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嫌な気持ちになったら、どうする? ――ネガティブとの向き合い方 (ちくまプリマー新書 426)

感想・レビュー
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jabrafcu
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生きづらさを研究テーマとする社会学者が,ネガティブな気持ちが湧いてきたとき,またそうなっている相手への対処方法および/としてナラティブ・セラピーのさわりを教える書。著者自身がかつて深い絶望にあった当事者であり,その言葉には切実さを伴った説得力があると同時に,回復し安定した状態の暖かさも感じられる。▽「ネガティブ」は伝染し,二次被害を引き起こすので相談するにもされるにも知識と技術がいる,というのにはなるほどと思わされた。単に「つらいときは相談しましょう」ではダメなのだ。
jabrafcu

問題をその人の意思や人格から切り離し,問題そのものの原因へ対処していくナラティブ・セラピーの技法を「問題の外在化」というそう。ネガティブになった人がおかしな行動をとってしまうことを〈問題=妖怪に取り憑かれ行動を乗っ取られる〉というふうに著者は表現している。人間が自分の意思ではコントロールできない事象を憑依のメタファーで表すのは谷川嘉浩『人生のレールを外れる衝動のみつけかた』と同様で,コンテンポラリーな人文・社会科学系の思潮が感じられた。

03/19 23:41
jabrafcu

ほか,言う側・言われる側の地位関係によって愚痴が機能するとき/しないときがあること,メンバーが家の外での評価ばかり気にかけ家族へは無関心でケアがない家族を著者は「ドーナツ型家族」と呼ぶこと,なども参考になった。同著者の『依存症と回復、そして資本主義:暴走する社会で〈希望のステップ〉を踏み続ける』(光文社新書,2022年)も機会があれば手に取ってみたい。

03/19 23:41
3件のコメントを全て見る
0255文字
hirokoshi
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読み上げ機能使用。めちゃめちゃ良かった。著者自身が思春期のころ家庭から逃げたかったのだそうで、そういった境遇の子どもへの目配せもあり寄り添いがとてもやさしくあたたかい。しんどい気持ちの対処の選択肢に「誰にも話さない。とにかく寝るとか」があるのも感心した。この手の本って「まあゆうてもあなたの認知をなんとかするしかないわけです」的に、困っている読者をさらに追い詰めるように感じてしまうようなものもある(そういう被害妄想を持ってしまうくらい読者は困って弱っているのです…)中で、これは本気で読者を救おうとしてる。
0255文字
さと
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心理学については触れたことがあるが、筆者の専攻する臨床社会学は初めて知る分野だったので新鮮だった。 他にもそういった本を読んでみたい。 ・マイナスな感情を抑えつけず受け容れる、気持ちに寄り添う →こういった感情をある種の症状だととらえる。病気のようなもので不意に発生するが、うまく共存できれば自分の身体を守ってくれる ・変えれるもの、変えられないものを見極める ・問題に直面した時、できなかったことではなくできた経験やできなくてもやってこれた経験に着目する (自分がいつも問題に負けているわけでない)
0255文字
りょう
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とてもよかった。分かりやすかった。気持ちにすっと入ってきた。
0255文字
あい
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なんて素晴らしい本なんやと呟いていました。怒り、悲しみ、不安などをまとめた「ネガティブな気持ち」は合っている感情だったんだ…と胸にストンと落ちました。無くさないといけない感情だとばかり思っていたけれど、実は自分を守っていてくれている存在でもあったのか…。ただネガティブな気持ちに感染されっぱなしではよくないから、これからは問題を外在化させてどうやって対抗していこうかと考えようと思います。
0255文字
やん
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ネタバレ図書館で見かけて。若者向けの本だけど大人が読んでもためになった。メモ<自分で自分の感情を消し去ろうとするのは自己否認><問題の外在化><魔の時間帯><たとえ、実際に会って話をしなくてもこの世界にこの思いをわかってくれる人がいる。そう思えるだけで、ずいぶんと心が軽くなるものです><人を責めない姿勢はヒューマニズムや人間愛のような理想から生まれたのではなく、「責めても、問題は解決しないことが多い」という現実、「責めるくらいでは、人は変わらない」という絶望から立ち上げられているのではないか>
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サキモト
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大学で教授をされているからか、若者にも分かりやすく書かれていて非常に読みやすい。問題の外在化、ネガティブに覆われるのは発熱のような症状と捉えるなど、「嫌な気持ちになったら、どうする?」の選択肢をたくさん与えてくれる。
0255文字
s
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読んでよかった。夫の愚痴を聞いてあげたいけどしんどいという悩みがあった。しんどくなる理由と対処法が分かった。他にもネガティブな気持ち、自分だけじゃないって思うだけで心が軽くなったし、向き合い方も分かった。関連書籍も読んでみようと思う。
0255文字
さとまる
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自分の抱えている「ネガティブ」な問題とはちょっと違っていて直接的な助けにはならないかもしれないが、「ネガティブの伝染」や「問題の外在化」などは参考になった。
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nstargia__
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高橋和巳さんの消えたい 読む 感情は妖怪が取り憑いてる 暗い気持ちになるーマンとかにとりつかれてる!
0255文字
ヨシオ・ペンギン
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神様ポジションと問題の外在化
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samandabadra
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自分の中に生まれる様々なネガティブな気持ちの乗り越え方が示されている。自分の中にあるネガティブな気持ちを隠し生きている人は多くいることも示されており、場合により、それらに他者が「感染する」し、ある所を超えると、なぜか話しても聞き手も乗り越えることを実感する時があるとも。感染されまいぞと、困った感を出す依頼などにそっけない対応をする人もいるとか。そのようなときに困った感を引っ込めてビジネスライクな口調で押し通すと対応がましになる人もいるという体験の紹介もあり、豊富な対策語彙を含め非常に参考になる
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サトゥルヌスを喰らう吾輩
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ネタバレ心理系の畑ではなく社会学系の著者が書いているセルフヘルプ本というところが少し異色で面白いです。心に発生するネガティブな感情を妖怪に例えたり話を始める前に相手にとってほしい態度をお願いしたり簡単かつ実用的な知識を授けてくれる本でした。著者が推しているナラティヴセラピーの本と高橋和巳という方の本も気になります。
0255文字
バッシー
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ネガティブは伝染する、変えられないものと変えられるもの、問題の外在化などなど、はっとさせられることが多い内容だった。実用的とも思う。ネガティブになった時にまた読んでみたい。
0255文字
さくさくさん
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社会学の本は「この現象に名前がついているのか!」といつ発見があって面白い。妖怪の例えなんかもわかりやすかったなあ。問題の外在化は実践していきたい。
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garigari
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・「〈自己否定〉と〈自己肯定〉の発展的統合は〈自己受容〉」・問題の外在化は難しそうだがぜひ身に着けていきたいスキルだ。ホワイト「もしも人が問題だとしたら、自己破壊的行為以外にほとんどなす術はない」
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ジン
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自分自身に対しては酷いことを言ってる。それはそうだ。これを人に言うと、暴力100%のことを自分に対しては言っている。○んだ方がいいのに、生きてる価値ある?情けない!自分に対してもっと優しくできればいい。
0255文字
mond
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ネタバレ「神ポジ」は自分も立ち勝ちだと思った。問題の外在化を「妖怪ウォッチ」に例えたのはとても分かりやすかった。
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らっそ
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ネタバレ今年の1冊目は、すぐ役に立つHOWTO本。問題の外在化=妖怪に取りつかれてる、と発想を変えられると少し楽になると思う 書置:困った声を出すと助けてもらえない確率がグンと上がる/面倒くさがらずに対応してくれそうな人、知識や技能が足りていそうな人、感情的になりにくそうな人を見つけて、彼らに適切なタイミングで相談すればいいわけです/ナラティブ・セラピーの方法:ユニークな結果への着目、問題の外在化/
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りりり
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ネタバレ子どもが大きくなった時用に本棚に並べておこうかなと思って購入したけど思ったのとは少し違って本当に悩みの底にある時のためには別の書籍が欲しいかなと感じた。でも、大学生なっても親との関係に悩む人が少なくないようであることなど自分にとって読めてよかった。/「神ポジ」専門家でも当事者でもないのにわかったふうにコメントをいうポジショニング、か。/いきなり相談を始めるのではなく、相談予定を予約して相手の心構えも準備というのはとても大事だと思う。
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よね
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とてもわかりやすく読みやすかった。「二次被害」というものの存在、神ポジ、ナラティブセラピー、「魔の時間」など、知ることができただけでも良かった。相談するときにもされるときにも、書かれていた注意事項に気をつけておきたい。
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ゆうあゆ
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多かれ少なかれ子供たちは二次被害にあってるきがする。それを避けたいと思った。伝染するネガティブ。魔の時間。
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本読むおっさん(Lester_the_Nightfly)
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☆ serial number 362(2023) ☆ 著者が自分の陥った状態から脱する過程で得たものをスタートラインとするという点で『ドーパミン中毒』(アンナ・レンブケ)を想起させられた。「幽霊の正体見たり枯れ尾花」という江戸川柳を彷彿させる得体の知れない(自分を害する)感情やその因子に「名前を付け客観視する」行為が脱出の第一歩であるという指摘には目を開かれる思いがした。ここで枯れ尾花である「ネガティブ」とどう付き合っていくかを丁寧に示すのは著者自らの体験のフィードバックだからなのだろう(②へ続く)。
本読むおっさん(Lester_the_Nightfly)

②(承前)☆ 本題と関係ないのだが,②番目のコラムで,傍目には中のよさそうなカップルがそれぞれ孤独を抱えており,ふたりは「寂しさを埋めあっているのではなく、寂しさを抱えていることを理解しあう関係なの」だという話が出てきた(同著75~76頁)。この関係性は『正欲』の主人公二人の関係性に非常に良く似ていると思った(だから「世間的な行為」の(自分達にとっての)滑稽さがあるから「去らずに待てる」のだ)。

11/18 16:11
0255文字
桜海老蔵
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ネタバレ妖怪ウオッチの例えはわかりやすくて良かったです。あと、神ポジションも「あ~わかる。」となり、一気に身近に感じられました。ナラティブセラピーの誰が物語るかによって、同じことでも意味合いが変わって来るというのもかなりわかりやすかったです。痩せてきたことに対して内科医は「検査しましょう」教師は「いじめがないか確認します」精神科医は「薬出します」祈祷師は「先祖の問題を供養しましょう」と見方が変わるのはナラティブを端的に表していると思いました。社会学者なのに鋭い人間観察力があり、脱帽しました。
0255文字
タルシル📖ヨムノスキー
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誰もが持っているネガティブな感情とどう折り合いをつけていくかについて、心理学者や精神科医やカウンセラーではなく、社会学者という立場から、ご自分の十代・二十代の苦い体験や、大学での学生とのコミュニケーションを踏まえつつ解説している本。悩みを聞いてもらっているはずがいつのまにかこっちが非難されたり、逆に誰かの悩みを打ち明けられているうちになんだかイライラして思わず説教!なんて経験は誰にでもあると思う。この本によればそういう状況になったら「カメ」になってひたすら話を聞くことだそうだが…。コレがなかなか難しい。
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読書家さん#6EEgmC
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ネタバレ「嫌な気持ち」ってえらくざっくりしてるなあ、と思って本を開いた。しかし怒りや恥ずかしさ、寂しさ、劣等感など全部含めて「嫌な気持ち」と表していることがわかって納得。自分のネガティブとの向き合い方と、相手のネガティブを聞く方法どちらも書かれていて興味深い。ナラティヴ・セラピーも詳しく学びたい。
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ふみりな
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相談による二次被害はまさにあるあるですね。聞いて受け止めてもらうだけでよいのに、断定的な答をだされる、あげくには説教されてしまう。また一度目の相談は受け止めてくれて、安心してまた二度目の相談をすると、またかみたいに面倒くさがれたり、貴方が甘いみたいなことを指摘されたり。人に聞いてもらうのも簡単ではない。
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金平糖
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C+。
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cape
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ネタバレ疲れた脳みそにプリマー新書のやわらかさは読みやすくてありがたい……問題の妖怪化、ネガティブの感染。平易な表現でわかりやすく、さっそく子どもへの説明に応用(「いま、イライラ妖怪がきてるよ!まわりの人にも感染しちゃう!」とか)。外在化ってキーワード、チラ見した『セルフケアの道具箱』にも出てきたなと。著者はカウンセラーではなくて社会学者(かつサバイバー?)で、学者としてよりも、子ども時代に生きづらさを抱えていた当事者の立場から書いている。
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シュウヘイ
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誰に相談するか?自分自身と相談する 傷つけられることはないかも
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なかむー
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この本を読んで、もう少し自分のことを大切にしてあげようと思った。自分自身をネガティヴにさせる言葉を投げかけるのは、他者だけではなく自分も含まれるんだなぁ…。そして、ネガティヴ妖怪に取り憑かれていると思うと、他の人にも少し余裕をもって接することができそう。
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ゆうろ
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どうにも深いところまでいかず、今しんどい人が、この本を読んで余計に苦しくならないか心配になる。ただ、この本より、もっと深い話をしている本の紹介は随所に載っているので、入門もしくは門前という意味では、最適な本にも思う。
0255文字
わさび
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ネタバレ愚痴しか言わない人が職場にいたことがあったので、「ネガティブは伝染する」は納得した。偶然いただけでも巻き込まれる。また著者が相談した時に感じた、上手な助けてもらい方については経験がある。助けてもらうにもコミュニケーション力が必要なのかも。「どのような感情であれ誰かを傷つけず、自分を傷つけず、つまり社会性を損なわない範囲で表現するという課題」
0255文字
Tomoko Miyagawa
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例に出てくるのが大学生なので学生に読みやすい文章になっているが、何歳でも共感できる事例が多い。 ネガティブ思想を妖怪にみたてるポケモンの例えは面白い。 魔の時間は亀になってやり過ごすなど、特別難しいことは書いていない。ただ多くの人が寂しさを抱えている世の中のようだ。
0255文字
アイス
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たまたま読むことになったが、私も作者さんと同じように、親の愚痴をひたすら聞いていたことがあったので、自分と同じような人は初めてだったため、大変驚いた。自分が経験したことがあることがたくさんあり、ついつい、わかる、わかる、と読んでいた。相談についての二次被害を避ける方法など、大変参考になった。後半のセラピーについては自分では難しそうだが、できるようになったら、考えが柔軟になって、生きやすくなりそうだ。
0255文字
あると
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語りかけるような文体が分かりやすくて読みやすい。 例えがしっくりきて、思わず「うん。うん。そうそう。」と頷いてしまう。 心理療法の一つであるナラティブ・セラピーの考え方が易しく書かれていて、ネガティブとの向き合い方が具体的に示されているので、中高生にもおすすめ。
0255文字
めるみ
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問題の外在化を分かりやすく理解できた。自分の気持ちを妖怪に例えられているのでイメージしやすい。いま怒り(妖怪イカリング)に取り憑かれているんだ。どのような影響があるか?どのような対抗ができるか?と考える。 そうすれば、怒ったことは悪くないと思えてくるな。
0255文字
ソーシャ
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ナラティブ・セラピー研究が専門の社会学者が、ネガティブな気持ちの性質や対処方法について経験に基づく具体例を挙げながら解説した本。実証的ではないけれど、相談する側・される側によくある問題やどこか居心地の悪い家族の問題について、具体例を交えて丁寧に議論した上で読者に言葉を与えてくれるあたり、さすが社会構成主義が専門なだけあります。ただ、この本の方法で解決しなかったらちゃんと専門家に頼るべきです。
0255文字
すい🕊️
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定期的にネガティブに襲われてしまうので、その対策にと手に取りました。ナラティブセラピーの考え方が書かれていたり、ネガティブを妖怪に見立てる例えがあったりとよき一冊でした。私も妖怪あつめを真似してみようかな
0255文字
KEIJI
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「ポジティブ」に向き合う本は数多あれど、「ネガティブ」に向き合う本は意外と多くない。本書は、そんなネガティブとの向き合い方について、わかりやすい言葉で丁寧に紡いでくれる。また、最近よく耳にする、「ナラティブセラピー」についても、概念を一通り学ぶことができる。自分の人生を生きやすいストーリーに書き換えること。そのための技法に、「問題の外在化」があること。そして、私たちの人生に避けて通れないネガティブを受け入れ、やり過ごすこと。そうスレは、必ず道は開ける。
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嫌な気持ちになったら、どうする? ――ネガティブとの向き合い方 (ちくまプリマー新書 426)評価80感想・レビュー49