形式:単行本
出版社:国書刊行会
形式:Kindle版
どうかこの男が本人であって欲しいと願い、そうであるなら尚更この状況は辛いと言う思いが拮抗する。ル・カレ作でも感じたことだが、狭間に落ちた人間には居場所がなくなり寒い国とは一体どこを指すのか、個人に優先する国家などあるものかとも考えた。加えて本作では人間の魂を閉じ込める牢獄になり得る外見についても(卵型の金属の仮面だけではなく)思いが巡った。
彼のアイデンティティが職業ではなく思想にその根幹を持つから?…とおもってたところでやっぱり入れ替わり説が出てきた!最後、K88計画爆発事故の修正が思い出せないというマルティーノのモノローグが怖い。マルティーノの思考がコピーされたのは修正を思いつく前までだったとしたら…?疑心暗鬼に陥る、このラストはいいなあ。
それにしてもソノラマ文庫版の『アメリカ鉄仮面』という邦題はいかがなものかと(笑)
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