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月桃夜 (新潮文庫 と 28-1)

感想・レビュー
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病んで読書にハマった人
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ネタバレとても面白かった。ヤンチュという債務奴隷の少年が痛いほどの素直さと、衆達の卑劣さと、兄を絶対に自分が守るというサネンの真の強さ。この物語の流れを一歩引いた独眼の鷲が語り、それを聞くのが見たくないものは見ずに避けてきた己の弱さに気付かされる茉莉花。 独眼の鷲の言葉が私自身にも刺さりまくった。 舞台である奄美の歴史もわかりやすく、学びにもなるし響くしで、とても良い本に出会えた。
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M.T
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ネタバレこの小説はファンタジーノベル大賞受賞作ではあるけれど、奄美の奴隷制度に翻弄される兄妹の悲恋を描いた歴史小説でもある。そこに、手塚治虫「火の鳥」と宮崎駿「もののけ姫」のエッセンスが詰め込まれていて、人(あなた)の生とはなんなのかと問いかけられている気がした。奄美にヤンチュと呼ばれた奴隷の歴史があったなんて知らなかった。ヤンチュの子はヒザと呼ばれ生まれながらにしてヤンチュであり、その身分は一生変わらない。アメリカの奴隷制度とほぼ同じじゃないか。本因坊道策と安井家の話が出てくるので「天地明察」を思い出した。
hon

はじめまして。文庫の装丁ムーディーでいいですね。遠田さんらしく濃密な話でした。とりとめのなさもあるけど結構好きです。

07/12 00:34
M.T

honさんはじめまして。 装丁は「海のはなし」にぴったりですね。 遠田さんの本は「銀花の蔵」に続き2作目ですが、こういうお話は私も好きなので他の著書も読みたいと思っています。

07/12 17:17
3件のコメントを全て見る
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Missiy
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ネタバレ現実的な面とファンタジー要素が合わさっており、物語を理解しやすい。搾取される側はいつまでも救われない。奴隷制度の地獄がこの物語の中心だ。海の話と島の話を交互に繰り返すため、過去のフィエクサと現在鷲の対比に後半から胸が痛くなる。最後まで救われない話だと思っていたが、希望はある。この世の終わればサネンと幸せになれるのだと。彼はたった一つの希望を胸に飛び続けるのだ。
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ふうこ
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ネタバレ一気読み。神秘さのある物語に引き込まれた。一生奴隷のような人生は哀れでしかない。恨みをぶつけようにも場所がない。兄妹愛は素晴らしい。が、期待していた甘さとドロドロ感はなかった笑
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もなか。
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残業規制対象外に今も鹿児島の製糖業が入っていることに繋がるのか。ここまでのことが、あるんだ。。
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ゆきこっち
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遠田さんのファンタジー⁉︎甘そうなタイトルとはかけ離れた遠田節炸裂な物語り。役人の正木さん、何故だか西郷隆盛を思い浮かべてしまった。フィエクサとサネンがいつの日か出逢える事を願います。
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ryoma
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今の世界もあまり変わらいのかもしれん。
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エドワード
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現在と過去の奄美大島を往来する、兄妹の物語。二重構造が見事だ。カヤックで航海中に迷子になった茉莉香は、人語を解する鷲から、江戸時代の奄美に生きた、フィエクサ(鷲)とサネン(月桃)の話を聴く。二人は砂糖黍畑で働き、兄妹の契りを山の神に誓っていた。薩摩による厳しい支配や奄美の珍しい風習が描かれる。ある時、薩摩の役人がサネンを見初め、妾に所望する。サネンは代わりに囲碁の好きな兄を薩摩へ行かすことを願う。しかしフィエクサは拒否し、誤って役人を殺してしまう。逃げる二人の運命は…。鷲は兄の転生か。無常と希望の終幕。
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︎💓ひかる💓
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カヤックにひとり乗っていた大きな喋れる鷲(フィエクサ)と出会った。それに島には二人いる!幽霊たちだ!ん~~、魔術的な魅力に満ちたファンタジーノベル大賞受賞作。ってなに?最初は良かったのになぁ。。
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あさみみ
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遠田さんの本は中毒になる…。見つけてまた読んでしまった。これがファンタジーノベル受賞作。爽やかにおわると思いきや、甘かった。遠田さん特有の哀しい人々の物語。
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akiᵕ̈
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沖縄奄美を象徴するサネン花《月桃》が結ぶ、現代パート〈海のはなし〉と過去パート〈島のはなし〉が交錯して物語は進む。兄を亡くし喪失し1人カヤックで海に出た茉莉香。そこで鷲に話しかけられたことから、薩摩支配下にあった奄美という地で、奴隷扱いされ自由のない暮らしを強いられていた制度があった歴史的背景を絡ませた2人の兄妹の壮絶な物語へと誘われる。兄妹として生きていく事を誓ったフィエクサとサネン。お互いがこれでもかという程にお互いを思うが故に襲いかかる悲劇。想いの深さが果たして相手の幸せになるのかを突きつけられた。
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ぽろん
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ネタバレファンタジー大賞受賞作。遠田さんのデビュー作がファンタジー作品だとは、ちょっと意外でした。カヌーで遭難しかけている女性に語りかける鷹のひとり語りで話は、始まる遠い昔の物語。奄美の過酷な奴隷制度の中でかばいあって生きた孤児二人。たとえ、兄妹の契りを結んでも妹への想いが変化するのは自然の成り行きの様に感じた。そんな二人の壮絶な環境に山の神や幽霊の存在が相まって描かれているが、やはりそれは、重く哀しい遠田さんの世界でした。
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あざすたしあ
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薩摩の支配のもと、サトウキビの汁1滴でも自分のものにできない奄美の民。その中でも搾取されるものとして生きるしかない奴隷のような身分の少年と少女が身を寄せ合って兄妹のように生きる。孤独だった少年が妹以上に彼女に思いを寄せるのは必然だったかな。山の神だとか精霊だとかファンタジー要素てんこ盛りで面白かったけど、印象に残ったのは薩摩から来たお役人とか落ちぶれ貴族の囲碁打ちとか人間らしい人たちの描写だった。
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ばんぎらす
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★★★★☆
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ぽてち
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本書は2009年の第21回日本ファンタジーノベル大賞受賞作にして、遠田さんのデビュー作でもある。単行本→新潮文庫nexに収められたのち、今回の再文庫化に伴い加筆修正されたそうだ。初読なのでどのように変わったのかは不明だ。遠田さんの原点がファンタジーだったのは意外だが、結構が違うだけで本質は紛れもない“遠田ワールド”だった。奄美大島を舞台に、債務奴隷として人間以下の扱いを受ける兄妹の過酷な生を描く。同じような兄妹の絆に悩む現代女性のパートと交互に展開する重層的な物語だった。
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baboocon
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遠田潤子さんのデビュー作が改装新版になった。旧版はなぜか新潮文庫nexという新潮社のラノベレーベルなのが不満だったし、漫画タッチのイラストよりも新版の幻想的なイラストの方が作品に合っていると思うのでうれしい。内容は単行本や旧版で散々語ったのでここでは触れないが、微妙に加筆修正されているようなので旧版をお持ちの方でも読む価値ありだと思います。
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ムミン
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茉莉香の闘志が爆裂した時に叫んでいたセリフがなかなかに狂気を孕んでいて、作中で一番やべー(つえー)やつなのでは…。 主人公と妹は義理の兄妹だしそんな禁忌ってこともないと思うけどな。山の神、言葉、祈り云々のファンタジー部分がそのあたりの禁忌性を出すために都合よく使われた気がして全体的に弱く感じてしまった(キャラの強烈な生々しさに比べて) 歴史的な背景は知らないことばかりで勉強になった。 誰もが誰かに搾取されている…というのが感慨深い
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terukravitz
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図書館本★☆☆☆☆
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月桃夜 (新潮文庫 と 28-1)評価90感想・レビュー18