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アンクル・トムの小屋(下) (光文社古典新訳文庫 K-Aヒ 4-2)

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Kemumu
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大人の都合に溢れた世界で困惑する子供たちの姿が痛ましい。心に従い決して生き方を曲げないトムの行動が周囲を感化するのを見て、神は細部に宿るという言葉を連想した。トムのように強い信念を持って常に行動することが難しいとしても、目の前の人と心から向き合うことで何かを初められるのだと信じたい。とは言え、本作の奴隷商人のように、その時代のコンプラに沿って他人に干渉せず自己利益の最大化を目指すのが、ストレスがなくて現代の一番賢い生き方かもしれない。下巻出番なしの奴隷商人が最後まで頭から消えなかった。
0255文字
shiggy
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さすがの名著。よくこの時代に描けたなと思う。著者が生きている間に奴隷制度はなくなったが、黒人差別は根深く、その後も長く差別は続いている。長く読みつがれるべき物語だと思った。
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ces
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トムのどこまでも神を信頼する姿に心打たれる。 逆にアメリカ大陸の人々はキリスト教の信念を出さなければ奴隷制度をやめられなかったのか?とも思う。 クロウリィの作る料理がとても美味しそうに描写されている。 この作者は人物描写も見事で、とても想像しやすい。 リグリーに対しては嫌悪をエヴァに対しては安らかな気持ちを抱けるように自然となっている。
0255文字
tks48
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ネタバレエヴァが天に召される下りやトムの殉教は涙が出そうになった(メロドラマ的だったにしても)。…が、ジョージのリベリア行きの決意が全てぶち壊しに。差別する側になってどうするの!?
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界烏
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殉教……感情と信仰、家族愛に訴えて奴隷制度の非道を問うた時代を動かした一冊の下巻です。母譲りの良心をもつが現実の落差から怠惰で紛らわせるサンクレア氏、その従姉で北部からきた堅物(現代でいうならポリコレみたいな)だけど真面目で熱心なオフィーリア、そして天使のようなわけ隔てない慈愛をたたえた娘エヴァーートムは一時穏やかな日を送る。だが奴隷虐待を喜びにするリグリーに買われて暗転。目を付けられ拷問されても信仰を貫く……。ジョージの逃亡パートがひと段落、トムの受難が主。巻末解説付きで米国史入門におすすめ
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ブッチ
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アメリカでは聖書の次に読まれていると言われている古典的名著。現代でも、肌の色による人種差別が根強く残っている世界を考えると、なかなか考えさせられる作品であった。
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押さない
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旋風を巻き起こした物語の最大要素の一つ、キリスト教の精神に基づく共感力が民衆を強く掴み後押ししたものと思われる。神の元に集まる人の祈りが色濃く出ている。
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ブラックジャケット
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下巻では売られていくトムたちの船旅の時に、水に落ちた白人の美少女エヴァンジェリンを救ったことで運命が変わる。しかしエヴァの病死、また奴隷には優しいトムの主人も死んでしまう。トムたちは悪辣な南部の農場主リグリーに売られてしまう。神の使いのようなエヴァ、悪魔の成り代わりリグリー、と宗教色が強くなる。聖書からの引用は頻繁で、当時のアメリカ人の気持ちを強くつかんだ。事実、当時としては大ベストセラーで奴隷制廃止論に大きく寄与した。あまりに罪深い奴隷制に対抗するには、キリスト教精神で対峙するしかない時代性も感じる。
0255文字
乱火
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25 ここまで奴隷制度やそれに伴う黒人への蔑視・差別、人々の意識について言語化されているとは思わなかった。これ世界史選択の高校生はみんな読んだ方がいいと思う。
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まふ
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2年後、娘のエヴァンジェリンが結核にかかり亡くなる。主人のオーガスティンは突然家に押し入った暴漢に刺されて死ぬ。奥さんのマリーは実家に戻り奴隷達は売られて強欲な綿農家のリグリーの過酷な扱いを受ける。その奴隷溜りに5年間も住んでいる気の強いキャシーはアンクルトムの絶対的非暴力の姿勢に感化されつつもリグリーから隠れる。リグリーはトムをリンチして白状させようとするがトムは無抵抗のままキリスト教を信じつつ死ぬ。ジョージとイライザは無事カナダに逃げる…。アンクルトムの無抵抗の姿勢が悲しい。G1000。
えか

こんばんは、まふさん。時代が当たり前だと思っている事柄を、声高に反対するのって、物凄い勇気だよね。日本の今、天皇制をこの作品の規模で批判する事を考えると、ホント命がけじゃなきゃやれないものね。しかも、作品という形あるモノにするのは、思うだにぞっとするよ。

06/24 22:22
まふ

えかさん 全くその通りですね。当時のベストセラーとなったとのことですが反対派も多く当然予想されていることだったでしょうが、著者としては命がけだったと思います。黒人派からさえも「無抵抗なアンクルトムなんて冗談じゃない」というクレームがついたらしく、作者の思いはすんなりとは届かなかったのでしょう。めげない偉い人です。

06/24 22:41
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0255文字
fujimi243
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ネタバレトムの置かれた悲惨な境遇のあまりのつらさに、読むのを中断した。なんとか再開して、最後まで読めてよかった。トムは亡くなってしまったけど、ジョージ坊ちゃんの心に生きているんだと思う。逃げてたイザベラたちは幸せになっていて、心の底からほっとした。しかしこの本が書かれてだいぶ経つのに、人種差別はなくなっていない。もっと人の心を持てるようにしないといけない。
0255文字
優希
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奴隷制度の非人情を告発した著書だと言わずに何と言いましょう。アメリカ文学でこのような問題提起をしているからこその記念碑的名作ですね。
0255文字
そうたそ
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★★★☆☆ 何年か前に、他の出版社から出ている抄訳版を読み、光文社古典新訳文庫から完訳版を出してくれないかなあ、と呟いていたものだが、本当に出版してくれる時が来るとは。完訳版は非常に長大で重厚な作品。作品自体の古さ、時代性などもあり、翻訳事態も決して楽な作業でなかったはず。漸く、こうやって完訳版を読めるようになったのは嬉しいことだが、初めて読む人は抄訳版から入ってもいいかもしれない。上下巻にわたるこの長さ、決して簡単では内容を読み通すのは、なかなか根気のいる読書だった。
0255文字
Э0!P!
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トプシー「皮を剥いて白人になれるというのでもなきゃ、いい子にはならない!」オーガスティン「私が奴隷を解放したとしてあなた方(北部州)は喜んで彼らを教育しますか?」トム「どんなことがあってもあなたは私の魂を傷つけることはできない」
Э0!P!

リンカーンは奴隷解放をしたと日本では教わるが、北部の黒人差別が取り沙汰されることは稀である。ストウ夫人の問題提起をきちんと教育において扱うべきだと感じた。この書には直接出てこないが、ほぼ見た目が白人の黒人に対する性的な搾取は間違いなく存在したと考えられる。白人の振りをして遠くまで逃げられたという利点もあっただろうが、本来同じ白人相手には発揮できない欲望の捌け口として使われる、という悍ましい仕打ちを受ける可能性も大いにあっただろう。

05/08 07:54
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卍ザワ
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ネタバレ解説を先に読み、ネタバレしてしまった。現実は、もっと救いがなく、苛烈きわまりないと思われる。キリスト教もアメリカのように、アフリカで普遍的に広まるのか、疑問だ。いくら素晴らしい教義とはいえ、黒人たちの大地で、黒人を酷使する白人の像に祈りを捧げることができるのだろうか。著者のハリエット・ビーチャー・ストウが本書を執筆した1852年は、アフリカの発展に、まだ希望が持てたのだろうか。キリスト教ほど、支配者にとって、都合のいい宗教はない。「わしは旦那様を許しますだ」と自分を殺す者にいって、死んでいくのだから。
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Vincent
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圧巻の幕切れ。感動的な場面が数多くありさすがに不朽の名作。キャラクターでは優しく賢いサンクレア氏がとくに印象的で彼と従姉オフィーリアの奴隷制度のバトルトークは名場面。『ガリヴァー旅行記』(スィフト)のフウイヌムとの意見交換を想起しました。
Vincent

今年6月には『アラバマ物語』の新訳版が刊行される予定。これも人種差別ものの名作であり楽しみですね。

04/09 21:10
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Ayumi  Yasuda
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読書記録 図書館で借りた本 下巻も読み終えました 読書家でない私が上下巻1000ページの文庫本が読めたことが嬉しい🎵😍🎵 #光文社 光文社の古典新訳文庫 シリーズは、 古典を今息している言葉でもう一度 という思いで新訳でというコンセプトに共感します。 今生きる私たちでも読みやすく古典に触れられるように、という思いはありがたいですね。 愚者は、経験に学び 賢者は、歴史に学ぶ という言葉になぞり 私も賢者に近づけるよう 古典を色々読んでみたいと思います
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aries
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途中から自分の感覚が麻痺してきた。解説を読んでトムが何を隠喩してるのか理解して腑に落ちた。けど私には特定の信仰心がないから少し感情移入出来ない部分もあった。多分私がこの話の登場人物だったら気高い心は持ち続けられない。人間は本質的には野蛮な生き物なのかな。だからこそ倫理観をきちんと持って、それこそ自身の良心に従って生きたい。自分自身の内面に向き合えた良い本でした。これをきっかけに世界の歴史を勉強し直したい。
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アンクル・トムの小屋(下) (光文社古典新訳文庫 K-Aヒ 4-2)評価82感想・レビュー18