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発酵食品と戦争 (文春新書)

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なん
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戦時下の発酵食品、酒、知られざる発酵を主に日本の戦争から読みとる。最後のロシア・ウクライナ戦争の段は全体的なテーマからみるとやや浮き気味で、付録のように感じた。それでもジョージアワインのくだりなどは興味深かった。
0255文字
NBかえる同盟
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小泉先生の本なのでとりあえず購入したが、内容がかたそうなのでしばらく積んでしまった。が、読んでみると、多少寄せ集め感があるものの、面白い! 専門である発酵(食品)と戦争との関わりを様々に記したその内容は、民俗学的な価値も感じる。原材料の不足から「人毛醤油」なるものが研究されていたとか、江戸時代に小便を用いた火薬づくりが行われていたとか、まあ面白い。「密造酒」なる項の、住民と役人の攻防も笑えた。そして、戦争反対。
0255文字
kinkin
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発酵食品の権威、小泉先生が太平洋戦争の戦時下、様々な食品をどのようにして作っていいたのか、また戦時下でどのような工夫をしていたのか。 第2章ではお酒と発酵の関係と作り方が解説されている。発酵食品では納豆、味噌、醤油、食酢、漬物、食パン、鰹節、チーズ、甘酒、チョコレート、紅茶、缶詰。私は戦争中は生まれていない。今の食生活からみれば多分食べられそうもないものも多かったのではないかと思う。しかし食料危機が身近になる環境下、食の工夫も必要な時代がきっと来ると思う。昆虫食についても一部記述あり。図書館本
0255文字
しょー
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発酵の大家である著者の新刊。以前書かれた本かと思ってたら、最後の章が「ウクライナとロシアの発酵嗜好品」とのことで、戦争が始まって以降に書かれたことがわかる。発酵食品って食生活には欠かせないが故に戦争の影響を受けることがよくわかる。話題は食品に限らず、爆薬や薬、その他の幅広い用途にまで広がる。戦時中の日本の燃料不足で穀物から燃料を作るとか、今のカーボンニュートラル技術の先駆けではないかと。
0255文字
Hiroki  Nishizumi
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発酵への愛に満ちた本。戦争との関係というより戦争だろうが何だろうが人類に発酵食品は欠かせないことを訴えている気がした。鰹節やチョコレート、紅茶まで発酵食品だったとは驚いた。
0255文字
yamatoshiuruhashi
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小泉博士お得意の発酵学の知識満載の本。発酵と戦争を結びつけるのは、食品としての発酵物だけではなかった。戦争はいかに兵站を重んずるかで勝敗が決まるのは先の帝國陸海軍の惨敗を見ればわかる通り。その兵站の重要な一つが食糧であるが、人間が戦さを始めた時から、エネルギーと塩分を確保するのに発酵食品は重要であった。のみならず発酵の化学が日本では火縄銃の火薬作りに使われているのは博士の別の本でも書かれていたが、ここでは簡単な化学式でも説明。更に芋を使った内燃機関燃料、抗生物質にまで話はとぶ。偉大なり、発酵。
0255文字
Kelevra Slevin
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納豆、味噌などの発酵食品を主に戦争との関わりの視点から、作り方、地域性、その効果、さらには話のネタになるようなトリビアがあって非常に読み応えがあった。発酵食品は保存がしやすいということもあり、いかに材料などを安定的に確保することに腐心していたかがわかった。インスタント味噌汁が戦国時代から既にあったとは驚いた。特に印象に残ったのは明治大正の時代、密造酒を巡る官憲と村民の争い。官憲が村に近づくや合図で知らせたり、官憲を囲んでボコボコにするなど今の感覚では少し理解しづらいが、当時の空気感が感ぜられた。
0255文字
roatsu
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発酵に関する小泉先生の博覧強記と情熱が立て板に水の如く披歴される面白い一冊。発酵の食にとどまらないその作用の神秘と古今東西を問わず人間の暮らしを支える機能の凄さにしみじみと驚く。戦時を救った、の帯は内容とはずれるし先生も本意ではないのでは。発酵を用いた飲食物を軸に我が国の主に近現代史を顧みる内容にもなっており、大変よくまとまっている。戦時下から敗戦後にかけての納豆普及と生産に関する業界人の政界を巻き込んだロビー活動はまさに民主主義社会の陳情と政治を通じた権益確保の在り様を見る思いで勉強になる。ただ口を開け
roatsu

て給餌を待つような受け身の姿勢は問題外で、自らの利害にこのくらい積極的にコミットするようでなければ生存は覚束ないと感じる。個人的には我が陸海軍の酒保の実態や、五箇山地域で数百年続いた小便を用いる煙硝製造のお話が印象深い。また、先の大戦を見るまでも無く資源小国の我が国では芋の糖分を発酵で燃料に用いようと試みた施策など昔の笑い話にせず、子供だましではない確実かつ高効率の新エネルギーの開発と併せて独立自存への複数の選択肢として研究と実用化は続けるべきでは、なんて思ったり。非戦は心構えとして否定はしないがやはり戦

11/05 19:25
roatsu

争とは切り離せないだろうとも思う。発酵が用いられるのは人間の活動でありその選択肢に戦争が残り続ける限りは。

11/05 19:25
0255文字
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