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日本宗教のクセ

感想・レビュー
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amanon
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対談形式ということで一気に読了。読了後、タイトルの「クセ」というテーマが言い得て妙だな…と感心してしまった。個人的にとりわけ驚かされたのが、仏教や神道では包摂できない、日本人特有の宗教観が存在するという指摘。これは先に読んだ『江戸問答』でも言及されていたことで、今後更なる深掘りが必要かも。また、夕日をテーマにした章で、人は基本的に西(日が沈む方角)を目指し、東にはあまり興味が向かないという指摘には虚をつかれた気になった。また、夕日に対する思慕や憧憬からその宗教観を考察するという視点も、非常に新鮮だった。
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みーあ
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★4 55頁『今は切れ味のいい、難問を一刀両断してみせるクリアカットな知性が優れた知性だと考えられていますけれど、これからは知性に対する評価軸を換えた方がいい。「頭がいい」ことじゃなくて、「頭が大きい」とか「頭が丈夫」というほうが大事になるんじゃないでしょうか。…『頭の器が大きい』といろんなものが入れらる。正しいもの、価値あるものだけじゃなくて、「なんだかよくわからないもの」がごろごろとしている頭のほうが危機的状況に対処する力は高いということです』。211頁『人を投げたり固めたりという技の稽古を僕たちは
みーあ

なんでしょうか』。ここは自分に当てはまるなー、今後は小出しに言うていきたいなー。227頁『宗教的成熟の第一歩目は「この世には人知の及ばぬ境位が存在する」という事実の前に戦慄することなんですけれど、その次に必要とされるのは、メンターを「信じる心」なんですね。完全に無防備になって、「この人についていこう」と決めて、自分を全部預けてしまう。これが難しい関門ですね。…宗教的に成熟するためには、一度今までの自分の知的な枠組みや、価値観や、善悪正邪についての判断基準を「無効」にして、フラットな状態になる必要がある。

12/14 11:18
みーあ

自分を「タブラササ(白紙)」にして、そこにメンターがかき込む言葉をとのまま受け入れるということをしないと次の段階には進めないんですね、でもこれがすごく危険なことなんです。/そこの危うさは宗教領域における課題です。宗教という名の剣ヶ峰を歩くような事態です。一歩間違えるとすべて台無しになってしまう危うさを持っている。でも、そうやって、身を委ねない限り見えない光景がある。…大事なのは「メンターを見極める力」。…僕自身について言うと、メンターとの出会いは全部「ご縁」なんですよね』。でその際は、身体性に従うとよき。

12/14 11:25
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ぽっぽてと
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面白かったー。対談だからラジオを聞くみたいに読めるし、頭に入ってくる。前半は宗教っていうより文化人類学のような話だと思っていたけど、後半は新興宗教や戦後の宗教の話から日本人の宗教の特性があきらかになっていった。私が無知だったためにそう感じたのかもしれない。もっとこういうの読みたい!
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宮崎太郎(たろう屋)
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いつもながらお二人の絶妙な掛け合いが楽しい。宗教性をテーマに比較宗教学の視点からスピリチュアルも否定はせず、伝統宗教と日本の近代以降の新宗教も論じていく。多様性やこれからの移民対策を考えれば、それぞれの宗教性の違いを考えたり理解することの難しさも大切にしたい!
0255文字
takao
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ふむ
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老齢症状進行中
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敬愛する内田さんの本ですが、宗教ということで釈さんのホームグラウンドですから、今回は、釈さんが目立ちます。こういう本を中学や高校で読み込むと宗教リテラシーも十分だと思います。日本は、宗教と政治の話を避けすぎで、ごく普通に感想を言い合える、そんな社会になってほしいな。
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ヤマトタケル
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図書館本。いつもながら内田樹の言説は大変面白い。浄土真宗僧侶の釈徹宗との対談。日本宗教のクセを考える、夕日の習合論、お墓の習合論、今こそ政教分離を考える、戦後日本の宗教のクセ、の5章構成。政教分離については、旧統一教会を取り上げ、対談ながら深掘りした内容になっている。日本人の宗教観は誠に複雑。「日本人は無宗教」と言っても、一括りにできる筈もなく、宗教に関するあらゆる事が「日本人には○○という人もいる」と説明されると腑に落ちる感じが。現在多くの人が抱えているお墓の問題も背景は奥深いなぁ…と。
0255文字
みーあ
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★4 付箋箇所はP122『亡くなった人をどうお弔いするかという態度が、暮らしの場に影響を与えることもあるようです。以前、医学書院の編集者・白石正明さんに教えてもらった話なんですけど。白石さんがあちこちの高齢者施設を取材していた時期があって、その中に、特別な取り組みをしているわけでもないのに、みんなが穏やかに暮らしている施設があったそうなんです。白石さんによると「特別な取り組みはないのだが、その施設では、亡くなった人はそこでお通夜、葬儀をして、のちのちの法要もつとめている」という話でした。これが影響を与えて
みーあ

いるわけじゃない。稽古を通じて、生きる知恵と力を高めるというのが目標なんです。だから、学者には学者の合気道があり、芸術家には芸術家の合気道がある。道場で稽古して会得したことを自分の現実生活で活かしていく。それが合気道だ、と。これは開祖植芝盛平先生のときからずっと言われてきたことだそうです。道場は楽屋であり、実験室であるわけですから、そこではどんな実験をしてもかまわない。自分で好きなことをやっていい。ひとりひとりが自分で仮説を立てて、それを道場で実験して、仮設の適否を検証して、仮説を書き換える…ということを

04/13 06:50
みーあ

毎日繰り返す。その点では自然科学と同じなんです。そして、道場を出たら、道場で会得した生きる知恵と力を用いて、それぞれの社会的な活動、市民生活、家庭生活を豊かに生きる。合気道はそういう教え方をします。僕は合気道を四十七年間稽古してますけれど、この考え方が本当に好きなんです。でも、今お話を聞いてたら、これって日本人の宗教性そのままなんですね(笑)』。これ、私が学んで6年目のヨガも同じこと言ってる。どんな学びも同じだなあと感じることよ。

04/13 06:55
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マウンテンゴリラ
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私にとって思想界と宗教界を代表し、共に信頼のおける論客のお二人の対談とあっては、引き込まれずにはおれなかった。構成としては、釈先生がテーマを設定し、内田先生に投げかけるというものであったが、両者の柔軟性と思考の深さがより際立つという面で、大変面白い対談になっていると感じた。タイトルに掲げられた「日本宗教のクセ」という内容については、一般にもよく言われる神仏習合というのもが、妥協の産物という安易なものではなく、より深い意味を持つということに気付かされた。人生の節目における行事として、宮参り、七五三、→(2)
マウンテンゴリラ

(2)結婚式、葬式等、そして日常生活においても、クリスマス、初詣、節分、お盆等、ある意味での宗教儀礼に親しみながら、宗派的な一貫性が無く、また、宗教儀礼独特の厳かさに欠ける態度が宗教を蔑ろにしたものとされているのが実態でもあるだろう。しかしそれは、ある特定の宗教から見れば、ということであり、必ずしもそのことをもって無宗教的とは言えないだろう。ある意味そのような慣習が究極の習合的宗教と言えるかもしれない。確かに、日常の中で宗教について考えたり、議論することを極端に避ける国民性があることは確かであり、→(3)

02/17 21:19
マウンテンゴリラ

(3)それが特定のカルト教団などに付け込まれやすい体質になっている、と言えるかもしれない。これまでは、それを日本人の欠点と考える向きが強かったが、必ずしもそうで無いかもしれない。強い信仰に裏付けられた宗教とは、ある意味、日常をコントロールする術とも言えるが、まったくそれが無く、宗教自体が日常に溶け込んである状態は否定的に捉えるべきものでもない。現に、両者の対談も思想と宗教の習合とも言え、それがさらに進んで日常の糧になれば、素晴らしいことではないか、と感じられた。

02/17 21:31
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乱読家 護る会支持!
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5回にわたる対談をまとめたもの。 内田先生と釈先生の対談本は、昔「現代霊性論」を読んでから、面白いのでずっとハマっています。 思想家、宗教家の本は、深掘りされ過ぎていて、読んでいて段々とついてゆけなくなることが多いのですが、対談はそれぞれの思考の違い・ギャップから、予期せぬまったく別のもの、異質のものが噴き出してくることが多く、ワクワクしながら読めます。 対談のテーマは、、、、 日本宗教の特異性である「習合」、アジールにいる異能な人たちの宗教性、お墓の過去と未来、政教分離、戦後日本の宗教などなど。
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867
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面白すぎる...! 最初はあまりピンとこなかった「習合」も、おそらく動物的な本能として備わっている「夕日への神秘性」も、死者への弔いも、政治との結びつきも何もかも「宗教」なのか。 なんだかわたしも小さい頃から本を読んだり、ゲームをしたりしながら「宗教的成熟」を促していたのかもしれないと納得。
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ことり
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お二人の頭は一体どうなっているのか。話はあちこち飛びまくり、内田先生も釈先生も行き先の決まってない電車に乗っているようで(時々難し過ぎて)読み返したり。でもなんとなくわかる気がする読んでいてわくわくする対談本。関東人としては一度、四天王寺行ってみたい。
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踊るらいぶらりあん
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「街場」の内田樹と僧侶であり宗教学者でもある釈徹宗による対談本。内田の、墓と供養についての話は昨夏に講演でもちらっと聞いて印象に残っていた。神仏習合については何度もうなずきながら、宗教との向き合い方については、まだまだ(私の)修行が足りないと反省しながら読んだ。神仏や超常的なもの、見えないものに対峙するセンスを養いたい。
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Twakiz
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自分にはまったく思いもよらないような話題や考え方がポンポン出てくるのが内田先生の本の常である。住職で宗教学者の釈先生との対談本。知らないことだらけ!「日本人はクリスマスを祝ってお寺で除夜の鐘をついて、神社へ初詣に行く」でもそれが日本人の宗教観出会って良いような気がする。「宗教的なセンス」はどれだけ信心深い行動をしているか、とはちょっと別のことであり「異界とのチャンネル」や目に見えないもの(神社に入ると空気の粒が違う!といようなこと)をいかに感じ取れるかといった身体感覚の問題だという指摘にはなるほど。
Twakiz

政治と宗教の話も興味深い。自民党の統一教会問題のみでなく、移民政策にも宗教的な面での対応が色々必要なのに日本では全く考えられていないという指摘にもあーっと思った。学校の現場ではもう現実問題になっているのだろうか。今年もウチダ本をいろいろ読んでみようと思う。

01/06 12:14
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ネギっ子gen
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思想家である内田と僧侶の釈による5回のトークライブを書籍化。神仏習合など多岐にわたるテーマを語り合う。【古いものも、ずっと残る】釈:<世界を見渡しますと、例えば仏教でいうと、密教が勃興すると、それ以前の仏教が密教に追いやられてしまって密教一色になったりします。南方のほうでも、かつては大乗仏教各派あったのですが、今はほぼ上部座仏教画が占めています。/キリスト教文化圏だと、もともとあった土俗宗教はなくなっていくんです。でも日本は、ひとつの宗教がものすごく拡大して力を持っても、今までのものも消えずにある>と。⇒
ネギっ子gen

【神仏習合の理論的脆さ】内田:<「明治政府の方針がそうであったとしても、できたばかりの新政府の宗教政策が、1300年続いてきた宗教的伝統を一片の政令で廃絶することがどうして可能だったんですか? どうして抵抗運動がなかったんですか?」と問われたときに答えられなかった。/どうしてそんなことになったのか、それが知りたくて『日本習合論』を書いたんです。本を書くうちに、「習合」というのが理論的に誠に脆いものなんだということがよくわかりました。経験と感受性と生活習慣と、それだけなんですよね。体系性がない>。その通り!

12/18 11:33
ネギっ子gen

【日本は、「行」の種類が多く難易度もピンからキリまである】内田:<日本の場合、聖地巡礼は必ず観光とセットになっていますよね。宗教的な行が娯楽を兼ねている。宗教的緊張がどこかで世俗的な弛緩の仕組みで緩解されるようになっている。かなり厳しい行の場合でも、終わった後は必ず「直会」があって、緊張をほぐす。/キリスト教の場合、信仰心が嵩じるとファナティックになってしまう。神の意志を地上にただちに実現するという原理主義的な方向に向かう。「悪魔を探し出して殺せ」という攻撃的なマインドになった人は「行ったきり」になる>。

12/18 11:34
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2021 GT
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浄土真宗の僧侶釈氏と内田樹氏の対談。神仏習合と一言で語られるが実はよく考えると理解できない部分(1300年も続いた神仏習合が明治維新で突然捨て去られたのはなぜか、というフランス人からの質問にちゃんと答えられなかった云々)についての考察があり面白いです。
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ナリボー
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7/10 宗教との向き合い方は論理ではなく感覚で、世の中とどう折り合いをつけるか、という論調は非常に好感を持てた。
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k2019
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図書館
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tamami
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内田センセと宗教家釈徹宗さんの対談最新刊。内田センセの本は、怖いもの見たさという感覚でよく手にしているが、今回は素直に大変タメになった。それにしても、専門家の釈さんは兎に角、内田センセは宗教にも造詣が深く、一々頷くことばかり。内容的には、第三章「お墓の習合論」がいろいろ考えさせられた。センセと同年代の自分には、死者と関わる作法を教えてくれる年配者=大人というような話や、釈さんの「過去の他者」「未来の他者」の考え方にも同感する。血縁者以外の中間共同体が痩せている日本と言う指摘に、今やそれさえもと不安が募る。
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まめ
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めちゃくちゃ面白かった。interestingタイプの面白さ。古来から現代にかけての宗教観や、現代の政治と宗教におけるイビツさなどが、対談形式で書かれていて読みやすい。私自身、特定宗教の信者ではないが、宗教学自体はいろいろな意味でとても興味深い。
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あしぶえ
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米先住民は7世代先のことを考えて行動すると聞いたことがある。お二人の他者認識は過去、現在、未来に及ぶ。余白や異界あっての今ここなのだと。土着の習慣と宗教との関連についての対話も興味深い。
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橋本
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内容があんまり頭の中に残らなかったけども、そのかわりイライラや不安も和らぐ気がしました。
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ネルシュン
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いつ読んでも内田先生の本は勉強になります。
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Qfwfq
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★4
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たs
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難しい部分もあったけど、オリエンテーションの件とか、日本人は怒りを小出しにするのが下手だとか、海外から取り入れたものを自分たちのスタイルにうまく変換して合わせるところとか妙に納得した。また周辺知識をつけて再読したらもっと楽しめると思う。
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Tenouji
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聖徳太子信仰は面白そうだ。
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manabukimoto
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内田樹先生と、釈撤宗先生による、宗教対談集。 ユーラシア大陸の辺境で、複数の先人が辿り着き、住み着いた日本。この地における宗教は、何でもかんでも混ぜ合わせる「習合」と、先行したものを完全に滅ぼすことなく古いものを残し続けること。 宗教教育における怪談の役割が面白かった。「この世には人知の及ばぬ境位が存在する」という事実の前に戦慄する、そこに宗教性が始まる、と。 あとはメンター選び。幼児期に無防備に人を信じて傷つけられなかった人が「良き弟子」になれる、と。 宗教的な営みとは何かを、改めて考えさせられた。
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ryohjin
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あとがきに「釈先生が「ちゃんとした話」をして、僕(内田樹氏)が「突拍子もない話」をする」とあるように、日本の宗教をめぐるお二人の対談がテンポよく展開しています。夕日の宗教性を語り、金剛組と聖徳太子信仰にふれ、政教分離を考え...幅広く関心を向けて対談が進み、宗教を考える多くのヒントを受けとることができます。終わり近くで宗教的な成熟・未成熟の目安ついて「他者の宗教性・信仰に対して鈍感ではない」「自分の信仰の加害者性に自覚的」なことと挙げて、宗教的なセンスの問題としています。心にとどめておきたいと思います。
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pirokichi
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ネタバレ日本宗教の日本固有の「クセ」をめぐる対談集。公開対談を聞いているようにお二人の表情が見え、声がしっかり届いてきた。「自由な社会は必ず格差社会になる」、「内面重視でなく、(行)行為先行である」、「東へ向かうのは人間にとって不自然な動作」、「世界の一般的な火葬は灰にしてしまう」、「古いものもずっと残る」等々大変興味深く勉強になった。「宗教が政治化すること、ビジネス化することに違和感を覚えないような人たちのことを『宗教家』と呼びたくない」には大きく頷いた。死んだおじいちゃんはクラウドに保存されてる云々は笑った。
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おさむ
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ネタバレ戦後日本の宗教のクセとは、古いものもずっと残る。異なる宗教同士が共存する場合は案件を棚上げしたり、課題を先送りしてきた。聖なる世界に行ってしまわずに常に日常生活に足を置いている方が尊い‥‥。ベースは内田さんの「日本辺境論」。ユーラシア大陸の東の端にある島国なので、流れ着くものを貪欲に柔軟に取り込んで文化や風俗を融合させてきた。それが八百万の神となり、一神教がなかなか浸透しない風土にもつながった。内田さんの「宗教も医療や教育と並ぶ社会的共通資本の一つで、政治や市場とリンクすべきでない」との考え方に同感。
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Iwata Kentaro
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献本御礼。こういうクロスボーダーな宗教の本は本当に勉強になります。仕事柄、死とはよく向き合うのですが埋葬とかお墓とかには全く無知です(まあ、僕が詳しいのもどうかと思いますが)。すごく勉強になりました。
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