形式:単行本
出版社:晃洋書房
複数の世帯からなる組がコモンズに関する収支計算や分配の単位として用いられることが多かった(80頁)。私は個人的に、閉鎖的な村社会、町内会というのは、離脱の自由を求めたい。渡る世間は鬼ばかりだよ。。制度選択の過程を理解するためには、過去の決定の上に現在の決定が成り立っている歴史的な過程として考えなければならない。他の選択肢を閉ざしてしまいかねない(248頁)。そのため経路依存的(注11、265頁)。人々は、損害をより重く見るし、目先の費用に大きな関心をもつようだ(254-5頁)。
近視眼的かもしれないが、田舎の第1次産業従事者にはありがちな傾向かもしれない。それだけ、厳しい社会状況ともいえよう。官僚の画一的なルールの押し付け(260頁)は、厳に慎むべきだろう。本書は、成功例のみならず、失敗例からも学んでいる。だからこそ、ノーベル経済学賞だろう。
難いが、企業などの組織設計を考える上でも重要な視点を与えてくれている様に思う。むしろ環境や社会が破綻を迎えずに持続可能な価値を生み出すことを可能にする為の組織や組織化は今日ではホットな話題だろう。ESGは勿論、パーパス経営だとか人的資本経営だとかも組織のガバナンスをどう設計して持続可能性を確保しつつ価値を最大化かするのかが問いである様に思う。個人的には飛躍はあるが、社会的に好ましいスタンド・アローン・コンプレックスに対する組織化の設計指針である様な気がする。
この機能をご利用になるには会員登録(無料)のうえ、ログインする必要があります。
会員登録すると読んだ本の管理や、感想・レビューの投稿などが行なえます
複数の世帯からなる組がコモンズに関する収支計算や分配の単位として用いられることが多かった(80頁)。私は個人的に、閉鎖的な村社会、町内会というのは、離脱の自由を求めたい。渡る世間は鬼ばかりだよ。。制度選択の過程を理解するためには、過去の決定の上に現在の決定が成り立っている歴史的な過程として考えなければならない。他の選択肢を閉ざしてしまいかねない(248頁)。そのため経路依存的(注11、265頁)。人々は、損害をより重く見るし、目先の費用に大きな関心をもつようだ(254-5頁)。
近視眼的かもしれないが、田舎の第1次産業従事者にはありがちな傾向かもしれない。それだけ、厳しい社会状況ともいえよう。官僚の画一的なルールの押し付け(260頁)は、厳に慎むべきだろう。本書は、成功例のみならず、失敗例からも学んでいる。だからこそ、ノーベル経済学賞だろう。