形式:単行本
出版社:講談社
形式:Kindle版
第169回芥川賞候補作。鉄鋼を溶かす、太陽と同レベルの高温の火を扱う溶接作業は、どの工事現場でも花形的存在。その中でも腕利きの伊東は自他ともに認める熟達したトップ溶接工だ。鉄鋼を溶かす間、伊東は滅多に瞬きしない。息も最小限に殺す。火が鉄板を貫通すると、その切り口が上下に破かれ初め、切断面から動脈血にも似た火花が、ただただ無尽蔵に散る。ーーそんな伊東が突然、スランプに陥った。”お前が一番、火を舐めてるんだよ””お前は自分の仕事を馬鹿にされるのを嫌う。お前自身が、誰より馬鹿にしているというのに”“「人の上に立つ」ことにまるで関心がなく、嫌悪感すら抱いていた。自分の手を実際に動かさないのなら、それは仕事ではなかった。”いま文学界が最も注目する才能が放つ前代未聞の職人小説。
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