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我が手の太陽

感想・レビュー
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ユースケ
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話の筋はいわゆる転落系。に加え、石田さん得意のニッチな設定をかけあわせたもの。衝撃のラストは比喩表現、か。 なかなか頭に入りづらいマニアックな用語など、細かな説明がとにかく多く、そのためリアリティはとてもあるが、一方、物語というより、説明書を読んでいるかのようであった。ニッチな業界故にそれらはもちろん必要であろうが、それがマイナスに働いたところが多く、また、ユーモアさ欠いた本作は、石田さんらしさも半減したように感じる。
ユースケ

(続き)同じような作品を産み続ける作家さんがいる中で、チャレンジする姿勢は素晴らしいが、評価としては、過去作を超えているものではないかな、と。 ★3.2

03/16 16:36
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ぽーちか
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ネタバレ溶接という未知の世界。危険を伴う作業。超ドキドキする。伊東の職人としてのプライド、自分の能力への不安、自分の未来への不安。溶接工でなくてもこの気持ちわかる。左手が溶ける。リンパ液でテラテラと光る。幻なのか現実なのか緊迫したまま物語は終わる。面白い。
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おにぎり
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ネタバレ主人公の職場は熱そう·暑そうなのに、どこかヒンヤリした小説だった。ブルーカラーの矜持や社会的な立場が描かれる。現場仕事を見下す人々、目の前の仕事を見下す主人公、労災、職業病と登場するワードが重い。 最後そういうことか。職人としてはもちろん人間としてももう…
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ちよとう
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4 溶接工20年のベテランがスランプに陥る物語。師匠の健康悪化を目にしたり、段々と自信を失くしていく様が、読み進めるほど不安で痛々しく、最後はどうなってしまうのかとハラハラする。作者は男性現場社会の描写が非常に上手い。溶接の技術に関してよく研究勉強されたと感じる。
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こやま
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溶接作業の緊迫した場面にドキドキする。芸術性も併せ持つ凄腕溶接工が主人公で、どうエキサイティングに物語が進行するのかとワクワク読み進めるが、転落してゆく。簡単な仕事ではなくかつ凄腕だけに同業の人を見下すが、ブルワーカーとしての劣等感もあったりと心理的な弱さがある。慢心なのか慣れなのか不安全行動をとってしまった事をキッカケに周りの人から技術まで否定されてしまい、確固たる技術&経験による自己肯定と、他者からの否定に揺れ動く心理描写に読み応えがあった。慣れ、面倒、近道は災害の元なので気をつけよう。
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鹿乃子
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その道20年にもなるベテラン溶接工作業員の話。冒頭の部分から、なんでこんなことができないのかって他者を見下している心理があり、そこが物語で首尾一貫していた。自分はすごい、他とは違うという自信は確かに必要な職業なのかも。しかし、それは傲慢な態度にもなりえる。この世の職業全てに言えるね。溶接やら専門用語が多くて、情景描写も細かかったが、知識が乏しくわたしには半分も理解できなかったけど、ストーリーは難なく追えた。
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よしじ乃輔
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熟練した溶接工のプライドとスランプ。陥った時の焦燥感のヒリヒリさ。ミス挽回のための安全確保をおざなりにしての作業。突き詰めた細部までの現場の表現が著者の特徴に、中上健次を思い出した。(他の方も書いていらっしゃいますが)
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DEN2RO
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20年の経験を持つ溶接工が、ある時自分ではあり得ないと思っていた失敗をし、仕事を1年間禁じられるという罰を受けます。その間の経緯とその後の彼の転落が、仕事の詳しい描写と彼の内面の葛藤と共に物語られます。作者には、転落・没落の年代記を期待したいところです。
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さくら
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ネタバレ職歴20年の溶接工が主人公。溶接工がなんぼのものか知らないが、自分以外の全員を無能と馬鹿にしていて、その傲慢さゆえにミスを犯し、本意でない仕事に回され、そこでまたミスをしてそれを人のせいにしてほんとどうしようもない。。。溶接の説明が多かったがよくわからないのであまりイメージがわかなかった。
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makko
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熟練工という技術の高さと経験に裏打ちされた自信は、慢心と紙一重。手に火傷を負ってしまう主人公。残酷だ。
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練りようかん
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主人公はベテランのエース溶接工。冒頭のハンダづけシーンは万能感が伝わり、高温の火と自分の手先に心酔してる印象を受けた。しかし物語は残酷にも主人公の落ち目を予感させる展開。表参道というキラキラした場所でビル解体の現場の空気感がムワッと立ち上がり、一言二言しか交わしてないのに、この濃さは何?と思う面白さと、様々な技能を持った人達が一つどころで作業してる業界への関心で引っ張られていった。真綿で首を絞められてるような不快さがクセになる、終盤の加速に息が詰まり醜態が冷や汗ものだ。楽しいお仕事恐怖小説だった。
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きよ
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職人小説とでも言うべきか。溶接工の話なのだが、元請の職人に対する扱いや、現場の厳しさがリアルに書かれていて短い小説ながら読みごたえがあった。自分の腕は自分が良く知っている、という職人のプライドはカッコよくも聴こえるし、我儘、自分勝手にも思える。職人が不足すると言われている建設業を思うと、悲しくも感じる読後感だった。
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Toshi
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ネタバレ溶接工伊東は、現場での失敗から不本意な解体工事の現場に回される。溶接に戻りたい伊東は同僚の仕事を肩代わりしようとするが・・。以前この著者の「我が友スミス」の感想で、こんなマニアックな小説を書いて次作はどうなるんだと心配していたが、本作はそれを上回る溶接工のお仕事小説、ネタバレを恐れずに言うとガテン系「長距離ランナーの孤独」である。前作同様、主人公にしか語れないディテール、打ち込むものへの想いをどうやってここまで描くことができるのか、著者の取材力、筆力に圧倒される。続けて読みたい作家がまた一人増えた。
ヴェネツィア

Toshiさんのレビューに心惹かれ、まずは『わが友スミス』を発注しました。

11/27 17:18
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Olive
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職人のプライドが年齢と共に崩れていく。周囲との軋轢も年齢ゆえか。以前の自分ではありえないミスと行き場の無い苦悩と葛藤。バーナーから勢いよく吹き出す炎の描写ひとつひとつに石田ならではの科学的な視点や分析が光る。これぞ石田文学と思う。私は好きだ。
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niki
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読んでいて鼻がツンとなる。この人の小説は、世の中は信ずるに値する世界だと思わせてくれる。どんなに真っ直ぐな気持ちでいたとしても、それが評価される世ではないけれど、その真っ直ぐさは美しいのだよと背中を押してくれる、頭を撫でてくれる。専門用語の連続で読みにくさはあるけれど、緊張感がバシバシ伝わってくる。ヒリヒリする。私も一緒に悔しくなる。そしてゾッとする怖さがある。不思議な作品。不思議な作家。
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葉月
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配管工として溶接作業に従事する男を描いた去年の芥川賞候補作。かなり面白かった。己の溶接工としての腕の高さをアイデンティティとしている男が、自らの技量の低下に直面して揺れ動く様がとにかく読ませる。特に作業を完璧なものにしようとするあまりに危険を犯す中盤のシーンは息をもつかせぬ迫力だ。溶接工の捻くれたプライドのあり方に、社会からのブルーカラーへの蔑視が潜んでいるのもよい。
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hiroshi
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著者の最新作から遡り3冊目。溶接工の話。さすがに分からない単語が多かったが、主人公の偏執と言おうか癖の部分には薄気味悪さもありつつ共感できた。常に影がつきまとう「検査員」の存在・描かれ方とか、中上健次を思い浮かべた。
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れんこ
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溶接について何も知らないし、専門用語もわからないけれど引き込まれて最後まで。ビル工事の前を通った時は上を見上げてしまいました。
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Natsuko
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石田さん、スミスに次いで2冊目。スランプに陥った熟練溶接工の内面語り。分かるものにだけ分かる確かな技術とプライド、現場や作業種のランク、常に自分の手がけた作業の欠陥率に追われる重圧。想像する機会もなかったその世界を覗ける読書の醍醐味を堪能した。ただ専門用語が並ぶマニアックな技術説明は、最初こそ新鮮で興味深かったが、徐々にしんどい😓スミスの時には筋トレのマニアックさも含め楽しめたがこれはさすがに…。柔な読者がついてこれないほどとことん突き詰め深掘りして描いた石田さんは凄い。
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メカイケ
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これは純文学なんだなぁ…
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Akirajimusyo
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あっという間に読了。石田さんの既刊全部読んでしまいました。著者の書く主人公たちに共通する何かに惹かれるのか、ハマりました。追いかけていきたい作家さんです。
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かな
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ベテラン溶接工の話。ミスが多いと現場から外されるとか、同じ仕事なのに大手、2次請け、孫請け、みたいなところで仕事に向き合う姿勢の違いとか、苦しさが多かった。
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Mc6ρ助
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(図書館の予約で、)待ちに待った石田夏穂さんのこれもまた芥川賞候補作、なぜにこれほど読み進めにくいのか?身につまされて失敗する主人公を見ていられない、ということに尽きるのかも知れない。この世知辛い世の中、虚構のなかだけでも人間前向きに生きたいもんだと思ってしまうのは贅沢なのだろうか(そう思うのが年をとったことだとは思いたくはない)。合掌。
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つくし
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学生の頃の授業で、ハンダゴテで基盤かなにかに銀色の粒を落としたこと、金属を溶かして別の形に変えてやったぞといえ一種の快感を得たことを思い出した。それにすっかり魅入られて溶接工となった主人公。技術者として歳月を重ね、タイトルに象徴されるような自負、誇りが見受けられる。ある種自己完結しているような職人の世界にも評価だの信頼性だのが関わってくると、世間体だとか顔といったような側面が現れて、それによって揺るがされてしまう何かがある。ちょっとホラーみたいな気持ち悪さがありました。
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ジョンノレン
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ネタバレ20年培った溶接手腕にに執念に近いプライドを持つ主人公のに突きつけられた欠陥率の高さ。作者お得意?の関連現場作業徹底深掘りの他に類を見ないお仕事ストーリーで、これが現実とは言わぬまでも、起こり得そうなルール逸脱オンパレード。主人公専門の金属溶接から始まり、ビル解体現場、高所、品質検査、元請と下請、それに金属蒸気に関わる特殊健診などあるあると思しき事例が次から次へ。主人公の執念が生んだか幻の検査員。プライドも程々に、少なくとも主人公はいわゆるヒーローではなかった。
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フランソワーズ
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熟練溶接工の自負と驕りと、不安。”現場”の悲哀を感じるこの小説。『ケチる貴方』や『我が友、スミス』のような”可笑しさ”と、誰にでも共感しやすいところがないのがちょっと残念。この小説家の長所が失われてしまった気がする。
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TANIA
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熟練溶接工の伊東が陥ったスランプ、伊東の手はどうなってしまったのか。
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遠い日
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全く知識のない溶接の現場のピリピリした緊張感に終始貫かれて読む。腕のいい溶接工伊東の矜持と失敗への恐怖と羞恥。綯い交ぜになった感情を持て余しながら、極度の集中を見せる。20年の熟練者が突如襲われたスランプ。こんなはずない、信じがたい、という欺瞞が胸を妬く。太陽と同じ熱を扱う溶接の技術のあれこれを読みきれてはいないということが歯痒い。
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フリット
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武骨な職業人の小説というイメージ。女性の影を感じることがなく、世の中に色恋沙汰という艶っぽい話が存在しないかのような話だった。己の腕への強い自負を持ち少し立ち回りが不器用な男性の姿を、女性の作者が表現していたのが不思議に感じられた。個性的な世界観で、他の作品にも触れてみたくなる。
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あきひと
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石田さんが取り上げる題材は独特だ。『我が友、スミス』は筋トレだったし、これは溶接工の話。実に細かいところまで調査研究が行き届いていて、現場まで入り込んでいると分かる。中学のころか、実習でのはんだ付けで、はんだがハンダゴテに触れた瞬間の挙動を見て昂奮するというのは、理解できるが、それがもとで溶接工になるとは。でも石田さんが書きたかったのは職人の職人気質のほう。面白かった。
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R
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誰にでも覚えがありそうな、自尊と傲慢の境がわからないことと、認めたくないことへの恐怖が描かれた物語だった。溶接工という仕事をモチーフにして、その仕事がなければ工事が進まないという事実と、でもその仕事を軽んじている風潮と、その仕事が少しずつできなくなっているかもしれない自分というものが、それぞれ噛み合ったりすれ違ったりしながら、主人公が暗闇に囚われていくような様を見守る物語だった。最期が救いになったのか、象徴的過ぎてわからなかったのだが、読んでいるとやたら緊張してしまう手ごわさだった。
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ゆきりんご
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石田夏穂さんの本を読むのは4作目。今までの作品も自分とは少し距離のある世界の話だったけど、今作はなおさら馴染みのない世界の話だった。主人公伊東の仕事は溶接工。溶接に関する専門用語は正直難しく感じた。伊東の仕事ぶり、自分の仕事に対しての誇りやこだわり。肉体を酷使してきたからなのか、ピークを過ぎたからなのか、前と同じように溶接作業をしているのに、少しずつ狂いが出てくる作業への焦りや恐れ。溶接工という馴染みのない仕事の話だけれど、これはどんな仕事にも当てはまるのではと思うと、この小説の受け止め方が違ってきた。
0255文字
takao
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ふむ
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GAVI
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全く知らない世界(馴染のある人っているのかな)で、状況がよくわからなかったけど、何か凄みがあった。圧倒されたが、結局最後どうなったのか、理解不能。
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本と言葉
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★★★‪☆‪☆ 主人公はプラント配管施工会社の溶接工。 無胴綱により溶接作業の禁止処分が下り、溶断工としてビルで作業する。 序盤、主人公は仕事に忠義を持つ誠実な人であるように映っていたが、誰よりも仕事の捉え方を改めるべきだと気づかせる展開が面白い。 溶接は遮光ガラス越しに行うため、「溶接工は溶接する様を見ていない」という理論から、自分のした仕事だと思えないと感じる思考回路に納得と興味を持った。溶接について初めて関心を持てた。 幻覚の検査官と時系列の整理に時間がかかった。 締め方が好みではなかったのが残念。
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ぱるむ
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あー、難しかった。溶接のことが詳しく書いてあるけど、読んでも1個もわからない。そのうち、飛ばし読みし始めて、多分台無し。人間だからミスぐらいするでしょうよ。ラストもよくわからなくて、やっぱり純文学とは相性が良くないな。
やも

うんうん、私もよく分からなかったです👍🤣

05/15 17:36
ぱるむ

やもさんも!石田さん、他の本はわりと良さそうなので、懲りずに読んでみようと思います☺️

05/15 19:47
4件のコメントを全て見る
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mike
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ネタバレなんかムズかった。溶接現場の専門用語は馴染がないのでとても取っ付きにくかった。しかし、石田さんの独特の文体はあっという間に私の心を引き付けた。技術もプライドもめちゃ高い伊東。彼はスランプに陥るがそんな事は認めたくない。自分に意見する者は皆気に入らない。俺はお前等とは違うんだと腹の中で思っている傲慢な嫌な奴。途中から謎の検査員が登場するが、これって伊東の中に生まれた劣等感と言うか自信の無さの象徴かなと私は思った。それにしても肝心なラストだ。手が柔らかいの冷たいの、よう意味が分からんのやけど???
mike

CABINさん、まさにそう。出来ない人を見下し自分の失敗を認めたくない。周りはやりにくいね。

05/11 23:00
mike

やもちゃん、ホントに。最後までちょっと、あんたねーと言いたくなる人やった(⁠˘⁠・⁠_⁠・⁠˘⁠)

05/11 23:01
6件のコメントを全て見る
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たか
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仕事柄この手の溶接みたいなものを扱うから読んだけれどもめちゃくちゃ取材して書いたんだろうなというのが伝わってくる。それゆえに少し説明臭くなっている部分はあるかも…。知識の披露だけでなく話のテンポもよく120ページくらいしかないのもあり全然ダレず読み物としてちゃんと面白い。終わり方だけちょっと気に食わない…
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Rina
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ネタバレ他の石田さんの作品とは違う感じ。プライドを持った溶接工のスランプ?落ちていく姿が描かれている。現場は安全第一。安全が守れない人はヘタ。
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スローリーダー
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伊東は有能な溶接工として周囲から称賛され、それを矜持として生きてきた。管理者や検査員へは面従腹背し溶断工や配管工を下に見る驕った精神も宿していた。そんな彼は先輩や同僚が職業病で去って行くのを目の当たりにし、自らも年齢に伴って劣化する技能に焦り煩悶を繰り返す。職人魂を持った主人公が絶望の淵に落ちていく過程を見るのは辛い。彼には溶接しか無いのだから。我が手の太陽が遠のいていく悲しみが憐れに思われる。/溶接工を題材にし、専門用語や業界用語を適切に使って鬼気迫るドラマを構築した著者の努力と手腕を評価したい。
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