形式:単行本
出版社:白揚社
記憶はきわめて大切であると同時に、たいしたことではないのだ
周囲の人間の記憶力の乏しさには落胆させられる(というよりも乏しい事に自覚していないことに)。つまり記憶の信奉者である。しかし、記憶とは非常に素晴らしいものであると同時にそれを扱う人間のシステムは現代社会とミスマッチを起こしていることだ。もっと「今ここに」であったはずだ(アルツハイマー病の扱いは、精神病をアサイラムに詰め込んだいた時代を彷彿させる、私の考察ではかつては共同体が受け止めていただろう)。本書を読んで、私自身だけでなく他人の記憶力についても寛容さを持つ必要があるなと感じた。HSAMにならなくて
よかったと思うなら尚更だ。Siriの共同開発者(トム グルーバー)が言っているんだ「私たちはすでに、記憶力の仕事をかなりの部分をスマートフォンに肩代わりしてもらっている」外部ツールを利用して脳を拡張しよう。それを知れば、現代人のはもう少しだけ快適に生きられるはずだ。記憶を基に未来を想像し続けるのは骨が折れる。
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