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弱さの倫理学 不完全な存在である私たちについて

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Dolphin and Lemon
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ネタバレ倫理を「弱い存在を前にした人間が自らの振る舞いについて考えることと」と捉え、人間の弱さから、医療倫理・科学倫理・環境倫理などについて論じた一冊。著者自身もあとがきで述べているが、具体的な医療、科学等における事例を豊富に紹介しながら、かなり具体的に論じられている。そのため、私みたいな理系出身者にっとっても読みやすい。また、医療関係者だけではなくエンジニアなど様々な分野の方に読まれてほしい。職業人が自らの立場を振り返るためのきっかけになりそう。
0255文字
きくらげ
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医療従事者が主に対象として想定されていそうなのは前著と変わらず。前著の終章では「ケア者の側の死の可能性が、病いを抱える人へのケアを真に成り立たせる要件であるように思えてならない」と記していた。ケア者も相手に向き合った際に本書に記されるような「弱さ」を持つ者であり、技術は「弱さ」の克服に向けられてきた側面があると意識する必要がある。しかし、感想としてはまとめ方がイマイチな印象で、思うに「弱さ」を名詞化し実在的な扱いとしているあたりから相対的な側面の記述が難しくなり、道具立てとして限定を被る形になっていそう。
きくらげ

ずっと「ケアをひらく」シリーズに含まれる本かと思っていたら、「弱さ」の捉え方や読者ターゲットなどが医療寄り、微妙に内容が同シリーズの理念とはなじまない、あとがきを見ると編集が白石氏でない、と違和感を抱いていたら、これは同じ判型でも無関係のものだった。「弱さ」の定義が「〇〇の代償」という形だと、実在論的な考え方に基づいている気がして、前著で書いていた構築論の立場とかどうなってしまうのか気になった。構築論の中で初めて現れる流動的な「弱さ」もあるのではないかと思いつつ、倫理とナラティブの結ぶところを今後に期待。

09/23 19:49
0255文字
まおまお
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「弱さを抱きしめる」いい言葉。信用できる。倫理とは弱さのまえにどう立てばいいのか考える学問だ。
0255文字
fujimi243
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弱い存在について考える。そしてその弱さを抱きしめる。倫理学の奥深さを感じることができた。
0255文字
つぼ
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『誰がその状況を改善する立場にあるか』忘れんとこ
0255文字
a._v._e
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★★★★⭐︎
0255文字
土田
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これまで読んだケア関連の本はギリガンをベースにしてて、ケアすることについての根拠の記載がなく自明なこととして書かれていたけど、この本はそれについて触れていてなるほどと思った。 「医療は臨床があるが、工学はそれがないから倫理が育まれにくい」という論は信じていいのかわからなかった
0255文字
buuupuuu
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我々は本来的に弱い存在だ。様々な技術はその弱さに対抗するために発展してきたものと捉えられる。医療技術がその典型であり、他の科学技術や環境に関する問題などもそこから連続的に考えられる。だが技術は力であり、負の効果をもたらすことがしばしばある。それゆえ利害関係者の声を聞くことが重要である。このことは医療の場面では当たり前になったが、他の技術行使については具体的な対話の場面を想定しづらいせいもあり、未だ常識とはなっていない。技術や力を持つものはその運用について責任がある。これは自己責任論とは対立する考えである。
0255文字
まさみち
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倫理とはどのような場面でもとめられるのか。 それは、強いものが弱いものと向き合った時に求められると解説されている。 医療でいうところの、専門家と患者のようにである。 強い側が自分を律するためのものが倫理だと思うのだが、 弱いものから、倫理的な振る舞いをするように求められるように感じることがある。弱さを用いて相手のことをコントロールしてくる人に対して、どのように接すればいいのか、ヒントを得られないかとこの本を手に取った。解決はしないが視点が広がったとは感じた。
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ほし
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医療倫理、技術倫理、環境倫理を取り上げながら、倫理が持つ法則性と、今後の課題を浮かび上がらせる一冊。極めて具体的な現実の問題を起点に話が進むため、ここで議論されている内容は他人事ではなく、自分も向き合わなければならないものだという実感をもって読み進めることが出来ました。明確な結論を出すような本ではないため、この本で投げかけられた問いは、読者それぞれが引き受け、見つめていく必要があるのでしょう。
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