「居酒屋甲子園」についての言及は、人間的な情動までもが商品化されて消費者が受け身となるほどに包摂が進んでいるとする。そして現在、包摂されていないものなどもうないという感覚が現在の閉塞をもたらしていると著者は書く。既に地球全体が包摂されてしまっている。その上で対抗策を示すのは本書の任に余ると拍子抜け。確かに薄いけど、けど。「資本の姦計を見抜くことにおいて、マルクスの資本主義分析ほど強力なものはない、ということだ」とはいいましても…。→
なお、精神疾患の割合が最も高い業種は製造業。パン工場で働いた事がある人なら分かるはずだ、あの機械に使われる奴隷労働を。おわりに。ブラックバイトから逃げ出さない学生が意味不明としつつ、その発想が今の学生になく、ただ逃げ出すことすらできなくなっている。「現代の人間を意志や想像力のレベルで抑圧し蝕んでいるメカニズムがある、と想定せざるを得ない」とし、それが「包摂」だと。これをひたすら拡大している連中こそが『西側による国家テロ』の首謀者とほぼ同じであろう。最近読んでいる本はジャンルは違えどつながりを意識している。
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