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光の護衛

感想・レビュー
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Sora
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語り手の痛みが伝わって来て読むのが辛くなる事が何度もあったが、それでも、共に痛みを感じたいと思った短編集。人の痛みと、痛みを感じる人への共感が本書のテーマ。語り手の抱える痛みは体の痛みだけではない。心の痛み。人としての自尊心。過去のトラウマ。罪悪感。人生への諦め。言語化できない様々な痛み。痛みを背負って日々を生きる。しかし、その痛みは、互いに連帯して伝え合う、小さな善意によって治癒されていく。その痛みに共感して連帯するか。それとも「『平凡な無関心』の残酷さ」に従って背を向けるか。著者は常に問いかけている。
kyong

著者のチョ・ヘジンさんは、他者を知ることはそう簡単な事ではない、なので簡単に読めてしまう物語ではないと話しています。ややこしくても、もどかしくても、ゆっくり時間をかけて吟味し記憶に残る作品を書きたいとインタビューで話していました。この感想を聞かれたら喜ばれると思いました。

01/25 13:07
Sora

コメントありがとうございます。感じた事を上手く言語化できたのか自信がなかったので、嬉しいです。Kyongさんが仰るように、簡単に読み解ける内容ではないので、繰り返し読む事で新たに感じる事が増えていくのではないかと思います。

01/25 14:01
0255文字
ぶつぶつ屋
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過去の記憶や理不尽な境遇、そういった事から受けた心の傷や残された傷跡、それらを旅するようにたどる物語だと思った。 自身の過去、親しい人の過去において人の形成には何かしらの影響を及ぼすものが、鋭いナイフであったり、光であったりするのだろう。 「光の護衛」誰の人生にも光の護衛があると良いな。
0255文字
遠い日
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静かに紡がれていくことばの重みに時として耐えかねるほど、研ぎ澄まされた思惟を感じました。口ごもるような修辞が単純には理解しがたい表現世界を醸し出す。戦争や政治の影響を受ける人々の無念や苦悩、孤独と絶望にも果敢に斬り込む。そこには作者の、見過ごすことはできないという正義と共感への望みがある。久しぶりに没頭して読むという読書の醍醐味をいただいた一冊でした。
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naff1968
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あまりにも美しい表題作に圧倒されました。他の作品も鋭くて、厳しくて・・・。“で、あなたはどうするの?“とずっと問われているような読書。
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ミネチュ
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う~ん、難しい。 なんとも言えない難しい小説。純文学。 こういう小説って苦手。 すごく深そうな感じは伝わってくるんですけど、自分ではよくわからない。 最後の「解説」を読んで、なるほど、と思ったり・・・
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フランソワーズ
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社会から弾き出され、孤独に沈む人々。政治や戦争といった、理不尽な大きな渦に飲み込まれた人々。そんな不遇の人たちの焦点を当てた短編集。ただ翻弄されるだけではない、彼らの人生の中に何かしらの「光」がある。その光は眩い希望のようであり、憐れむだけでなく、共に手を携えようと鼓舞する。お気に入りは『翻訳のはじまり』、『モノとの別れ』、『散策者の幸福』、『小さき者たちの歌』です。
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ケイティ
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「個人が直面する歴史的暴力の視座から描かれた9つの短編集」とのことだが、詩的な表現力と描写ゆえに、重厚な物語として純粋に胸というが息が詰まる。具体的なシチュエーションでも、個人にフォーカスされているためか、主観と客観が入り混じる不思議な感覚。韓国文学らしく、厳しくやや難解だが、一筋の光を感じる瞬間がある。続けて読んでいたらしんどくなったが、日にちをおくと不思議とすんなり入り込めた。それくらい、無意識にのしかかってくる何かがある作品だったのかもしれない。
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きじょん
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韓国の女性小説家が「歴史の暴力にさらされた人々の傷跡」を描いた短編集。静謐で美しい言葉が紡がれるが、修飾語が多くて抽象度が高い。あるドキュメント映画をめぐる物語では、映画そのものが仮想であるなど、分かりやすさを優先した小説ではない。それでも、傷ついた人々にそっと寄り添う姿勢は一貫していて、この手法だからこそすくい取れる情景があるのだと感じた。 著者は、ホロコーストに注意を払わなかった”普通の人々の無関心”も描写する。「真実を知ろうとするには努力が必要で、悲しみを甘受しなければならない」との言葉が重く響く。
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鈴木拓
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愛の反対は無関心だと聞いた。大きな事件ばかりに目が行くか、そのことによって傷ついた一人一人にはほとんどの人が気づかない。いや、見ないふりをしているのだ。ここに収められた短編には、我々が意図的に無視することを決めて生きている人々の姿が描かれている。こうした視点を持つ著者の物語は素晴らしい。そして、物語の構成と合わせて心を揺さぶる表現力。翻訳も素晴らしいのだろうが、原文を理解することができたらその価値がよりわかるのかもしれない。著者の作品はもっと読んでみたいと思った。
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鈴木 千春
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図書館でフト目にした。 「最近、韓国人女性作家が注目」がよぎり借りた。 まず、表題作をよんで 物語in物語? 主人公、語り部の内面変化で綴られている事に慣れなかった。 短編集なので、それぞれ、歴史的な事件の裏にある一人ひとりの葛藤や苦悩を描写、追っている事が解った。 一人ひとりの心のありようがフィードバックして、また世界の歴史を創っていく。 そんな事がさり気なく描かれている。 確かに、人の心の動きはこんなにも複雑なのか。 自分だけが、日々複雑に思考飛びながら暮らしているとの思いは、いかに傲慢か思い知った。
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mido
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人が生きる権利を奪われる「人権侵害」とは何なのかが丁寧に描かれている物語。そして傍観者や偽物を静かに強く拒否している作品でもある。読んで苦しくならない人は正しく生きている人かとんでもなくアツい面の皮の人、2択
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星落秋風五丈原
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静謐な印象の作品ですね。
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