した。
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かなぶん
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弱者の戦略として、真正面から戦っても負けるなら他の領域を使ったり、抑止力としての軍事力を持ったりする必要があることを学んだ。仕事でも同じことが言えそう。
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羊山羊
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イラストで学ぶと書いてあるがフツーにイラストより文章の方が多い!何はともあれ現露―宇戦争に興味ある人にはイチオシ。本著の第1章で書かれるソ連の用兵思想史は現在でも現役であることがよくわかる。P30で書かれている全縦深同時打撃は2022.2.24の開戦時のロシアの動きのまんまである。本著でも指摘のある1936年の赤軍野外教本は注目されるべきだろう。この現露―宇戦争にもミニコラムがあって「不徹底な通常戦」と手厳しい指摘がなされる。他にも米国の用兵思想もまとめられていたりと読み応え抜群の1冊。
0255文字
毎日が日曜日
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戦略と戦術の間を繋ぐために作戦術という概念があるのを初めて知った。ロシアのハイブリッド戦争のやり方とかも勉強になった。
0255文字
yo
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【米・ソ・ロの戦い方の変遷】1回で勝敗を決する戦い方から複数の作戦を連ねることで戦略目標を達成させるソ連に対し、任務戦術を取り機動力を確保することで柔軟に対応しようと試みたアメリカ。さらに、軍事的なぶつかり合いにとどまらず、PMCの活用や電子戦・心理戦を含めて戦うことを覚えたロシアに対し、さらに宇宙やその領域感の繋がりを意識することにしたアメリカ。こうしてみると米ソ・米ロでお互いに強く意識しあい、競争しながら用兵思想を発展させていっている様がよくわかる。適宜イラストが入るのがちょうどよくわかりやすかった。
0255文字
てら
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20世紀後半から21世紀現在までの「軍事思想(ドクトリン)」を概説したきわめて真面目な一冊。各国ごとのカラーの違いとそれが現実の戦争に及ぼす影響がとても興味深い。正直に言って自分はこの本の半分も理解できなかったと思うので、再読したい。
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大蔵大臣
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主にWW2~現代にかけての米国・ロシアのドクトリンの内容をイラストを用いて簡潔に述べている。こうして読むと冷戦期の米陸軍のエアランドバトル、海兵隊のマニューバーウォーフェアのミッションコマンドも近代ドイツ陸軍の委任戦術の流れを汲んでるし、ロシア縦深作戦も日露戦争で「会戦が時代遅れ」であるという認識が出発点となってる。やはり近代の用兵思想の理解も必須だなと感じた。近代編もあるので次はそちらを読みたい。
0255文字
JF1RLN
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前作の近世編と併せて読むといいですね。わかりやすく現代にまで通じる本になってるので良いです。十年位前にあった歴史群像アーカイブだとエアランドバトルくらいまでだったので、それ以降のドクトリンの概要を知るのにちょうどいいと思います。
0255文字
つわぶき
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WW2以降の用兵思想の概要を図解を用いて解説した本。ソ連の作戦術、米陸軍のエア・ランドバトルと米海兵隊のマニューバ・ウォーフェア、ロシアの所謂ハイブリッド戦及び米陸軍がまさに発展させているMDO(マルチドメイン・オペレーションズ)について扱っており、最新の部分までカバーできる。特にMDOの考え方は、昨年12月に閣議決定された戦略三文書にも濃厚に反映されており、我が国の安全保障戦略の理解にも不可欠であると思う。
0255文字
たにやん
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同著者の近世・近代編の続編としての現代編。前作で説かれたクラウゼヴィッツの戦場の霧・摩擦の概念、委任戦術などを前提としつつ、WWII戦中戦後におけるソ連/ロシアとアメリカの戦争に対する捉え方の変遷をやさしく記述する。なかなか理解するのに骨が折れる内容だけれども、イラストで本文を復習するスタイルなのでついていける。エアランドバトルやマニューバ・ウォーフェアなどはWWIIゲームのhoi4で言葉だけは知っていたが、ようやく概要を理解できたように思う。
0255文字
サケ太
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作戦術の形成、現代的な戦術に徐々に変化していくのが面白い。ハイブリット戦争、というものがようやく理解できた。複数の領域、要素を組み合わせ、連携させる”現代”の戦争。戦争、用兵は今後も変化していくのだろうか。世界情勢はどのように変化していくのか。注視していきたい。
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無重力蜜柑
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ソ連の作戦術(および縦深作戦)、アメリカ陸軍のエアランド・バトルと海兵隊のマニューバー・ウォーフェア、ロシアのハイブリッド戦争、そして現代アメリカ軍のマルチドメイン・オペレーションズ。どれも知ってはいるが用兵思想の発展史として並べてみると意外な繋がりが見えて来て面白い。例えばアクティブ・ディフェンスは縦深作戦へのカウンターとして生まれたが戦力の物理的破壊を目指す火力戦・消耗戦だったから、作戦術の発想を取り入れつつ委任戦術や機動戦も組み込んだエアランド・バトルができたとか。
無重力蜜柑

ウクライナ危機におけるハイブリッド戦争の成果を踏まえてエアランド・バトルをマルチドメイン(陸海空+電磁波+宇宙+サイバー空間+認知)にまで拡張したのがマルチドメイン・オペレーションズ。認知が戦場の一つになっているのが目を引く。もちろんプロパガンダの必要性なんてのはラジオの時代から言われていることだが、それを軍事領域に戦術、作戦として組み込むのが面白い。「西側陣営は汚い手段を使えない」という話は、そもそも汚い手段の判断基準を握っているのが西側の認知戦における強大な武器だよなあ、とも思う。

11/30 19:38
無重力蜜柑

こう並べてみるとエアランド・バトル(湾岸戦争=冷戦最終局面)からハイブリッド戦争(ウクライナ危機=現代の新冷戦)まで時間が飛んでおり、非国家主体によるテロだの非対称戦争だのは正しくオワコンになったことが分かる。まあ強大な軍事国家によるテロの方が民間のテロ組織の100倍怖い、という話になればねえ。この先はどうなっていくのだろうか。

11/30 19:41
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akiakki
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前作の「近世・近代編」の続き。冷戦-ベトナム戦争を経た現在の用兵思想が解説されています。現代の用兵思想は考える領域が一層広がったため「空間と時間を連続的なものと考える」「有利な空間をいかに広げるか」と抽象化された綱引きのように読めました。もはやここまでくると戦略-戦術とも直接リンクしないまさに思想ですね。
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頭飴
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 用兵思想基礎×現代。前巻「近世・近代編」から続刊の現代編。  単語では聞いたことがあったソ連の作戦術の説明から始まり、エアランド・バトルやロシアのハイブリッド戦争の説明などがイラストと共に解説されており理解しやすかった。  現代においては陸海空の現実領域だけでなく、サイバー空間のような仮想領域や人の認知領域すらも戦いの場となることを自覚させられた。  マルチドメイン・オペレーションズ(MDO)に関しては発展途上の用兵思想で実践例がないため理解が難しかったが、実例が出来ることがない未来を祈ってしまう。
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