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風よ あらしよ 下 (集英社文庫)

感想・レビュー
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紅香
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思えばお金も地位も名誉もなく、でもどうしてこんなに惹きつけられるのだろう。その真っすぐさに。3度の結婚、7人の子を成した伊藤野枝。100年前の出来事にしては今と酷似して他人事とは思えない。米騒動。無政府主義そして地震。。アナキストが憲兵に追われたのは天皇に刃向かう国賊という理由からと知り、笑止。時代の遅滞の長さを思う。この言葉と野枝の人生は腑抜けになった100年後の私たち一人ひとりに問いかける。『—そうだ、人は死ぬ。だから享楽に生きるか。だから憂えて隠遁するか。それともだからこそ今この時を燃やし尽くすか』
0255文字
ぺしみち
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運命の二人だったのかもしれないが、やはり「自由恋愛」という条件付き関係を継続したり、それに飛び込んでしまったのが批判の大元かな。そして最後はゾッとした。最近も「死人に口なし」的な疑惑はあるな。くわばらくわばら。
0255文字
モリメン
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書き出しとラストシーンの重なりは、映画を思わせる。そのシーンの重要性はマコの存在が際立たせている。なお、野上弥生子の後書きにあるが、後藤新平が野枝の書簡を保管していた事実など、今の時代に失われつつある精神の寛容性との対比で心に残った逸話だった。悲しい話だが、それでもエネルギーをもらえる本でした。
0255文字
ふみ
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ネタバレダメ男と魅力ある男は概して相反しない。その点大杉栄はとびきりのいい男だったんだろうな、と思う。しかも伊藤野枝といっしょにいる大杉はダメ男ですらなくなっていくのだ。一方で野枝は婦人解放という芯を失っていったようにみえる。(この小説の中ではね)作品の中で野枝の語る故郷の「組合」はアナ派社会主義の理想とも言えるが、私、そんなとこには住みたくありませんわ(  ߹꒳​߹ )そもそもアナーキストって連帯できるもんなんだろうか?そういった思想面の疑問は残しつつ、評伝小説としては一級品でした。
ふみ

大杉栄ってファーブル昆虫記 翻訳してたんだ(˙꒳​˙*?) なんか評伝なのに今回ついていきやすいな、とおもったら瀬戸内作品 多分読んでる。子どもんときに。

09/05 20:23
ふみ

共謀罪ってこういう人たちを拘束するには便利だよね\=͟͟͞͞(꒪ᗜ꒪ ‧̣̥̇)/

09/05 20:25
0255文字
どぶねずみ
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今年が女性活動家、伊藤野枝の没後100年にあたるらしい。彼女に関する本は2作目だが、私はなかなか彼女の生き方に共感できない。現代よりも生きづらい世だったのは確かだが、自分の主張を強めて生きたばかりに非業の死を遂げることになってしまったではないか。もちろん、十人十色なので否定するつもりはないけど、協調性も大事なんだって気づいていなかったのかな? きっと女性個人としては魅力的な方だったんだろうけど、なかなか女性活動家ってピンとこなくて理解しがたい。
0255文字
ぱんこむ
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伊藤野枝の直筆見てみたい。
0255文字
リョウ
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大杉と出会い、惹かれていく中で、ああまでして一緒になった夫との間の仲は急速に冷え、また大杉の自由恋愛主義による事件後、大杉が選び、それに寄り添ったのは野枝だった。周囲からの批判に耐えながら選んだ生活には満足しながらも、常に官憲から狙われるという不安の残る生活は続いていた。残念ながら最期は悲しい結末となるも、結局最期に寄り添ってくれたのは若い頃に同士として活動していた友人達よりも、不義理を働き続けた地元の親族だったというのは、何ともやるせない。
0255文字
糧
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村山由佳はやっぱりすごい。分厚めの本だけど引き込まれてる間に終わっちゃうし、なんか村山由佳の本を読んでる間の自分の語彙力は完全に上がっている。読む人のことを信じてくれてる言い回しというかなんというか、村山由佳の言い回しっていいですよね。伊藤野枝といっしょに私も腹が立ったし民衆に絶望もしたし、大杉栄に惹かれもしたし、辻潤も最初はかっこよかった。民衆への絶望はそのまんま今の人間たちへの絶望でもあって切なかったけど、現代には村山由佳の本があるからとりあえず生きていけますね。
0255文字
ウッチー
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 長編小説でしたが、面白かった。後半は、女性活動家より、大杉を支える妻の顔のほうが濃かったように感じる。憲兵隊の取調べにより死することとなったが、野枝はそこまで活動的に感じなかった分、残された子ども達が不憫に思えて仕方ない。
0255文字
devunwalsh
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吉川英治文学賞受賞作として読了。非業の死を遂げた伊藤ヤエの物語。自由を求める故に、フェミニズムや男性主権に対するアンチテーゼが時の政府には危険分子と取られ、不自由な生活を強いられる…。今から100年も前に繰り広げられていたと思うと早すぎた野枝出現がようやく時代が追いついて来たと…。無政府主義と自由恋愛を主張する大杉栄との同志としての尊敬、恋愛。依存。世の中との結びつきに対する葛藤…。渦巻く心境の変化がこの物語の醍醐味かと…。でも自分は共感までは至らない…。映画も観てみたいと思う一冊。
0255文字
TT
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おなじ日本なのに、100年前には 思想を危険視、反逆ととられて殺される伊藤野枝、大杉栄。 上下巻にわたる長い小説だった。
0255文字
kurio
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上巻の、女性が故に受ける理不尽と戦う様から徐々に流れが変わり、伊藤野枝・大杉栄ともに屁理屈で周りに理不尽な迷惑をかける連中としか読めず、全く共感できないまま読了。主義主張だけするけどもバックボーンは不明瞭、借金しまくり、子供を里子に出しまくりでは共感できないよね・・・小説としては面白かったが、、、やっぱり社会主義、アナーキズムは現代社会では共感を得るのは難しいでしょうね
0255文字
biron
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伊藤野枝という人の物語を読むという面では楽しい。でもやっぱり無政府主義への傾倒の理由が弱いと思うし、女である部分が大きすぎるような気がする。今でいえば、お騒がせユーチューバーに近い存在だったのかな。
0255文字
uburoi
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大杉はパリのアナキスト世界大会に参加するため日本を抜け出す。その資金は有島武郎が1500円をぽんと出してくれた。そして帰国後にほどなく関東大震災だ。大杉の『日本脱出記』がいつ書かれたのか気になる。それにしても帰ったら有島はp349「軽井沢の別荘で、『婦人公論』の記者であり人妻である波多野秋子と心中」していた。借りた金は基本、返さない男だった。
0255文字
麦
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ネタバレ上下巻読了。 下巻の中盤を過ぎた辺りから登場人物が増えてきてついていくのが大変になってしまった。池田屋事件は衝撃的。 大杉栄、ファーブル昆虫記を翻訳されていたんですね。小学生時代に読んでいたので急に親近感が湧きました。映画、観に行こうかな、
0255文字
ぐりーん
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自分の信念と思想に基づいて力いっぱい生きた伊藤ノエ。本作では彼女やその周囲の人々が実に生き生きと描かれていて、まるで一緒に生きたかような感覚になった。非常にむごい最期を迎えた彼女だけれど、その想いや人生が本作のような小説で残されたのは彼女にとって救いになったのでは、と邪推する。本作を通じてこの時代の人々を知ることができてよかったと思う。
0255文字
のびすけ
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下巻は、自由恋愛を標榜する大杉栄をめぐる男女関係のゴタゴタと、栄の思想家としての活動が中心。栄たち思想家と政府の対立の中で犠牲になった野枝。強い信念を持ち、全力で駆け抜けた野枝の生涯に胸が震えた。パートナーとして栄の思想活動を支えた一方で、野枝自身の社会的な功績についてももう少しスポットを当ててほしかったかな。それとも、この野枝の生き様そのものが一番の功績だったのかな。
0255文字
Ammie as 妹子⛪
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うーん、やっぱり大杉がただの屑にしか思えないのは、私の読み込みが足りないせいだろーか…。29年の生涯を駆け抜けた野枝。令和の今、生きてたらどんなだったろうな…などと考えてしまいました。
0255文字
ken
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いやあ面白かった。主人公は伊藤野枝という女性活動家だが、大杉栄とそれを取り巻く人たちの物語として読んだ。まるで当時の人たちが生き返ってるかのような臨場感があった。無政府主義が正しいかということは分からないが、日本が戦争に突き進むときに大杉が生きていたらなんと言うのだろう、とついつい想像した。
きゃり

おお!あの2人の物語ですか!読みたいです。

01/17 22:06
0255文字
Chee
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27年の生涯の、なんと濃いことか。短いのに、短いと感じさせないですね。野枝自身の思いとしても描かれていたけど、結局やっていることは、昔自分が否定していた女性たちと同じように見えるし、夫に何かあった時の狼狽えぶりは大きいけど、でも肝の座り方が違いますね。この時代に自分の主義主張を貫くことは、文字通り命がけだったんだな。今も、形は違えど、似た構図のことは起きてる気がする。1泊旅行のお供の本でした。帰宅までに読了できなかったけど笑、読んで良かったです。
0255文字
とら
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伊藤野枝の息遣いまでが伝わって来た。大杉栄と深い繋がりも。信じられないほどまっすぐ生き抜いた野枝。その欠片でも引き継ぎたい。
0255文字
Masakazu Fujino
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今まで、大杉栄と伊藤野枝が登場する小説や評伝を何冊か読み、彼らが登場する芝居も何作が見たが、この小説が一番ら二人のことをよく描けていると思った。とてもおもしろかった。
0255文字
小夜風
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【所蔵】読んでいる途中で劇場公開が決まり驚いた。総合で放送してほしかったのだけど劇場に行かないと観れないのかな。下巻は昼ドラかってくらいドロドロに始まったので、村山さんだし官能小説みたいになったらどうしようと心配だったが杞憂に終わりホッとした。最初大杉栄がただのクズ男にしか思えなくてなかなか感情移入出来なかったし、アナキストや社会主義思想云々とか言われても何をした人たちなのかいまいち曖昧でピンとこなかったので、後半判り易く書かれていて自分にも何となく理解出来たように思う。野枝は生まれるのが50年早過ぎた。
0255文字
ちい
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伊藤野枝とその周りにいた人々を描く。以前、金子文子について書かれたもの(「女たちのテロル」ブレイディ・ミカコ)を思い出しつつ、この時代の勢いや危うさを含めた女性の熱さを想像した。同時代に生きた甘粕を含めた人々の生き様は、読んでいて苦しくなる。
0255文字
rico
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下巻は、ダブル不倫に四角関係に刃傷沙汰というドロドロの状況で始まる。自由恋愛論は得手勝手な理屈にしか思えない。だが、野枝と大杉のくらしが始まってからは、穏やかとはとても言えないが不思議な安定感が漂う。尾行にあれこれ頼んでるあたりも微笑ましく。パートナー・家族・同志にして友人。飛び回る大杉に対し、地に足のついた思想を育くむ野枝。尋常でない生命力と方向性が合致しともに戦う、互いに唯一無二の存在として歩む二人には、覚悟はあっただろうが。何故幼い子まで。この後の暗い時代の先触れのよう。わかってはいても結末は辛い。
hon

松下竜一さんの「ルイズ」って本で、末娘の伝記的なノンフィクションが読めますよ。

10/29 01:36
rico

honさん、ありがとうございます!レビューも拝見しましたが、子どもたち目線だと、確かに厳しい評価になるのかもしれませんね。探してみます(^^)

10/29 12:39
3件のコメントを全て見る
0255文字
フキノトウ
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ネタバレ「自由恋愛」を掲げ妻と愛人二人の四角関係へと突き進む大杉栄。一人で妻や、愛人その二や大杉を支えながらもすれ違っていく市子視点が苦しかった。無茶苦茶をしながらも、読んでいても嫌いになれない大杉栄。尾行されながらも、その尾行にお使いを頼んだりと大らかな付き合いがあったのには驚いた。最期はあまりに酷い。なぜ子どもまでもが犠牲になったのか。異様な雰囲気に呑まれそうになった。
0255文字
くたなお
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この小説の冒頭で憲兵に連行される場面があったので、どこでどう繋がるのかと思って読んでましたが、案外あっさりと繋がり、拷問も思っていたよりもあっさりでした。伊藤野枝の立場からになるからなのか、平塚らいてうや野上弥生子が思っていたより嫌な人だった。らいてう主人公の小説なんかも読んでみたいかも。とにかく伊藤野枝さんは、太く短いけども濃い人生でした。
PEN-F

ごめん...なんかコメント3連発になってた😂

09/30 23:10
くたなお

このまま残しておこっか🤣

09/30 23:32
5件のコメントを全て見る
0255文字
Kayo Miyashita
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こんなに素敵なコンビは他にいないと思えるほど、同志として時代を生き抜いた2人、大杉栄と伊藤野枝。どちらか1人が欠けても成り立たない、唯一無二の夫婦。 人としてダメな部分ももれなく描かれて尚、輝きは失せない、そんな2人。 関東大震災から100年が経った今、こんなにも魅力的な評伝小説として完成させてくれた村山氏にたくさんの感謝の気持ちを送ります。 エネルギーをもらえた上下巻でした。
0255文字
mocha
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とてもドラマチックで良い読書時間だった。日本近代史にはこれまで関心がなかったけれど、アナーキスト達の群像劇としても面白く興味深かった。それぞれの人物が一人称で語る心の内、その葛藤が伝わってくる。解説にもあるように、評伝ではこうはいかないだろう。女性の自由と自立を叫んでいた野枝が、結局は夫を支え愛に生きた姿にも矛盾を感じなかった。ラストはもちろんわかってはいたけれど、あまりにも理不尽でつらい。
0255文字
きおくあたま
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ネタバレ下巻は、ようやく大杉栄と一緒になったものの、度重なる出産により行動力を半減させ、その代わりに夫の精神的な支柱となりつつ家庭を支えている構図で最期の場面を迎える。自分で考えたことを貫き進んだ人生だったのだろうが、やはり短すぎると感じてしまうのは、凡庸な人生を歩む読み手側の感性なのか。野枝が後藤新平に宛てた手紙はぜひ一度現物を見てみたい。
0255文字
biwacovic
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大杉との生活が始まる。近年発見された後藤新平への果し状とも言える手紙の章はアツい。「あたなは一国の為政者でも私よりは弱い」。そして甘粕大尉はやはり小物で国家の犬でクソとして描かれる。野枝がアナキズムを故郷の組合と接続して理解するシーンも感動的。
0255文字
オレンジメイツ
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ネタバレ村木源次郎の詩「マコよ」に涙。村山由佳さんの書かれた登場人物がみんな人間臭くて魅力的でした。もう少し伊藤野枝を深堀りして知りたくなりました。
0255文字
Kana
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ネタバレ下巻では上巻以上に驚くことがたくさん起こって、ページを捲る手が止まらなかった。伊藤野枝は本当に強い人だなと思った。大杉栄の自由恋愛は共感できなかった。最後に伊藤野枝と大杉栄と一緒にいた宗一が巻き込まれてしまったこと、遺された子供たちの中でも葬儀と社会葬に参列した魔子の様子は読んでいて胸が痛かった。
0255文字
naopyuru
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これでもかこれでもかと人生に色々やってくる人も居るのね。子供の作りっぷりもすごい。
0255文字
栄吉
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★★★☆☆ 近代史で社会主義で1番に思い出すのは小林多喜二。伊藤野枝については不勉強な自分でしたが、読了後は共感出来る処もあり前を向いていこうとの気持ちになる。
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うさぎや
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愛に生きることと思想を貫くことは両立できるということを証明していた野枝。終章での村木の述懐は、現在の日本のことではないかと錯覚させられる。
0255文字
ぱふぱふ
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上巻から引き続き下巻へ。伊藤野枝の伝記的小説。歴史にある通りの結末で,さぞ無念だったことだろう。中盤,パートナーの大杉栄が特高に捕まって収監された時に,内務大臣の後藤新平に宛てた手紙が載っているが,文章が素晴らしい。挑発的だ。人によってはビリビリに破かれてしまってもおかしくなさそうなものだが,現在に至るまで残っていることが後藤新平の器の大きさを示しているのか。あと驚いたのは,野枝がほぼ毎年のように子供を産んでいたことだなぁ。昔の人は強かった。主義主張があった。
0255文字
T S
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解説の上野千鶴子氏が述べているように、本書は著者渾身の「小説・伊藤野枝伝」である。だからこそ、瀬戸内寂聴が書いた大杉栄・伊藤野枝の小説にはない生々しさがあった。同志の男たちの描き方がよかったのと堀保子や神近市子の描き方がフラットだったのもよかった。ところで、著者が列記した参考文献に江口渙の『続・わが文学半生記』がなかった。この本は大杉と野枝のことを知る上での基本文献のひとつだが、単に知らなかったのかはたまた敢えて載せなかったのか興味がある。そして、上野氏のシスターフッド的な解説は思いのほかよかった。
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takeのすけ
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ネタバレ大杉の勾留に激昂した野枝が時の内務大臣・後藤新平に長文の手紙を送りつける下りはワクワクしますね。後書きで知りましたが、この事実が明るみになったのは2001年と最近のこと。伊藤野枝集に全文載ってるみたいですが読みたくなってしまいますね、これは。
0255文字
陽ちゃん
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野枝が大杉と行動を共にするようになってから最期まで、事件が起こりすぎて、あっという間に読んでしまいました。4人の幼子を遺していくのは心残りだっただろうな。それにしても、偶然、夫婦と一緒に連れられていた大杉の甥の宗一まで…がいたたまれません。
0255文字
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