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現代を生きる日本史 (岩波現代文庫 学術457)

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さとうしん
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縄文時代の歴史は「日本史」なのか?という問いからはじまり、日本史の中の暴力を問題にしたり、民衆のふるまいや鉄火起請、闘茶などの風俗習慣を取り上げたりと少し変わった日本史講座。本書を読むと武士という存在がかなり異様に見えてくる。また闘茶の席で参加者が平等な立場で楽しめるように工夫がこらされたという話も面白い。「現代」の視点で歴史を見るとはこういうことなのかと気付かされる本。
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てつ
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受験日本史から本格的な日本史を学ぶ橋渡しを目指すという本書。この種の本はないではなかったけれど、受験日本史をさらに詳しくするものでした。本書は問題意識を与えてくれる良書だと思います。
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のら
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大学の教養科目のテキストを底本とした1冊。縄文時代は「日本史」なのかという疑問から始まり、先妻が後妻宅を襲う「うわなり打ち」にみる女性の立場の変遷。焼けた棒を握り火傷の具合によって正邪を裁く「鉄火起請」にみる信仰心の変遷など、中高で習う日本史からは見えてこない日本史を描く。今まで読んだ日本史の本では扱われることの無いトピックが多く、日本史をより深く知り楽しむことができました。大学の教養科目のテキストということもあり、最低限の日本史の知識は読むにあたっての前提となっています。その点ご注意ください。
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於千代
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大学のテキストという触れ込みであるが、通常の通史ではなく時代ごとのトピックからその時代を見ていく。タイトル通り「現代を生きる」上で考えさせられるテーマが揃っていると感じた。
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kuukazoo
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室町ハードボイルドの清水氏と『幕末社会』(岩波新書)が面白かった須田氏による全14講の日本通史。大学の教養科目の日本史のテキストとして刊行されたものの文庫化で、通勤電車で面白く読んだ。中でも植民地にされた韓国や台湾、そして沖縄についての章を読み、よく知らないままで来てしまったなぁと痛感...折々学び直さねばと思う。また最終講では歴史学の歴史や歴史を学ぶ意味についても述べられ、最初から最後までとても学びの深い1冊だった。
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浅香山三郎
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歴史を学ぶ上での視座・論点を、それぞれの時代の社会の構造の特色に着目したり、いまに通じる問題系に接続してみたりして、とらへてみやうとする試み。古代の道路と律令国家のイデオロギー、うわなり打ちといふ慣習の機能、武士たちの論理と倫理、寄合・一揆の論理と排他性、戦国領主と地域社会、など社会の在り方がメインに据ヘられることで、用語を覚へる日本史よりも先にある、日本史の奥深さを提示する。
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Pyonkichi
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日本史専攻ではない学生向けに編まれたテキスト。通史的な構成ではあるが、著者の視点から各時代を象徴するトピックを取り上げていて、読みものとしても面白い。特に闘茶と鉄火起請の話しは全く知らなかったし、かなりマイナーなトピックだと思うが、それぞれの時代像が浮かび上がり興味深い。現代社会や歴史学についての著者たちの立場もはっきり示されている。
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ほし
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子どもの頃から暗記という行為が嫌いだったせいで、歴史というものにあまり親しみを持てないまま大人になってしまったのですが、この本を読み、その面白さに驚きました。古代の道路や室町時代の茶の文化、江戸時代の村における裁判など、多様なトピックを取り上げながら、それぞれの時代に生きる人たちの心性が立体的に描き出されています。現代を生きる私達がそれと向き合うことで何が見えてくるのか。うねりの中、かつて帝国への道を進み、瓦解した日本。本を読みながら、まるで歴史の方から自分が見られ、問われているように感じました。
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