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街の牧師 祈りといのち

感想・レビュー
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やん
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読みたい本に登録されていて、県内で唯一蔵書のある場所に出張に行ったついでに借りてみた。市井の牧師がいろんな悩み事に対応するというようなケーススタディ的本を予想していたところ、むしろ本人の苦悩の変遷が柱になっていた。悩みを抱えて教会にやってくる人に対して神的な上から目線で対応するのではなく、自身もどっぷり首まで浸かって共に溺れないように足掻いているような印象を持った。悪い意味ではなく。表紙の絵が象徴的。
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梅干を食べながら散歩をするのが好き「寝物語」
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▼著者は現職の牧師。▼青年期に不登校や引きこもりを経験。牧師になってから精神を病み閉鎖病棟に身を置いたこともある。その体験や、困難な事情を抱える人々と向き合いつつ思索したことなどが綴られている。生々しい。▼自らの不甲斐無さや、人を傷つけ自らも傷ついたことも隠さず書いている。牧師としての建前は語らない。のめり込むように読んだ。▼著者が聖書の言葉や神を思いながら疑ったり悩む姿もみられた。一筋縄ではいかない事に向き合う中で、神が見えることもあるのだろう。そういったことを思わされた。聖書を引きながら読むべきだ。
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ぽぽる
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非常に丁寧に考える人だな、と感じた。認定NPO法人 抱樸の奥田知志牧師の言葉として、「社会とは、健全に傷つけあう関係のことです。でも今は、誰もが『人に迷惑をかけてはいけない』と気にしながら生きなければならない。とても窮屈な社会になっています」とあるが、これは正鵠を射ているし、本書はそういう社会で周縁部に追いやられた人々と共に考える論考である。
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higassi
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★★★☆☆ ネットで知って手に取りました。牧師さんというと達観した穏やかさを勝手に想像しますが、本作の沼田氏はご自身も苦悩されながら信者に接する姿が印象的でした。ネット上での言葉の暴力も横行する生き難い時代に大切な一冊です。
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わさび
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ネタバレ以前「牧師、閉鎖…」は読んだ。この本では結婚式場のアルバイトをした部分が印象に残った。司会したカップルはほとんど離婚してしまったのだとか。地方出身の若者が東京で出会い、親族が遠方にいる(物理的にも心理的にも)状況での二人暮らしでどんどん社会に対して閉じた関係になっていく。自身の結婚生活を振り返りながら、若いカップルに余計なお世話をしているという。また、愛情では続けられない(児童養護)、誰かを悪者にして溜飲を下げる時代、福祉の高いハードル、教会はまぶしすぎる(人間関係があり社会性要)のところには共感した。
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チェアー
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汝の敵を愛し、汝の敵のために祈れ。汝を迫害する者のために赦し、祈れ。その赦しとは何なのだろう。施しではない。それはもっと大きな赦しを自分が受けたことへの償いようもない。自責の念だ。赦せば赦すほど自分がいかに赦されてきたかを強烈に感じるようになる。もはや人間として償いようもない、大きなものを日々許されているとの思いだ。
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ネギっ子gen
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【遭遇の衝撃】精神科病院・閉鎖病棟入院の顛末を『牧師、閉鎖病棟に入る。』で綴った牧師が語る、人と神との出遭いなおしの物語。<本書におけるわたしは、いわば崩壊後の再建途上にある。回復を模索するわたしが、やはり傷ついた誰かと出遭う。そこでどんな言葉が交わされたのかや、なにを感じたのかが本書では語られている。消えない傷痕をさすりながら、崩壊する前の自分自身を振り返り再話している箇所もある。キリストに近づき、その信仰に熱くなっているところもあれば、冷めに冷めて、無神論に吸い込まれそうになっているところもある>。⇒
がらくたどん

「たちこめる人間臭のただなかに神はいる」「わたしの出遭う人1人ひとりが、実はキリストなのかもしれない」なんか、『焼跡のイエス』みたいだ。(毎度ながら、未読なのに申し訳ないです。ネギっ子さんのご感想を拝見すると古い記憶に釣り糸が垂らされます♪石川淳、読むか~('_')

03/23 21:15
ネギっ子gen

あ、シンクロしましたね😚  わたしも、この箇所読んで「焼跡のイエス」を思っていました。半世紀ぶりに再読するか~(^_^)v

03/23 23:23
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trazom
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「牧師、閉鎖病棟に入る」の著者が、退院後、牧師に復職して書いたエッセイ。教条を確信をもって語る聖職者とは違い、自らの罪悪感、キリスト教への懐疑、牧師としての限界、世の不条理に対する無力感などに苛まれながら書かれた沼田さんの文章は、余りにも重く、心の中に鉛の塊を預かったような読後感である。聖書の九十九匹の羊の喩えで、群れから迷い出た一匹の羊は本当に「可愛い仔羊」だったのかと問われてハッとする。「割り切れぬものを噛み締めて」という章に置かれた文章だけに、著者の苦悩が胸に迫る。重いけれど心に響く一冊である。
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Toshi53162606
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作家の御田寺圭さんが以前から紹介されていた牧師の沼田和也さんの新刊。 著者の沼田さんがこれまでの過酷な生い立ちと、様々な事情を抱えた人々との出逢いを通して、キリスト教への希望と疑問を述べた内容となっている。 宗教の話になると、最近はごく一部のカルト宗教の影響によって、何ら問題のない信仰を持っている著名人までいわれのない誹謗中傷を受けている。 しかし、個人主義や民主主義を信仰し、音楽ライブやアイドルの握手会に駆けつけ、YouTuberやVtuberにスーパーチャットを投げている現代人は十分宗教的である。
Toshi53162606

したがって、現代人に伝統宗教やそれらに救いを求める人々を中傷する権利など無いに等しい。 それに、進化論を始めとする自然科学の世界でも、近年はロビン・ダンバーやジョナサン・ハイト、フランス・ドゥ・ヴァールやナシーム・ニコラス・タレブらの様な進化論研究者によって、宗教のポジティブな影響が研究で示されており、宗教から学べることは未だに多い。 特に個人の善意では、共感や支持を得られる弱者とそうでない弱者による格差が生まれるという「かわいそう」ランキングの問題の解決などは、伝統宗教から取り入れられる要素が沢山ある。

01/25 23:46
Toshi53162606

僕個人としても、沼田さんの苦しみと比べれば遠く及ばないけれど、沼田さんと境遇がかなり似通っていて、読んでいて他人事とは思えなかった。 僕自身は特に信仰があるわけではないが、浄土真宗やキリスト教の経典を昔から好んで読み耽り、その中の言葉や考え方には癒され、現在の自分の価値観の根底にも深く織り込まれている。 また、僕も著者と同じ様な疾患を抱えて周囲の人々に迷惑をかけ、今なお支えられる立場にあるので、ここまで何もかも告白されている姿勢に強く心を動かされた。

01/25 23:46
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引きこもりや閉鎖病棟入院を経験し、いまは東京にある教会の牧師となっている著者が、過去の経験や出会いについて書いたエッセイ集。文章は読みやすいのに読後感がとてつもなく重たかったのは、著者の苦悩・罪の意識・やるせなさが鋭敏かつ衒いなく描写され、自分自身が普段押し殺している悩みや罪悪感を見つめざるを得なくさせられるからだろう。/この本に突きつけられた問いはまだまだ自分の中で消化不十分ではあるが、今の読後感を忘れないようにしたい。
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