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文學界 - 街と、その不確かな壁(1980年9月号)

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広井啓
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ネタバレ村上春樹が生煮えのまま世に出してしまったと悔み書籍化しなかった中編で、最新作第一部の基になっている。僕は16歳の時に知り合った彼女に会うため、壁に囲まれた街に行く。街には影がないので、僕の影は門番小屋の地下室に隔離される。街の図書館で再会した彼女は僕のことを知らない。僕が愛していたのは影の方だったのだ。彼女の影は既に亡くなっていたが、予言者たる僕が図書館に通ううちに彼女と親しくなる。一方、僕の影が瀕死になったから、僕は大いに悩んだ末影と共に街を出、彼女の元を去る決断をする。物語の意味を解釈するのは難しい。
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歩行者天国
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著者は本作「街と、その~」を失敗作と言ってるそうですが、ファンにとっては「街とその~」や「世界の終わり~」の原点的作品でして、かつ単行本・文庫本化されていない貴重な作品でして、国会図書館の複写を利用し拝読させていただきました。「街とその~」の完成度の高さは言うまでもありませんが、文章から熟す前の若々しさのようなものが感じられ、これ(本作)はこれで「一読の価値あり」なのです。
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バナナフィッシュ。
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ネタバレ壁に囲まれた街のみの中編。今回の新作はここから派生したとのことで読んでみたが、内容はほぼ同じであった。リアリズムの文体で非リアリズムな事象を描くという試みの初期の作品ではあるがとても完成度が高い。壁は人の内面であったり、闇であったり、夢幻であったりと解釈は色々。読みやすい作品でもある。
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ちや
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国立国会図書館から郵送複写で取り寄せた。
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くろすけ
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ネタバレ【国会図書館の遠隔複写を利用】導入と最後の部分が新鮮(文体が村上春樹っぽくない)。壁の街にいる主人公は20代?で(20年以上、影と一緒という表現がある)、図書館の彼女とはカラダを含め恋人関係になる。街の住人は影(=弱くて暗い心)を無くし壁に守られ、時間が意味を持たない安寧な世界にいる。一方、主人公は時間や暗い心を持つことを手放さず、結局元の世界に戻る。短編であり、最新作とニュアンスが異なる。読み比べると最新作は文章が美しく、壁の街で居場所を見つけた少年に対する視点が優しい。長編に書き直してくれて良かった。
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ヨックムド
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壁に囲まれた街に入るために影を引きはがされる。図書館で女に会い、まぐわう。影とともに街を出る。 壁は話しかけてくる。町からは出られないと門番は言う。老兵と親しくする。 何かありそうなイメージ。だけどそれがどこに行きつくのかは提示されない。 やれやれ、とかはない。きざでもない。どこか古風な伝説のようなおもむき。
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